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ゆうくんがただいまと叫びながらやってきた!

え?ゆうくんのお世話係って昨日だけでじゃないの?

連れてくんじゃないよって弟を見ると、

昨日私が元気にしたからもうおしまいになったらしい。

クラスのみんなも迷惑だったから反対意見もなく。

じゃあもう連れて来なくてもいいのって、

これは本人の希望だそうだ。

さっきから「ママ、ママ」って抱き着いてぴょんぴょん飛び跳ねてるんだけど。

じゃあ何か、私だけゆうくんのこわいお父さんの報復付き子守り続行なんだ、ハハハッ・・・。

「じゃあ頼んだよ、ママ姉」

あいつはそうバカにした口ぶりで言って私とゆうくんを追い出すと、

ソファーに座って私の権利分食べていないお菓子を食べだしやがった!

再放送ドラマだってまだ途中なのに、チャンネル権持ち越しだからな、もう。

しょうがないか、報復は嫌だ。

「じゃあママのお部屋に行こうか、ゆうくん」

「うんっ!」

でもこんな子供と部屋で何しようか?

下手したら怖いおやじの報復だしさ、う~ん。

悩む私をよそにゆうくんは床のクッションに座るとランドセルからプリントを取り出した。

「へえ、宿題するんだ、えらいね」

そうほめると急に笑顔が真顔になって

「勉強は未来の自分のための投資、だから手を抜いちゃダメなの」

何かむつかしいこと言いだしたよ。

「ママはしないの?」

「いや今しようかなって思ったところだよ」

ホントはあっても基本やんないけどね、どうせ義務教育だから卒業できるしさ。

ま、どうせ問題文の漢字も読めないからやってるふりだけでいいか。

そう勉強机に座て適当に解答欄を埋めてたんだけど。

「ねえその問題ちゃんと考えた?適当じゃダメなんだよ、こっちも」

え?バレてる?確かにわからないから適当解答だけどさ。

宿題を半分終わらせたゆうくんがさっきから私の背中にしがみついてプリント見てたんだけど、

ダメだしされたよ。

「え?わかるの?」

「問題は分からないけど、ママの考えてることはわかるよ」

エスパー?

いやしがみついた手で脈拍を測ってる?

いや口の動きは読唇術か、瞳孔?

「大好きだからわかるの」

「今書き直そうと思ったところだったよ」

適当解答を消してやり直し。

こうして年下家庭教師?を得た私は毎日ゆうくんに監視されて宿題をこなすことで、

実際ちょっと成績と内申点が上がったのでした。

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