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026 ハイセツブツ

バスは無事に学校に到着し、ボクは教室に入ろうとドアを開けた。



ガララ…。


パフッ。


頭に何かが当たった。



「………。」



いつもの黒板消しだった。



「アハハハハハハハ…」


クラスのみんなが笑う。


そしてボクはむせる。



「ゴホッ ゥオッホッ」



「あはは…ばぁ〜か!ばぁ〜か!あひゃひゃひゃ」


萌ちゃんがボクを指差して笑う。



「……ケホッ」



ボクはチョークの粉が目に入ったので見えない視界で、何とか席に着いた。



「…ん?」



お尻に何かが当たったので思わず立ち上がる。


ガタタッ



お尻を触ると茶色い物体が手に付いた。



「きゃあぁぁぁぁ!セイちゃんがウンコ漏らしてるぅ」


誰かが大声で言った。


「え?」



ボクは手に付着している物体の匂いを嗅いでみた。


確かにそれはウンコだった。



「おえっ。」



このウンコはもちろんボクの物であるはずがない。


ボクはどうしていいのかわからずボッ〜としていると、教室に先生が入って来た。



「おはよー!どうしたの?騒がしいわねっ?」



「…先生!セイちゃんがウンコもらしたんです。」



「えぇ!?ホントなの?」



先生はそう言いながらズカズカとボクの前までやって来てはお尻の方を見た。



「臭いわねぇ。」



「…先生…ボクがやったんじゃありません!最初から椅子に乗ってあったのをボクがその上から座ったんです!」


ボクは半分泣きかけて訴えた。


「じゃあ…これは誰のウンコだって言うの?あなた以外の誰かのモノ?」


「わかりません」


「…それとも…これもリュウちゃんの仕業だとでも言うつもり…?」


「…え?」


「セイちゃん…あなたの悪いクセがまた出たわね?いくらリュウちゃんがいないからって死んだ人間のせいにするのは良くないわ」


「………!」


ボクはショックを受けた。

先生の口からそんな言葉を聞くなんて…


目からは大粒の涙が溢れ、下をじっと見つめていた。


「…泣くヒマあったら手を洗うなり、ティッシュで拭くなりしたら?セイちゃんのせいで授業も遅れるのよ?」



「…ひどいよ!先生…どうしてボクの言う事信じてくれな…ヒック…いの?」


ボクは上ずる声を必死に抑えながら言った。


「…ったくしょうがないわねぇ…ホラ、トイレに行って洗ってきましょ。先生も一緒に行ってあげるから…」


先生はボクの手を引っ張って歩きだした。

ボクはトイレに着くまでの間、涙が止まらなかった。


「………。」



ガララ…。



ピシャッ。



トイレに入るなり先生が言う。


「セイちゃん、よく聞きなさい。先生はね…あなたの言うことなんてこれっぽちも信じてないのよ。」



「…え?」


「だってあなた達は障害者ですもの。何が根拠かもわからないし…その…何て言うのかな?話そのものが信じられないの」



「じゃあ先生は…ボクが嘘ついてるとでも?このウンコはボクがやったと…?」



「セイちゃんにとっては違うかもしれないけど、先生にとってはあなたのウンコよ」



「………。」



ボクはスボンを脱ぎ、洗い出した。


涙が次から次へと溢れて来た。



ジャアアアァァ。



「何よ、泣く事ないじゃない…」


「…泣いてないモン」



「別に先生はセイちゃんをいじめてるんじゃないのよ?ただ、あなた達みたいな障害者の言うことをイチイチ信じたら、神経がいくつあっても足りないって言ってるの!」


「…もう…いいです…先生は先に教室に行って下さい。ボクはこれ洗ってから行きますから…」


「あ・そう?じゃあ…早めに来てね…」


先生はその言葉を残し教室に戻っていた。


ボクはずっとそのズボンを洗っていた。


ジャバッバジャバジャボ



背後に人の気配を感じ、く目の前にある鏡を見る。


「……っ!!」



ボクの背後に女の人が笑って立っていた。




お久しぶりです。

お待たせして申し訳ありません。ようやく連載再開です。

このまま完結まで突っ走って行きたいと思いますので

応援よろしくお願いします!

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