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二人の出会い

俺と瑛梨香が出会ったのは小学4年生。

家庭の事情で、俺は転校してきた。

家庭の事情と言っても、大した事はない。

だけど、"体裁"とやらの為に俺は屋敷にやってきた。

無論、学校も転校させられた。

『大野良平です』

そう言って頭を下げた。

上げた瞬間に目が合ったのが瑛梨香だった。

目を輝かせて、俺を見ている。

…何か面倒くさそうな女子だな。

そう感じた。

俺の直感は当たった。

休み時間になると、早速クラスメイトの質問攻めの場に瑛梨香はいた。

その目は輝いている。

俺は、クラスメイトからの質問を、当たり障りのない程度に答えていた。

適当に答えていりゃクラスの連中も離れていくだろう。

そう思っていたが、俺のクールな態度が女子にウケたらしく、瞬く間に人気者とやらになってしまった。

同然、男子の嫉妬にもあったが、女子に興味を示さない俺に、男子にも人気が出てきた。

その時出会ったのが、宗吾だった。

最初、宗吾は俺をライバル視していた。

サッカー勝負。

バスケ勝負。

テストの点数の勝負。

女子からのラブレターの数の勝負。

…まぁ、いろいろやった。

全部、俺の勝ちだったがな。

そのうち、なぜだが友情とやらに目覚めて、俺達は悪友として共にいる。

そう…瑛梨香だ。

瑛梨香は、毎日俺に話しかけてきた。

家も近い事もあって、登校時に一緒になる事も多くなった。

一人で、しゃべる面倒な女子。

俺は、女子には興味がなかった。

まぁ、そっち系ではなかったが、母親を見て…

苦しむ母さんを見て、恋愛なんてこりごりだと思っていた。

だけど、邪険に扱うのも気が引ける。

だから、適当に相手をしながら、距離を置いていた。

でも瑛梨香は、距離なんて…

ぶっ飛ばして、俺の心の中に飛び込んできた。

『ねぇ大野君』

瑛梨香が笑顔で言う。

『ん?』

面倒くさそうに俺が答えると

『今日、学校終わったら一緒に遊ばない?』

はぁ?何言いだすんだ?

俺が、あっけにとられていると

『いいじゃん、クラスメイトだし。同じ方向大野君しかいないから、遊ぶ人いないんだよね』

瑛梨香は、サラリと言う。

『面倒くさいから、やだ』

俺が答えると

『ええ?遊ぼうよ』

しつこく言ってくる瑛梨香。

仕方ないから一緒に遊ぶ事にする。

だが…

一緒に遊んだのは俺だけじゃない…

アイツ―文彦も一緒だった。

3人で公園に行った。

当時6年生の文彦は、学校で女子にモテていると聞いている。

物腰も柔らかで、紳士的で、優しい。

そんな男子を女子が放っておくはずがないだろう。

『二人じゃ危ないから、僕も付き合うよ』

そう言って、笑った顔に瑛梨香は頬を赤く染めていた。

そうして、時々俺達は一緒に遊ぶようになった。

そして、段々と俺は瑛梨香に惹かれていった。

俺が中学に上がったと同時に、澤部家に文彦との婚約の話を持ちかけた。

大野総合病院の次期院長夫人の椅子。

誰でも、飛びつくだろうな…

そう思っていた。

だが、瑛梨香の両親は、娘に任せると返事した。

瑛梨香は、文彦に惹かれていた部分があったので、婚約は成立した。

そして、俺は…



瑛梨香と距離を置くようになった…


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