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女子2人に振り回されすぎて生きるの疲れた  作者: 藤原・凛


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8/8

コンビニでの放課後

放課後の校門を出ると、藤原健人(ふじわら けんと)は笑顔でポケットに手を突っ込み、振り向いた。


「とうも、今日のリフレッシュタイム、まだ行くか?」


「うん、いいよ」


二人は校舎を抜け、徒歩で近くのコンビニへ向かう。通りの向こうでは夕日がゆっくりと落ち、街の色をオレンジ色に染めていた。


「そういえばさ、碁部の後、どう思った?」健人がぽつりと聞く。


「……なんだか面白かったかな。でも、ルールがまだ覚えられなくて」とうもは苦笑した。


「お、意外だな。てっきりすぐ諦めると思った」健人は肩をすくめる。


コンビニに着くと、二人は入り口で深呼吸した。店内の明るい蛍光灯と冷蔵棚の並びが、学校の窮屈な空気を一瞬で忘れさせる。


「じゃあ、好きなの選べよ」と健人が言う。カゴを手渡され、とうもは少し戸惑いながらも中に入る。


「やっぱり、スナックが多いな…」とうもは棚を見回し、チョコやポテトチップスを手に取る。


「ふふ、選ぶの迷うだろ?」健人は笑いながら、奥のアイスコーナーに向かう。「俺は絶対アイス買うんだよな」


「へえ…そうなんだ」


その時、コンビニの自動ドアがガラガラと開き、松田陸(まつだ りく)が入ってきた。髪を少し乱し、制服の袖をまくり上げ、手にはスマホ。まさにヤンキー系女子の雰囲気だ。


「お、こいつら、ここにいたのか」陸は声をかけると、少し笑みを浮かべた。


「お前、碁部の新入りだろ?ふーん、結構しぶといな」陸は言いながら、とうものカゴを軽く押した。


「わっ、やめ…」とうもは慌てるが、陸はただふふっと笑う。


健人は横で大笑いした。「ほら、とうも、面白いだろ?あいつは外でも容赦ないからな」


「……はい」とうもは少し赤面しながら、選んだスナックを手に取る。


三人でレジに向かいながら、陸が唐突に話し始める。


「碁部って、あれだけど…お前、意外と根気あるな」


「え?」とうもは驚く。


「初めてなのに、諦めずに石を置いてた。面白いじゃん」陸は少し照れくさそうに笑う。


健人も頷く。「おい、言ってやれよ。俺も同じこと思った」


とうもは胸が少し温かくなるのを感じた。学校ではまだ慣れていない自分を、誰かがちゃんと見てくれている気がした。


レジを終えると、三人は店内の小さなイートインコーナーに座った。カップ麺やポテト、チョコを広げ、何気ない会話が続く。


陸はとうもに話しかける。「あのさ、次も碁部来るだろ?今度は俺と対戦してみろよ」


「え、でも…まだ初心者だし」


「初心者でも、面白い手打てるだろ?」陸は笑った。軽くからかうようで、でもどこか真剣さがある。


健人も口を挟む。「ああ、見てろよ。とうも、これから俺らが色々教えてやるから」


とうもは小さく頷き、スナックをかじりながら二人の話を聞いた。学校とは違う空気、外での会話、そして誰かに認められる感覚――それが少しずつ、自分の中で心地よく広がっていく。


「……不思議だな。学校じゃ疲れちゃうのに、ここだとなんか落ち着く」


陸はふふっと笑った。「外の世界も悪くないだろ?まぁ、俺は毎回こうやって騒ぐけどな」


健人は隣でくすくす笑いながら、「騒がしいのも、たまには悪くないだろ」と言った。


夕日が差し込む窓から、三人の影が少し長く伸びる。とうもは静かに思った――今日の放課後は、確かに楽しかった。

そして、これから先、ここから始まる友情と騒動が、少しだけ楽しみになってきた。

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