貧乏人は急接近される。
他のと比べると少し長めになっています。
修正しました。
「はぁ、」
実際集中出来たかといえば出来てない。
彼からの返信は来ていないものの来たら来たでまた、体調が悪くなってしまいそうだ。
そのため水曜、木曜日共に保健室にお世話になるはめとなった。
さて、今は何時かというと木曜日のお昼。
つまり、彼が来るまであと数時間程度までなってしまった。
春斗と何かあったかと言うと何もない。
私の家での仕事が無いのだからわりと仕方がないと言えば仕方がない。
変わったことと言えば、春斗が私に車道を歩かせないようにした位だろうか。
もう、いっそ優しさに惚れ込んだと言うことで告白してしまおうか。
そうすれば悩みの種は解決出来るのだが。
「出来てたら苦労しないよ~」
因みにここに春斗はいない。
女友達との昼食中だ。
春斗は男友達に購買へ引っ張られて行ってしまった。
別にクラスで起こったことは対して無かった。
強いて言うならばなんか小柄な女子がクラスを覗いてた程度かな。
あと、ちょっと目が合ったような気がする。
なんか、見たことがある気がする。
気のせいかな。
と、そうこうしている間に学校は終わり春斗と帰宅する。
彼は来ていないか。来なくていい。
春斗はもう慣れた手つきで執事服に着替えてくる。
ぶっちゃけ、これが癒しです。
この癒しをぶち壊しに来るやつがいるから困る。
車が止まる音。来ちゃったか。
玄関まで下りる。
足取りはものすごく重い。
扉が開け放たれる。
「ハロー!!マイプリンセス。ご機嫌如何かな」
何が嫌かって言えばこのテンションに勝るものはいないだろう。
見た目は悪くない(と、誰かが言っていたのを耳にしたことがある。)
「お、新しい執事がいるんだね。初めまして。僕は柊 翔と言う。ゆくゆくはマイプリンセス瑞季を通して関係を持つことになると思う」
名乗ったからお分かりかと思うが彼バリバリの日本人だ。それどころか海外に行ったことは無いとも聞いた。
私的には笑いを堪えるのが辛い。
「さあ、マイプリンセス瑞季、お付きあいから始めよう」
「嫌」
これ、毎回の事なのでゲームとかによくあるスキップボタンを押したい衝動に駆られる。
「どうしてだい?もしかして彼氏でも出来たのかい?」
おや、初めての展開だ。
何時もならここで終わっていた筈。
今回ばかりは続きがあるらしい。
さて、どう返したものか。
「まあ、良い。その話は後でゆっくりきかせてもらうよ。今日は紹介したい人がいてね。おいで、マイシスター」
「煩い」
私は私の目を疑った。
マイシスターと言われて出てきたのがお昼に教室を覗いてきた女の子だったからだ。
「同じ学校へ入学したらしいからね、今日見てきて貰ったんだ」
「めんどくさかった」
「この麗しい妹ならどんな男も落とせる事だろう。その力を持って瑞季の想い人を落としてしまう策略さ」
「全部言ってどうするの?」
漫才をみてる気分だ。
本格的に笑わせに来ている。
どうにかしてこれを止めなければ。
私が皆の前で大笑いするという問題極まりないことになってしまうだろう。
そんな場を変えたのはあの妹だ。
「そこの執事さん。私と同学年という認識であってる?」
「なんで、そんなことを?」
「私、気になった人のこと忘れない。今日は購買に連れていかれてた人でしょ?」
「そこまで見られてたか~」
「その反応は図星ということで良い?」
彼女はあくまで冷静に表情を変えずに聞いてくる。
ここまで来ると逃げるのも無理があるだろう。
「春斗、喋っていいよ」
「じゃあ、仕事モード終わりな。ご明察。俺は瑞季と同学年だ。あんたが瑞季と同学年なら俺とも同学年ということになるな」
「あんたじゃない。楓」
「それは失礼した。楓とも同学年だ」
「ん」
彼女はやっと自分の名前を言えたのが嬉しかったのかは知らないが表情がほんの少し緩んだ。
楓、楓!?
「それで、瑞季ちゃんと一番仲良く話してるのは春斗君?だと思う」
「そうか。ありがとう」
そう言うと翔の言葉の矛先が春斗に向く。
「君は瑞季の何なんだ。」
「幼馴染で執事。執事の時間は決まってるけど」
なんか、幼馴染って聞いた瞬間大きなダメージを受けていた気がする。
気のせいだと思うけど。
「幼馴染ならよかった。二人とも誰と付き合って結婚しても、私には関係無い。私の結婚相手は私で決めさせてもらうから」
やたらと口を挟んでくるね、楓ちゃん。
まぁ、私には関係無い。
翔はきっぱり断って春斗に告白しなきゃいけないからね。
そうこうしている間に楓は春斗のすぐそばまで来ていた。
「春斗君、で合ってる?」
「ああ、合ってる。暦 春斗」
「じゃあ、春斗君。私と結婚を前提に付き合って欲しい」
『は?』
楓以外の全て人が全く同じ言葉を発した気がする。
少しネタ回みたいになっていますがやっとラブコメが始まった気がします。