唐突な転生
ーーー ここは一体どこなんだろう。ボクは確か車にはねられそうだった女の子を助けて……ああ、そうか。その代わりにボクがはねられて死んだのか……でもなんでボクには意識が残っているんだ?
「その質問には私がお答えしましょう!」
「うわ!?」
自分の脳内で考えていた事に突然返事をされてボクは思わず変な声を上げてしまった。
「おっとっと。驚かせてしまって大変申し訳ありません!」
「いや、こっちこそ変な声出しちゃってごめんね?」
「さすがは優さんですね!こんな状況でも謝罪するなんて!」
ボクは目の前にいる明らかに見た目があれな女の子がボクの名前を知っている事にはもう突っ込まず、話を進める事にした。
「ところでなんだけど、ボクは死んだって事で合ってるのかな?」
「残念ですがそういう事になります。ですが、あなたの優しさをずっと見てきた私の計らいで今ここにいるのです」
「なるほど?ということはあなたはそれなりに偉いの?」
「そうですね…天名を名乗るなら第六階梯命天使。ですが、あなた方人間の呼び名で呼ぶのなら……ガブリエルですかね」
「oh。思ってたよりもずっと偉い感じなんだね」
「まあそうですね。一応この時空の生命体の管理者ですので」
「なんだかややこしそうな話になる?」
「いえ、今から話すのは優さん、貴方のこれからについての話です」
ボクはどんな未来になるのか少しの期待を胸にガブリエルさんの話を待った。でも、その口から聞かされたのは予想の斜め上どころの話ではなかった。
「貴方にお願いがあるのです!私の妹、ウリエルの管轄する時空にて憤怒の魔王として世界を救ってほしいのです!」
「はい?」
「ですから…」
「いや、まあボクはそういうサブカルは大好きなので言ってることは全然理解できるしボクとしての意識が残ってるまま転生みたいなことができるのはいいんですよ。世界を救うっていうのはまあボクにできるかはわからないですが頑張ろうと思います。でもですよ?……魔王ですか?1番世界を救うに適さない存在な気がするんですが」
「あ、そうですよね。この世界では魔王はそういう存在ですよね!あの、妹の時空では七大罪魔王が世襲制で世界を統べて、人魔は共存しているのですが…今代の魔王のほとんどが魔族のみの世界を求めて人類を排除しようとしているのです。筆頭は傲慢の魔王です。そして、そこに反抗する人類側に立ったのが憤怒の魔王だったのですが、先代は倒されてしまい…」
「なるほど……でもボクでいいんですかね?ボク、怒ることなんてそうそうないですよ?」
「別に名を冠しているだけでその名の通り生きないといけないわけじゃないのでそこはお気になさらず」
そしてボクはしばらく考えた後に、
「わかりました。ボクにできることがあるのならやらせてもらいます」
「ありがとうございます!それでは早速…」
「え?」
ボクが何か聞くよりも先に……
「転生!!」
ボクの新たな人生が唐突に幕を開けたのです。




