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彼女…本当の姿

学校に到着しても、どこにいたらいいのか分からない。

みんな、文化祭の用意をしながらも、私をチラチラ見ながら話している。

きっと昨日の事だろう…

注目…されるよね…まぁ、当然か

居心地の悪さを感じながらも、私は何事もなかったかのように振る舞う。

孝子と陽菜は

「大丈夫?」

と、声をかけてくれた。

「大丈夫、大丈夫」

笑顔で答えて、雑用をこなしている。

視線が痛い。

正直、逃げ出したい。

でも、そうしたらいけない気がする。

逃げ出したら、いけない。

だから、ここにいる。

「あ…あの!」

小さな声で私に話しかけてきたのは、藤宮さんだった。

勇気を振り絞ったかのように見えて、なんだか可愛い。

「どうかしましたか?」

屈んでいた私は、立ち上がる。

「ちょっと…いいですか?」

藤宮さんの何やら真剣な表情に

「いいですけど…」

少しのまれる。

「じゃあ」

そう言って彼女は私を促す。

心配になったのだろうか?孝子と陽菜が、一緒に行こうと動き出すが

「すみません、日野さんと高坂さんは遠慮してもらえませんか?澤部さんと二人で話したいので」

藤宮さんの言葉に、二人が顔を合わせる。

「大丈夫よ」

納得がいかなそうな二人を、私は笑顔で手を振る。

「ちょっと行ってくる」

そう言ってから、彼女の後をついていく。

クラスメイト達が何やらざわめいているけど、もう気にしない。

藤宮さんに連れられて人気の少ない校舎裏に連れられていく。

なんだか、段々怖くなってきた。

昨日の事が、フラッシュバックされるようだ。

「大丈夫ですよ、危害を加えるつもりはありません。人に聞かれたくない話だから」

そう彼女が言った。

「…そう」

私は、返事しながらも警戒を強めていく。

やがて立ち止まり、彼女は私に背を向けたまま

「怖かった…ですよね?」

突然の言葉に

「え?」

と、返してしまう。

「昨日の事、怖かったですよね?」

くぐもったような声に、私はゾクリとする。

「…ええ…まぁ…怖かったです」

そう言ってから、言葉を続けようとした私を遮るように

「だから男って、最低なんですよ!」

唐突に彼女が叫ぶ。

「え?」

「ケダモノで汚らわしい!!あんな奴らに、あなたが汚されるの見たくない!」

「へ?」

何が起っているのか分からなくて、頭が混乱する。

振り向いた彼女は、いきなり私に抱きついてくる。

「好きです!ずっと前から、好きだったの!」

ええ!!!!!!!!!

藤宮さん、そっち側の人?

「男なんて、汚らわしいだけ!私と一緒に真実の愛を…」

うっとりした目で見られて

「えっと…藤宮さん…何言ってるか…分かってる?」

若干、ドン引きしている。

「分かってる!私の気持ちは、ずっと封印していおくつもりだった。あなたが、あの大野先輩と婚約していても、あなたが傷つくと分かっていても、生徒会長と仲良くしていても、私は何も言うつもりはなかったわ!でも…でも…」

そう言いながら、彼女は涙を流している。

「男共に、あなたが汚されそうになったと聞いて、私はもう自分の気持ちに嘘はつけないって」

そう言いながら抱きしめる力を強める。

私は、彼女を必死で引き離して

「ごめんなさい。いきなり言われても困るし…私、そっち系じゃないし…ごめんなさい!」

そう言って頭を下げる。

「…やっぱり、ダメなのね…どうして?男なんて、ケダモノで汚い生き物なのに」

落胆した声が聞こえる。


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