壱・『出会い』 ~1日目~
『ねぇねぇ、知ってる?お題のかわりになんでも願いをかなえてくれるなんでも屋のこと。」
『あ、知ってる!たしか…なんでも屋の店主って妖怪なんでしょ?』
『そうそう、ちょっと怖いけど、どんな願いも叶えてくれるなら会ってみたいよね。』
夏から一転、少し涼しくなってきた秋の土曜日の昼下がり。1人の男子高校生が人通りの少ない道を歩いている。学校帰りだろうか。
彼はぐんぐんと道を歩くにつれ人通りも、もっと少なくなってくる。とある所で遂に彼以外の人はいなくなった。
そのまま道を進むと家なのか店なのか分からない少し古めの建物が見えてきた。
彼はその建物の敷地に入り暖簾をくぐる。
「すみません。」
そう彼は言うが奥からは返事がこない。
「すみませんー、俺案件を頼みに来たのですがー。」
彼がそう言うと、
「奥へどうぞ。」
と低いトーンの返事が返ってきた。
その声の主に従い奥へと進む。そうすると、
「ようこそ、なんでも屋へ。」
ソファーに足を組み座っている男性がいた。
ストレートで肩まである白髪に鋭く綺麗な青い瞳、ピョコっと飛び出た狐の耳。きれいな長いしっぽ。「なんでも屋の店主は妖怪」という噂は本当らしい。妖怪だからだろうか、 怪しげな雰囲気がある。
「先程も言いましたが、案件を頼みに来ました。」
その店主の雰囲気に圧倒されながらも彼は言った。
「詳しく話を聞こうじゃないか、お茶を持ってくる。向かい側のソファーに座っといてくれ。」
と言って奥へ消えていった。
彼はその間に部屋の中をキョロキョロした。
自分が座っているソファーと店主が座っていたソファーの間にはアンティーク風のテーブルがある。壁には小洒落た時計や額縁などがあり、少し古めな所が逆にオシャレさを感じされられる。彼か部屋を見渡している間に、
「いつもは客のお茶は他の従業員が出しているのだが生憎今日はいなくてな。美味しいか分からないが飲んでくれ。」
といつのまにか後ろにいて、テーブルの上にお茶の入った
アンティーク風のティーカップとティーポットを置いた。
(妖怪だからか?気配もなにも感じなかったぞ!)
彼は少し驚いたが気を取り直し、
「それじゃぁ、本題に入ってもいいですか?」
「あぁ、お客の望みを何でも叶えるがこの店の売りなんでね。」
「俺が普通に暮らせるようにサポートしてください。」
すごいざっくりとした内容だ。
「と言うと?」
「あまりにもざっくりしすぎましたね。もっと深く言うと俺はあと今日を入れて7日しか生きられないんです。」
彼はかなりの衝撃的な発言をサラッと言った。
「何故あと7日しか生きられないんだ。」
とズバッと聞いてくる店主。
「そうですね、そこから話した方がいいですよね。」
と言い、一呼吸置いてから彼は喋り始めた。
「まず、俺の名前は蒼 直央といいます。そしてあと5日で死ぬというのは俺が末期のガンだからです。つい昨日余命宣告をされまして。あ、蒼財閥って知ってます?」
蒼財閥とは。数々の大企業を生んできた総資産何十億ともいわれている有名な財閥だ。
「あぁ。知っている。昔からある財閥だからな。なるほどお前がその財閥の御曹司という訳だな。お前が名を名乗ったのに俺が名を名乗らないのはだめだな。俺は光という。見た目の通り妖怪だ。種族は妖狐。光とよんでくれ。」
「わかりました、光さん。あ、俺のことは直央と呼んでください。」
自己紹介をしてもらった。そして直央は先ほど出されたお茶を飲む。おいしい紅茶だった。
「それで、直央。普通に生きられるようにサポートというのはどういうことだ?」
と光が聞いてくる。
「まあ5日間悔いのないように生きたいんです。だから6日間早死にとかがないようにしたいんです。
何不自由なく6日間生きられるようにしてください。まあでも、残りの今日と明日は外に出ないので月曜からの4日間何不自由なく楽しく、安全に過ごせるよう協力してください。」
と淡々と説明する。
「そうか、だが変わったお客さんだ。普通なら、『寿命を延ばしてほしい』などと言ってくるだろうに。お前は違うのだな。」
「別にそこまでして長生きしたいとは思ってませんので。逆に質問なんですが、寿命ってそう簡単に伸ばせるんですか?」
と彼は質問を投げかける。
「寿命を延ばすというのは妖術を使えばできなくはないが、そんなことができると人間界及び妖魔界そして人間が死んだ後にまず最初にたどり着くとされている彼岸など、さまざまな世界の均衡を崩すことになってしまうからな、それは禁術とされている。」
「そうなんですね、結構難しいんですね。いろんな世界があることも今知りましたし…。」
と彼は少し戸惑っている様子だ。
「少し話がずれてしまったな。それで代償は?」
そうこの店は代償の代わりにねがいを叶えてくれるのだ。
彼は深く息を吸って、こう言った。
「お題は俺が死んだ後の魂です。」
「これはまた変わったお客さんだ。だが、お前のような有名財閥の御曹司がそんな大事な契約をひとりできていいのか?」
「それに関しては大丈夫です。俺はこのとおりあと少ししか生きられないので親からは期待されていませんし。今なんて父親は俺のことなど見向きもしないですから。それに、妖怪は人間の魂を食うと聞いたのですが…。」
噂によると妖怪の主食は生物の魂らしい。特に人間の魂は好んで食べると家の書斎にあった古い書物に書いてあった。だから妖怪にとっては嬉しい代償のはずだ。
「妖怪もホイホイと生きている人間の魂など食わない、そんなことしたら人間界に危害を及ぼしたとして上級妖怪の特に偉いやつらに怒られるからな。まあその目をかいくぐって人間の魂を食っているやつらもいるが基本的には繁殖しすぎた動物の魂や極悪非道で地獄でも更生不可能な魂とかだな。」
(妖怪にもお偉いさんとか上下関係あるんだ)
「ちなみに俺は一応妖怪の中の上の種族の妖狐の中の上のほうだからな。」
と少し自慢げに言う。
「そうなんですね、じゃあほかのものにした方がいいのか…?」
「いや、その代償のままで結構だ。」
予想外の返事が返ってきて驚いた。
「でも基本的には人間の魂は食べないんですよね?だったら他のものの方がいいんじゃないんですか?」
「いや、魂を売ったり、特にめったに見ることができない人間の魂なら飾るやつも多い。それにお前の魂は『貴重種《きちょうしゅ》』だからな。」
(え貴重種って?そんなの書物にも噂にもなかったぞ?)
と、俺は首を傾げた。
「貴重種を知らなさそうな顔をしておるな。貴重種とはすべての生物の魂の中でも1000万分の1の確率でしかうまれない魂のことだ。その魂を妖怪が食べると飛躍的に能力があがるんだ。それで貴重種の魂を狙う妖怪が多い。それに貴重種の魂はほとんんどの妖怪が欲しがるからな。高値で売れる。」
驚きの事実しかなくて情報過多だがひとつ、明確に分かることは、
「え、その1000万分の1の確率でしか生まれないのが俺ってこと?…。」
「あぁ、そこで疑問なのが貴重種のお前が今まで妖怪からの目立った外傷がないことだ。なぜだ?なにか加護かなにか受けているのか?」
(え、加護?そんなものついているのか?)
そんなことを言われても実感もわかない。それに今まで俺は妖怪に襲われる危険性と隣り合わせで生活していた事実に背筋が凍った。ガンについてはすでに知っていることだから症状が出ても何も思わなかったが、こんな非科学的で予想もつかないようなことはどうしても怖い。
「特に思い当たる節はないのですが…。」
「そうか、まあいい。案件は受理した。お前が死ぬまで俺がお前の残りの生を精一杯サポートすると誓おう。」
「それは心強いです。」
と俺はくすっと笑った。
「なら2日後の朝、この店の前にこい。」
「わかりました、それでは今日はありがとうございました。また2日後に。」
と俺は言い、店から出て行った。
そうすると急に胸が苦しくなった。呼吸もままならない。
(やばい、急に…症状が…)
数分その場でしゃがみ込みなんとか立ち上がれた。
「とことん頼らなきゃな、あの妖狐さんを。」
そう言って、俺は自宅へと歩き始めた。
月曜日の朝。
俺は少し早めに家をでた。なにせ学校に行く前になんでも屋に寄らないといけないからだ。
いつもとは違う通りを使っているので少し気分が心做しか弾んでいる気がしなくもない。少し早いからだろうか、人通りも少ない。
歩きながら俺はふと、思った。
(そういえば、1日中ずっとサポートしてくれるって言ってたけど、学校の時はどうするか聞いてなかったな)
だが俺はまあなんとかなるだろう精神でそのまま、なんでも屋まで歩いて行った。
なんでも屋のまえまでつくと、そこにはすでに光がいた。
「すみません!、お待たせしました、光さん。」
と、光さんに駆け寄った。
「いや大丈夫だ。そんなことより今日から案件の内容どおりお前をサポートする。」
「あ、そのことで質問なのですが学校の時はどうするんですか?」
そう、光はいつでもサポートするといった。だが妖怪の光が学校に来たとしたら百パーセント、混乱を招くに違いない。
「ああ、そこでいいことを思いついた。」
「いいこと?」
「俺が学生になり転校生となり、学校に行くという案だ!」
「はあ?」
あまりにもおかしいことを言っているため変な声が出てしまった。光は『名案だろ?』と言っているかのように鼻高々としている。
(なにいっているの?この人、いやこの妖怪は?転校生として学校に通う?)
てっきり姿を透明にして見張るとかそんなことでもするのか思っていた。
「えっとつまりどういうことですか?くわしく説明を…」
明らかに俺のの脳はついてけてないようだ。
「つまりだな、俺の妖術で自分の姿を高校生に変え学校に通うという作戦だ。ちなみに転校手続きは従業員が完璧に行っているからな。」
誇らしげにどや顔で言ってくる妖狐とあっけにとられている人間。こんなへんてこな画はあるのだろうか。
「じゃあ、さっそく今日から学校に…?」
「あたりまえだろう、毎日サポートするといったからな。」
(まじかあ…)
「そろそろ、出かけた方がよい時間だな。俺の妖術とくとご覧あれ。」
と光がいうと、周りがキラキラしはじめ、その瞬間ボンッと煙が出た。その煙の中には明らかに俺よりも身長が高いイケメンの男子高校生が居た。
「どうだ?俺の妖術は。」
(いや凄すぎて、なにも言えないですよ!)
黒と茶色が混ざったすこしふわっとした短い髪に抜群なスタイル。妖狐のときの青い瞳はそのままだ。
(これ絶対校内で一番モテるタイプのひとだ!)
と内心あっけにとられている自分とその容姿に少しの妬みを感じている自分がいた。
イケメン主人公とその友達のモブキャラ、そんなような並びだ。輝かしい見た目過ぎて、物理的に光が妖術で光を発しているのではないかとまで思えてくる。
「わかりましたよ。はぁ。それじゃあ学校に行きましょうか。」
深いため息をつき俺は歩き始める。そのあとにイケメン高校生姿の光があとについてくる。
「どうだ、俺の姿に見とれたか?。」
「なわけないでしょ!」
と俺は言い、どんどん二つの影は学校に進んでいった。
校門のにつくと案の定かなりの視線を感じる。
(まあ俺もそこそこはモテるけどこの視線はほぼ光さんに向かっているだよなー)
直央はトホホとなりながらそのまま校門をくぐると
「直央、お前の登校の時はこんなにもじろじろと見られられるのか?」
と光が聞いてきた。
「いや、これは…多分光さんに…むかってだと、」
「まあお前顔立ちはいいから当たり前だな。」
とぼそっと言った直後に俺の言葉を遮るように言ってきた。
「はい?」
あまりにも意味のわからない発言に素っ頓狂な返事がでた。
「きれいな黒と茶色の髪にきれいな紫の瞳。見とれてしまいそうになる。今の髪色も直央の髪色を参考にしたんだ。」
そういわれた瞬間俺のの顔は真っ赤になった。
「どうした?、顔が赤いぞ。熱でもあるのか?」
「ほっといてください!あとしばらく顔みないでくださいね!」
と俺は半ギレ状態で言う。何故か鼓動が早くなっている気がする。
そこで後ろから声をかけられた。
「転校生だよな?いろいろ渡すプリントとか説明があるから職員室にきてくれ。」
と先生から言われた。
「それじゃあ光さん、いや光。また教室で。」
「ああ、直央。」
と言って別れた。光がいなくなってから顔を真っ赤にして学校で同級生という設定だからといって急に呼び捨てで呼んだことを後悔した直央なのであった。
教室に入り、自分の席につく。俺は一番窓側の後ろの席。いわゆる主人公席というところだ。そして先週まではなかった席が俺の席の隣に追加されていた。きっと光がすわるのだろう。
そんなことを考えていたら、後ろから
「おはー!、直央。」
と後ろから声をかけられた。
「急に後ろからでっかい声でよばないでよ。びっくりするだろ、奏。」
「ごめんって。ゆるしてくれよ。」
佐土原 奏。俺のクラスメイトだ。茶色ののウエーブのかかった髪に緑色の鮮やかな瞳。そして両耳には小さなピアスを開けている。一見してチャラく見えるが、一人だった俺に初めて話しかけてくれ他のひととの関係を取り持ってくれた直央の友達である。このクラスで1番仲の良い奴はこいつだ。
「てかさー、直央の席の横に席追加されてるよな。なんでだろ。」
と奏が話題を振る。
「それ、今日くる。転校生の席らしよ。」
急に後ろから話題に入ってきた人物。その名は坂口 晴也。秦が直央に紹介してくれた直央と秦の友達である。ぴょことはねた後ろの髪に紫がかった髪色で茶色の瞳が彼の容姿の特徴である。
「転校生?女子かなー。美人だったらいいなー。」
「勝手な妄想中悪いけど転校生男子らしいよ。」
と俺は奏の妄想をぶった斬った。
(らいいというか俺の知り合いのイケメン妖怪なんだけど…)
「まじかよぉ~、俺の期待を返せよぉ~、直央~。」
俺にもたれかかってくる奏。
「やめろよ。」
と言いながら、俺は鞄から筆記用具などを出し始める。
だがその瞬間猛烈な吐き気が俺を襲った。そのあとにめまい・息苦しさも襲ってくる。
(やばい、また症状が…)
「いいじゃんかー、てかさ、」
と奏が話を振る前に
「ごめん、俺トイレ!」
といって俺は走っていた。
「なんだー大かぁ~?w。」
と晴也が冗談交じりに言っている。
「てかあいつ、顔いろ悪くなかったか?。」
と奏が聞く。
「そうか、お前の気のせいじゃないか?」
「だといいんだけどな。」
と言いながら奏は直央が走っていった廊下を見つめていた。その顔すこし心配と寂しさが混ざった顔をしていた。
その時俺は廊下の影の隅にいた。しゃがみ込み、常備しているエチケット袋を取り出している。
俺は病気の症状のことを担任の先生と保健室の先生にしか話していない。だが担任の先生にも心配をかけまいとたよらずに学校で症状がでたときはいつもこうして廊下でしゃがみ込み症状が治まるのを待つか、あまりにも症状がひどいときには保健室で休ませてもらっている。
今回の症状はかなりひどいがもうすぐHRが始まるので保健室には行けなかった。ちなみに俺が自分が有名財閥の息子ということは誰にも言っていない。なぜかというと直央はこれまでに蒼財閥の御曹司だからと言ってコネをねらい近づいていたやつらを何百人とみてきたからだ。そうゆうことがあってもっと人に頼れずにいる。
(やばいな…、あと少しでHR…始まるのに…)
なんとか立てたが足元はおぼつかない。やっとの思いで教室にたどり着いた。
「おまたせー。急に腹痛くなっちゃってさー。」
と俺は明るくふるまう。
「ほらなー、やっぱり大だっただろ~奏。」
と笑いながら晴也は言う。
「ほんとに大丈夫か?直央。」
「心配しすぎだって。ほらそろそろHR始まるから自分の席もどれよ。」
とほんとは苦しいのをごまかしながら言った。
HRが始まった。そして最初に
「今日は転校生が来ました~。それじゃあ入ってきて。」
と先生が言った。そうすると
「こんにちは、親の転勤でこちらに越してきました。神谷 光と申します。よろしくお願いします。」
とイケメン高校生姿の光が自己紹介をした。やはり案の定イケメンだの、黄色い声が飛び交った。
(親の転勤なんて嘘を…。てか、この時の姿の苗字神谷なんだ)
とか思っていると先生が
「親御さんの転勤があって少しの間しかいられないが仲良くしてあげるようにな。それと神谷お前の席は一番後ろの優等生の直央の隣だ。直央、いろいろ教えてあげろよ。」
といった。
(まあ、どうせそうなるとは思っていたが…)
そんなことを考えていると前から光がやってきた。そして直央の席の横に座ると
「よろしくね、直央♪」
と演技全開のにっこり笑顔でいわれた。イケメンの笑顔はやはりまぶしかった。
「うん、よろしくね…光。」
と俺もひきつり笑いで答えた。
休み時間。俺は光は学校の案内というていでこの後のことを話していた。
「光さん、サポートと言ってもどうします?学校の方が外より安全な気がするのですが…。」
学校の中なら交通事故などもないし症状が出ても保健室に駆け込めば大丈夫だ。
「いや外も学校も等しく危険性はある。なんなら、学校の方が危険性が高い。」
「え?どこが危険なのですが?」
と俺は聞く。
「言っただろう、お前の魂は『貴重種』だと。だからお前は妖怪に襲われやすいんだ。それで俺はなんでも屋とお前の家に結界を張った。お前の家は広すぎてかなり大変だったけどな。だからさすがに学校にまでも結界ははれないからな。」
「じゃ授業中とか登下校中が一番あぶないということですか?」
「あぁ。だから勝手にあまり一人で動き回るなよ。」
と釘を刺された。
「あ、はい。わかりました。」
そういってまもなく休み時間が終わりそうだったので俺は光を連れて教室に戻った。
次の時間は生物の授業で学校にいる虫や植物をグループで観察してスケッチするという内容だった。
「直央~、俺らと一緒にやろー。」
と奏と晴也が声をかけてきた。
「あ、いいけど光も…。」
と言いかけ光の方を見たが
「光くん~、私達と一緒に班組まない?。」
「神谷~俺らと組まない?」
とイケメン転校生だけあって人気で誘えそうになかった。
「直央、今なんかいった?」
「いや、なんにも言ってないよ。それじゃやろっか。」
と言って俺は奏と晴也の3人グループでやることになった。
「学校って意外と生き物多いんだな。」
と奏。
「まあ、俺らの学校、池とか花壇もあるしそもそも校庭が大きいからな。」
ぼお~と俺は生き物の観察をしていると
「あ!、まだ植物の観察してない!」
と俺は思い出し咄嗟に言った。
「そういや、そうだな。でも花壇ここから少しあるな。」
と悩みこむ奏。
「大丈夫!俺行ってくる!」
「え、直央1人で!?いや、なら俺も一緒にいくよ。」
「それなら俺も!」
と奏も晴也も言ってくれたが
「いや俺がちゃっちゃと終わらせてくるからさ、先に生物室戻ってて。」
と言って花壇まで走っていった。
「直央、大丈夫かな。」
「大丈夫だろ、心配しすぎ。それじゃ戻るぞ~。」
と言って奏は晴也に連れていかれた。
「はぁ~やっと植物の観察終わった。」
(まあ今回の生物は観察だけで時間あまったら自習だから大丈夫だと思うけど…ん?)
直央はそこにしおれている花を見つけた。
(誰だよ~、花の水やり係。ちゃんとやれよな~、まったく。)
とため息をつきながらジョウロに水を入れてしゃがみながらみずやりを始めた。
水を与えた花の花びらは水が光を反射してキラキラとしていた。
「こうやって、花を見れるのもあと少しなのか…。」
などと、ボソボソと独り言を呟いていた。その時だった。急に自分がいる周辺が影になった。
(なんだ、雲がかぶったのか?)
と思い、上を向くと
「え、。」
そこには大きな妖怪がいた。そして今まさに俺の上に落ちてきていた。
(やば!)
と思い俺はとっさに立って影の外に逃げた。なんとか、踏み潰されなかった。
「お前のぉォーだまじいィちょオぉうだアぁーい。」
と言っている。狙いは俺の魂のようだ。
(やらかした。授業の前に光さんに言われたばかりなのに…とにかく逃げなきゃ)
直央は必至で逃げようとした。だが足がすくんで動かない。
(逃げないといけないのに…動かない、やばい)
『俺は死ぬのか?こんなところで死んだら光さんと契約も結んだのに』
妖怪はでっかい口を開けた。
「いただぎまぁアーす。」
(今はまだ死にたくない!)
そして直央はか細い声で言った。
「たす…けて!。」
(あれ、生き…てる?)
「はあ、だからあれほど言っただろう。勝手にうろつきまわるなと。お前は何でもかんでも一人でやろうとするな。誰かをたよれ。」
声がした。目を開けるとそこにいたのはイケメン高校生姿から妖狐の姿に戻っていた光だった。
「光…さん?なんでここに。」
「お前の班のやつが直央だけ観察をしていると言っていたから念のため来てみたんだ。それに直央、お前は助けを呼んだだろう?俺は助けを求めているものを見捨てるなんて性格していないからな。」
(よかった…)
俺は安心して腰が抜けた。
「さぁ、教えてやろう、お前のような下級妖怪ごとぎが俺の契約者に手を出していいと思うなよ。」
そして光は妖術を使った。光の手から、閃光のような速さで妖術が放たれた。
(まぶしい…!それになんて強さなんだ!)
「ギャァぁァァ!。」
と妖怪が叫び声をあげた。目を開けるとそこには妖怪はいなかった。
「死んだ、のか…?」
と俺がボソッと言ったら、
「いや妖怪に死という概念はない。ただ妖魔界に送り返しただけだ。まあその行先は牢獄だがな。」
光が近づきながら話しかけてきた。あんな大きい妖怪を相手にしていたのに傷もなければ疲れた素振りも光にはなかった。
「助けていただきありがとうございます。忠告されたばかりなのにすみません。」
「お前はお人好しがすぎる。もう少しわがままになれ。」
と怒られてしまった。
「善処します笑。」
と言い、俺が立ち上がろうとするところに光が手を差し伸べてきた。俺はその手をつかみ立ち上がった。
「怪我はしていないか?体調がわるくなったりとかはないか?」
「はい、転んだ時に膝をすりむいてしまったみたいですがこのぐらいなら…」
俺が言いかけているときに光が俺の腕を引っ張って
「怪我をしているのなら保健室にいくぞ。俺はまだ戻らないといけないから、送るまでだがな。」
「いえ、大丈夫ですから。」
「だめだ、それにお前のような『貴重種』はすこし血が出ているだけでも妖怪がその血を求めてやってくる。また襲われるぞ。」
(それは嫌だ…)
「わかりました…。」
と俺は素直に保健室に光と一緒に行った。
保健室についたら
「俺はもう戻るが大丈夫か?」
と聞いてきた。
「さすがに消毒くらいは一人でできますよ。」
とむっすと返した。
「すまないな、お前のそばでサポートすると言っておきながら1人にしてしまった。それでお前は襲われて…怖かっただろうに。本当に申し訳ない。」
と光は頭をさげてきた。何だかんだ言ってこの人もお人好しだ
「いえ、俺がちゃんと忠告通りに動いてればよかった話なので。光さんが謝らないでください。それに…」
「先ほどの光さんかっこよかったですし!なんか新たな一面が知れた気がして俺嬉しいです!」
とくしゃっと笑った。
「…そうか。なら良かった。保健室にいることは俺が伝えておく。」
「ありがとうございます。」
「それじゃあ、気をつけろよ。また後でな。」
と光はニコッと微笑んで言った。
保健室には先生はおらず無人だった。
わかれたあと二人とも顔を真っ赤にした。
(あの光さんのイケメンスマイルは反則だって!なんか俺キュンってなっちゃたじゃん!!)
(直央のあの笑顔、登校時も思っていたがまぶしすぎる!今まで人間を見てきた中でこんなやついなかったぞ…)
そして二人とも同時にため息をついた。
ちょうどそのとき学校のちょうど真上の空に浮かんでいる人影があった。
「はぁ~やっぱりすぐやられるか~。まあこのぐらい想定内やからええけど。」
というと獲物を狙うかのように舌を回し、
「’’あの’’光が異様に気に掛ける人間なんて興味湧かへんわけないやん。さっそく次の手でも考えようかな~。」
というとその人影はスッと消えていった。
光は生物室に戻ると、先生に直央が保健室で手当てをしていることを報告した。
すると光に奏が話しかけてきた。
「直央はどうしたんだ。保健室にいると言ってたけど。」
光に明らかな不信感を抱いているような目つきをしている。
「直央がドジを踏んでね。花壇の近くの水たまりでこけていま手当中。そんな心配しなくて大丈夫だよ。」
と光はイケメン高校生スタイルの口調で言った。
「お前、いや光。お前今日来たばっかりなのになぜあんなに直央と打ち解けているんだ?隣の席だからってすぐに仲良くなれるか?お前何者だ。」
と声のトーンを低くして奏が冷たい目でにらんでいる。
「俺はただの隣の席の少し仲の良いクラスメイトだよ。」
6時間目までの授業が終わった。HRが始まると先生が
「明日からは文化祭の準備期間になる。本格的に準備をするからな!じゃあHRは終わりだ。気をつけて帰れよ。んじゃ解散!」
そうしてみんな一斉に帰り始めたり、部活の準備をやり始めた。
(文化祭か…俺はそこまで生きられなんだよな~)
そんなことを考えていたら
「直央!一緒に帰ろ。」
と奏が言ってきた。
「いいよな~お前ら家近くて。俺なんてお前らと真反対の方向だぞ!」
と晴也が言ってきた。
「いいよ、奏。帰ろ…。」
と言いかけたとき、
「俺も一緒にいいか?俺も直央とおなじ方向だから。」
と光がグイっと入ってきた。
(たしかに家まで送ってもらった方がいいかもな)
と考えて、
「俺はいいよ。一緒に帰ろうぜ、光。」
「直央がいいなら俺は…いいけど。」
そして晴也は「俺いつも…ぼっち」と言いながら一人で反対方向に帰っていった。
俺たちも帰ることにした。
「てか奏、最近お前俺と一緒に帰ってるけど部活でてんのか?」
「えっとね~最近は…さぼってるかな~…アハハ。」
と歩きながら会話をする。
「お前な、またお前の部活のキャプテンに頼まれてお前を体育館まで引きづるの嫌なんだけど。」
奏は運動が出来てモテるくせににサボり癖が激しい。個人的には勿体ないと思っている。
「え~じゃあ直央が部活見に来てくれるなら、行くけど。」
「たまには見に行ってもやるから。ちゃんと行けよ。」
(って俺、光さんがわからない内容しか話してないじゃん!)
と慌てて話題を光に振った。
「てか明日から、文化祭の準備期間だけどなにやるかとかテーマとか先生から聞いてる?光。」
と今はあくまで同い年のクラスメイト、という設定なのでタメ語で話す。
「あまり詳しくは聞いてないな。役割分担はしてあるとかは言ってたけど俺の係がなにとか言ってくれなかったな…。」
「あの先生、忘れっぽいところあるからな~。なら文化祭の準備期間俺らの係こいよ。喫茶店するんだけどそれの内装を作る係なんだけどそれでも大丈夫?」
「あぁ、大丈夫。いろいろ教えてくれ、直央に奏さん?。」
「うん!」
と俺は返事をしたが奏はなにも言わなかった。
奏と別れた直央と光はなんでも屋の前まで行った。
「1日お疲れ様です。そして今日は助けてくださりありがとうございました。」
そしたら光は妖狐の姿に戻り、
「俺は大丈夫だが、お前は俺が思ったより危なっかしい。そしてお前が優しいのは今日見てきたなかでわかるがそのやさしさは逆に自分を危険に貶める可能性もある。程々にしろ。」
と俺は怒られた。
「すみません…。」
と言った瞬間に
「だが、その優しさで俺がお前に会うまでいろんな人を救ってきたのだろう。人間は私利私欲のために動くやつがほとんどだ。だからお前はそのやさしさは忘れるな。そのやさしさでお前が救ってきた人がいるのだと。」
(そんなこと言われたの…初めて…。)
俺はいつも『有名財閥の息子』という肩書しか見られなかった。小学校では面倒なことは俺が引き受けるのが当然みたいになっていたから。そんなこと言われたことなんてなかった。
「はい!ありがとうございます!」
と笑っていった。
「せっかくだから、少し休んでいくといい。ちょうど今日は従業員がいるしな。」
と、優しい笑顔で言ってくれた。
「せっかくなのでお邪魔させてもらいます。」
そのまま、なんでも屋にはいり、初めて会って契約の話をした奥の部屋に進んでいく。すると、
「光様!おかえりなさいませ。あれ、客人ですか?。」
そこには薄い黄色ののすこしカールがかかった長い髪にきれいなエメラルドグリーンの瞳をしている人がいた。
「こいつはこの前言った新しく契約した直央だ。」
と光は俺をその女性に紹介してくれた。
「あ、この人が先日おっしゃっていた…。こんにちは!私は光様に仕えております、渚と申します。以後お見知りおきを。」
とその人は丁寧にお辞儀をした。雰囲気的に人間ではないけど、人間と容姿はかなり似ている。
「こんにちは、先ほど紹介に預かった、蒼 直央と言います。渚さん、よろしくお願いします。」
俺も併せて挨拶をする。すると、
「うわ~すごい!直央さんはしっかりしていますね。有名な財閥の息子さんだからきっとしっかりしているのだろうとは思っていましたが、光様の何倍もしっかりしてらっしゃいますね。あ、ソファーに座ってください。」
などと、少し声を大きくして話し始めた。明るい性格ぽさそうだ。
(光さんの目の前で光さんをディスるようなこと言っちゃて大丈夫なのか…?)
などと思いつつも、俺は言われるがままに昨日と同じ位置に座る。
「おい、主の前でそんな発言するか、普通。」
と光がすかさず突っ込む。
「渚は俺とは違う人型の妖怪でな。死んで妖怪になったタイプだ。俺はこの世に存在したときから妖怪だからな。」
とさらに光が補足を入れてくれた。
(だから、光さんみたいにしっぽや獣耳がないのか。)
「それにしても、光さんと契約したひとに直央さんみたいな感じの契約していた人なんていませんでしたよね。死者に合わせてほしいみたいな契約とか、病気が治せるぐらいの治癒の妖術をかけくれみたいなのはありましたけど…。少しあれかもしれませんが直央さんは余命があと数日なんですよね?なら心残りを果たしたい!みたいな契約にしなくてよかったのですか?」
と俺は渚に聞かれた。すると
「渚、それぐらいにしとけ。人には人の、妖怪には妖怪なりの事情があるんだ。それに勝手にぐいぐいと首を突っ込んでいいものではない。」
と横から光の少し怖い声が聞こえてきた。
「あ、すみません…直央さん。無礼をお詫び申し上げます…。」
と頭を下げてきた。少し凹んでいるようだ。
(こんなこといつかは聞かれるとは思っていたからな)
想定範囲内のことでもあるからあまり気にせず、
「顔を上げてください、渚さん。それに俺は心残りなどないですし、死ぬまでにやらないといけないことは進めてきていますので。」
と俺はニコっと笑って返事をする。
「そうですか…。」
と渚は言った。
少し暗い雰囲気になってしまった。
(雰囲気あかるくしないと…なんか話題は…)
「あ、渚さん。見ました?光さんの高校生姿。すごい新鮮でしたよ。」
とっさに話題をそらす。
「え、あ、そうなの!見てみたいな~。」
「なんだその目は見せないからな、渚。」
と場が和やかになった。
「あ、お茶だしますね!すみません。」
と慌てて渚が台所に行こうとすると、
「いえ、もう帰りますので大丈夫ですよ。」
と言い、俺は立ち上がり、鞄を持って
「それでは、ありがとうございました。」
と立ち去ろうとすると、
「待て!家まで送っていく。」
と後ろから光に引き留められた。何故かその声は酷く悲しそうな声だった。
「大丈夫ですよ。これからもよろしくお願いします。頼りにしてますよ。」
といい、なんでも屋の暖簾をくぐり出て行った。その背中は小さいくせにたくさんの感情が混じっているように見える。
光はその場で直央の後ろ姿が見えなくなるまで立ち尽くしていた。
「光様の思っていることは分かります。あの人の魂は、か細くて今にも燃え尽きそうで。いつのまにか静かに亡くなっていそうで怖いです。」
渚は少し申し訳なさそうに言った。光はただ心配でならなかった。
『直央はいつか魂ごと消えそうで。すぐ壊れてしまいそうで。』
家の前までつくと俺は学校に戻りたくなってしかたなっかた。大きい敷地に大きい門。洋風なつくりの豪邸だ。
「おかえりなさいませ、直央様。」
と執事に言われる。
(俺は別にこんなことされなくていい。ただ俺はお父様とお母様と一緒に仲良くからしたいだけだったのに。静かに普通に生きたかっただけなのに…)
『おい、直央!なぜこんなこともできないんだ!』
『お父様…ごめんなさい、ごめんなさい!』
小さいころから直央の父は直央に厳しかった。体罰なんて日常茶飯事。すべては一人息子の俺をを立派な御曹司にするためだった。
『それにあんな庶民の家の子と遊ぶなといっただろう!、何度言えばわかるんだ。』
『誘われたし、それにあの時はお父様に出されてた課題も終わってたから…』
『言い訳なんて聞きたくない!直央。』
『はい、お父様…。』
『賢いお前ならわかるよな…?』
『はい…、お父様。』
痣ができてもお父様は手当なんてしてくれない。つらい。認められたい。愛されたい。という感情ばかりが昔の俺の心を埋め尽くしていた。
『直央、大丈夫?』
優しい透き通った声が聞こえた。
『お母様!心配していただきありがとうございます。俺は大丈夫です。俺がちゃんとできないから…お父様を怒らせてしまって…。』
と言っている俺の頬には涙がつたっている。すると俺の母は頬をなでながら、
『直央、あまり気を張りすぎないの。この世には完璧な人なんていないの。それに直央の人生は直央の物なの。自分のやりたいことをしなさい。』
撫でてくれている手は暖かくて、安心する。
『はい、お母様。』
だが、母も俺と同じく体が弱かった。その翌日に俺の母は自室で倒れているのが発見され、病院で死亡が確認された。救急車で運ばれていた時に同行していた俺に
『ごめんね、…直央。こんな…たよりない…母さんで。ごめん…ね。』
と今にも消えそうな声で言った。そこから俺はより一層体も弱くなり俺の父はもう俺のことなど見向きもしなかった。
(いつか、俺はお父様に認められる日がくるのか…な)
と自室でベットに転がりながら考える。すると、ドアをノックする音が聞こえた。
「直央様、ご体調の方は大丈夫ですか?」
という声が聞こえてきた。
「今は大丈夫だ、それで要件は?。」
「旦那様が社交界に出ておけと申しています。そしたらお前が死んだ後に見舞いの品がくるだろうと…。どうされますか?今日は大企業の社長やその御曹司に海外の貴族などがくるパーティーがあるのですが参加されますか?」
(やはり、お父様は自分の利益しか考えたことがない…、お母様の時だって…)
「パーティにはでないが、有名な財閥の御曹司などに手紙を書くから届けといてくれ。」
「承知いたしました。」
と執事は出て行った。
(お父様は俺の方を見てくれない…俺はどうすればよかった?)
「俺は…どうすればいい?お母様…。」
そのあと俺は泣きながらいつのまにか眠りについていた。
次の日。体調はいつもよりひどかった。目を開けた途端に、吐き気がした。立とうとしても体が動かない。
(早く、学校へ行く準備を…それに手紙を書かないと…)
と思い、俺は無理やり体を動かした。すると
俺は一気に崩れ倒れた。かなりの大きな音が響いた。今日は一段と症状が重い。
ガンの進行が進んでいる証拠だろう。
「今日は、やばいな…。ろくに飯も食えなさそうだな。」
なんとか立てないかと試行錯誤をしていると
「直央様!大丈夫ですか!。大きい音がしたので駆けつけましたが、お怪我はないですか!?。」
俺の専属執事の佐々木 斗真だ。小さいころから俺の父の代わりに俺の世話をしてくれている。
「あぁ、大丈夫だ。心配するな。それよりも早く支度をしなくては…。」
「そんなお体で学校に行かれるのですか?顔色もよくないですし、今日は休まれた方が良いですよ!」
と必死にいう。
「お父様の耳に休んだことがばれたら仮病だろなんだろといわれるからな。それに俺は大丈夫だから。」
と俺は笑う。だがその顔は無理に笑っているのが見え見えだった。
「わかりました…ですが体調が悪くなったらすぐに保健室に行ってくださいね。」
今日は光は『用事があるから先に学校に行ってくれ、気をつけて学校に行くように。』といわれて一人で登校することになった。なんだか静かだ。光に会う前と同じなのにどこか寂しい。
(なに考えてんだ!俺は!いつもと同じじゃないか、いつもと…、光さんと契約してからは毎日光さんと登校してたからか…?)
何かいつもより気分が上がらない。でも、学校で会える。それなのに。なのに今隣にいないというだけなのにすごく、
悲しい。
初めまして! ハルノユキと申します。
今回がわたくし、ハルノユキの初執筆の小説となります。
この作品はわたくしの記念すべき第一作でございます。(拍手)
ですので、ここの文章変だな~と思われるような所があっても温かい目で見て下ると嬉しいです(汗)。
(わたくしも、誤字脱字や改善点などを見つけ次第、修正していきます)
初執筆と言いましても、趣味程度では何度か小説らしきものは書いていた経験はあります。でも今回初めてこのようなサイトに投稿をするので少し緊張してます(笑)。
前置きが長くなりましたが、さっそくこの小説について触れていきたいと思います。
この小説はローファンタジーBL小説として書いております。
主人公の蒼 直央はとにかく儚げな少年にしたくて頑張りました。でもちゃんと人間味を入れたかったので、苦悩や葛藤、たまに少し汚い言葉をつかったり、または赤面なんかもさせちゃいました(笑)。 一方、妖狐の光は上級妖怪ということで、完璧でなんでもできる!って感じにしました。でもやはりこちらもリアル味を出したくて、かわいく自慢させちゃったり、喜怒哀楽をわかりやすく表現したりと頑張りました。
あとこだわりは、設定ですね。
主要人物の二人の設定はもちろんのこと、サブキャラクターとしてこの一話目に登場している、 佐土原 奏や坂口 晴也、渚、佐々木 斗真などの設定も細かく作ってるので、また何かの機会に(完結してからかも?)設定なども公開できたらなぁ~なんて思ってます。
今回は本当にこの小説の序盤の序盤なので、次回の話から量が多くなるかもしれませんがご了承ください。あと、わたくしなんだかんだやること多すぎて(笑)多忙なため投稿の時間帯が遅かったり、不規則だったりしますがご了承ください(汗)
そして今回登場した謎の宙に浮かんでいた人影。次回にもしかしたら詳細が明るみになるかもしれません!(多分!笑) 次回、第二話はもっと二人の仲が縮まったり、新たな人物が登場したり、なんなら衝撃の事実がわかっちゃったり!?の内容詰め詰めの回になりそうなので乞うご期待!
それでは次回の後書きでお会いしましょ~。
引き続き、『なんでも屋の奇跡』をよろしくお願いいたします!
2023年10月4日 ハルノユキ