私の人生は私で決める。
帰宅すると、最近すぐに母親との喧嘩が耐えなくなった。
なにかあれば文句をつけてくる。
今日の喧嘩は帰宅時間が少しだけ遅くなった件。
『遅いじゃないっ15分も過ぎてるわよ!』
高3にもなってそんな……。
『私だって朝帰りとかしてみたい!朝帰りじゃなくてもこれくらい遅い時間とは言わない!!』
そう言って私は自室に戻った。
私には兄と弟がいる。
《2人は全然遅くても怒らないのになんで私だけ18時なの…?おかしいよっ……。》
それからベッドにこもった。
なんかムシャクシャしてイライラして仕方なかった。
『先輩、ここから抜け出したい…?』
どこからか由梨の声がする。気のせい…?
『気のせいじゃないよ。窓の方をみて。』
声がする方を見あげると、窓には由梨がいた。
《なんで、なんでいるの……‼いや、その前にここ3階だよ…?危ない……》
『ど、どうしてここ知ってるの…なんで3階まで登れるの?』
聞きたいことはたくさんあった。しかし、そんなことより先に…
『抜け出し…たい……お願い、私を連れていって…!』
由梨は、私を抱えて窓から屋根へ、屋根から屋根へと忍者みたいにどんどん飛び乗って行った。
少しカッコいいなと思ってしまった。
『ねぇ、なんで私の家知ってるの…?それとなんでこんな漫画みたいなことできるの……?』
聞きたいことはいっぱいあった。
『…それはね、先輩…………』
『ナイショなんだよ…♪』
由梨は可愛く笑ってそう言った。