出発
フーシャは石碑から目を離せず、心の中で計画を練り始めた。「まずは村に戻って、どうやってこの地図を持っていくか考えなきゃ」と自分に言い聞かせながら、石碑の周りをじっくりと調べた。
彼女は急いで村に戻り、家に着くと、母親に見つからないようにこっそりと部屋に入った。フーシャは部屋の隅に置かれた古い木箱を開け、中に入っていた地図やノートを取り出した。彼女は地図の一部が欠けていることに気づき、どこから手に入れたのか全く覚えていなかったが、感覚的にその一部が重要だと感じていた。
夜が更けると、フーシャは机の上に広げた地図を眺めながら、次のステップを考えた。石碑に刻まれていた紋章と地図の地形が一致することに気づき、森の中でどこを目指せば良いのかが見えてきた。彼女は少しの間、緊張で手が震えながらも、期待と興奮でいっぱいだった。
翌朝、フーシャは食事を済ませると、早速村の広場に向かった。そこで彼女は一緒に遊んでいる友達、エルナに会った。エルナはフーシャの親友で、彼女の冒険心をよく知っていた。
「フーシャ、どうしたの?なんだか元気がないみたいだけど」とエルナが心配そうに訊ねた。
フーシャは一瞬ためらったが、決意を固めた。「実は、すごい発見をしたんだ。森の奥にある伝説の王国に繋がるかもしれない地図を見つけたの。」
エルナの目が大きく見開かれた。「本当に?それってすごいじゃない!でも、どうするつもりなの?」
「これからその地図を元に、王国を探しに行こうと思ってる」とフーシャは真剣に言った。「もちろん、一人じゃ危険だし、エルナも一緒に来てくれない?」
エルナは少し考えた後、笑顔を見せた。「もちろん、行くわ!私も冒険がしたいし、フーシャを手伝いたいから。」
二人は、早速準備を始めることにした。フーシャは必要な物をリュックに詰め、エルナも自分の持ち物を整えた。いよいよ、彼女たちは未知の世界への冒険に出発する準備が整った。
村を後にした二人は、森の中へと足を踏み入れた。陽光が木々の間から漏れ、静寂の中に一歩一歩進む度に心の中で高まる興奮を感じながら、彼女たちは伝説の王国を目指して歩き始めた。道の先にはどんな秘密が待っているのか、彼女たちにはまだわからなかったが、一歩一歩踏み出すたびに、彼女たちの冒険が始まっていた。