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次は君の番  作者: しぃぷ。
3/3

3

『あのね...ブーケとったよ』

私は目の前に置いたブーケを見ながら彼に伝えた。

「おっ!!凄いじゃん!!」

『綺麗だから、後で写真送るね。幸せのお裾分け。』

「あ、もうドレス着替えちゃった?ブーケと一緒に写真送ってよ」

『えー、それはいいよ。ブーケだけ送る』

考えもしなかった発言に笑ってしまった。

「なんでだよ。ブーケとツーショット送って」

彼はなぜか楽しそうだ。

『うーん。考えとく。』

私は少し照れていた気がする。


「今度、その親友さん紹介してよ」

『な、ちょっとだめだよ!!もう人妻なんだからね!!』

突然何を言い出すのか、彼の意図をくみ取れず焦る私に

「何言ってんだよ。

大事な人の親友だから挨拶したいだけだよ。」

彼は冷静に答えた。

『なんだ!!そういうこと?』

普段、“人を紹介して”なんて言うことのない彼だからこそ、本当にびっくりしたわけなのだが

「当たり前じゃん。何考えてんの?」

と笑われた。

『実は親友にも結構前から“彼のこと私に紹介しなさい”って言われてたんだ。“咲月に相応しい相手かどうか私が判断してあげるから”って。』

「それはなんか怖いね。

でも、伝えておいてよ。ぜひお会いしましょうって。」

自分の大切な人達が対面するのは恥ずかしくもあり、嬉しくもある。仲良くなってくれたら楽しいだろうな。



「それに、きっかけをくれたお礼もしたいし」

『きっかけ?』

お礼をするようなことがあっただろうか。


「俺達もそろそろ結婚しようか。」

『え?』

彼からのいきなりの提案に一瞬頭が真っ白になる。

「ブーケとったんでしょ?次は咲月が幸せになる番じゃん」

『私、そんなつもりで言ったんじゃないよ』

本当にブーケの話はそんなつもりで言ったわけではなかった。

親友の幸せの欠片を形として分けてもらえた感覚が凄く嬉しくて、幸せで、彼に伝えたかっただけだった。

「分かってるよ。

でも、タイミングが分からなくてなかなか言えずにいたから。」

『......うん。』

私は少し声を詰まらせた。

「泣くなよ」

彼に笑われた。

『…泣いてないからっ!!』

もうすでに私の声は震えていた。

もしかしたら、親友からすればこの状況も充分“今!?”なのかもしれないが、この時私にはそんな余裕はなかった。


「その涙、まだとっておいてもらえませんか?今のはプロポーズの予行練習なので」

『え?』

プロポーズに予行練習なんてあるのだろうか。

「俺、プロポーズは直接言う派なので、今度会った時改めて言わせて?だから、それまで涙はとっておいてよ」

『......はい。』

そう返事をしたものの、もう涙は止められなかった。

「言ってるそばから泣いてんじゃん」

本番の私は大丈夫なのだろうか。







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― 新着の感想 ―
[一言] 彼氏くんの予行練習にもらい泣き....! 結婚したくなりました♡(してるけど笑)
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