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彼女は貧乏人《おれ》のお嬢様で幼馴染で恋人です。  作者: 葵ソラ
一年生●三人の彼女と夏休み
61/71

貧乏人は迫られ続ける。

コメントをくださる方がいらっしゃいました。

感謝です。

どこら辺まで読んだか書いてくださるとコメントでのネタバレが防げるとおもいます。

(ネタバレは怖いです)

「疲れた。休憩しよう」

「時間的に変な意味に聞こえるから止めてくれ」

そもそも寝てたんじゃないのか。

どうやったら寝てて疲れるのか。


昨日は宿題をやった後、皆でお泊まりということになった。

確か俺は十二時過ぎには寝たはずだ。

今の時間は二時くらい。

楓は俺に馬乗りになっている。


「変な意味に捉えてくれたならそれでいい。しよう」

「直球すぎる」

駄目だ。

火に油を注いだだけだ。

「待て、他の二人は脇で寝てるんだ。ばれるだろ」

「起きてるよ?」

腕を押さえつけられるような感触。

お前ら、共犯か。

「春斗、せっかく付き合ったんだから、一回くらい経験しておいた方がいいと思うん、だよね」

「私もそう思いますわ!」

「だから、しよう」

「抵抗させる気無いくせに何を言ってるんだ」

両手は二人の体重全てが乗っている。

動きは出来るだろうが、場所が悪い。

俺の手は二人の足の間にある。

動かしようものなら、変なところに当たってもおかしくない。


「まずは、ズボンを‥‥‥」

「おい!マジで下げんな!」

「春斗君は抵抗できないから安心して下ろせる」


安心しろ、まだ、大丈夫。

あと、一枚ある。

でも、これ以上はまずい、少なくとも、()()

「ひゃっ!?」

「春斗様、どこを触って‥‥‥」

無理矢理、腕を引き抜く。

後は楓だけ!

「せーの!」

あれ?弱い?


一気に形勢逆転。俺が楓を押し倒す形になった。

これはこれで、駄目だろう。

「春斗君が積極的なのも、悪くない。しよう」

「しない」

楓をすぐに解放した。

全く、押し倒される為だけに力を抜いていたな?


「夜這いは止めろ。楓は前のもあるから、反省しろ。それに瑞季、前回は止めた側だろうが」

「今回は、私も、‥‥‥したかった」

顔を真っ赤にして言うの止めてくれ。

「私も、したかったですわ。少しばかり乱暴にも、されたかったですわ」

なんでこんなに性欲高いんだ、このお嬢様達は。

「それにしても、どうしていきなりこんなことをしたんだ。楓はわかるけど、それ以外の二人は自重ある方だろ?」

「それは、その‥‥‥」

瑞季と藍は更に顔を赤くした。

楓は、いつも通りだ。

口を開いたのは、瑞季だ。

「その、自家発電する暇が無かったから、その、溜まっちゃって‥‥‥」

「私はこっそり、発散するつもりだったのですわ‥‥‥」

「その二人と、私の夜這いの時間が被った」

うむ、この三人の証言だと、

「やっぱりお前が犯人じゃねーか」

「じゃあ、縛る?」

「反省しないだろ、それ」

「しない。むしろその状態で何をされるのか、期待」

「放置する」

何かされたら喜ぶだろ、お前ら。

「放置プレイは私の守備範囲では無い」

それは、誰得の情報なのだろうか。

全く、元気過ぎ‥‥‥る、あれ?


眠気が最高潮に達してしまったらしい。

この状況で寝てしまったらまずいが、テスト前の詰め込みでの疲れや、そもそも普段起きていない時間での行動により、体は予想より遥かに無理をしていたのだろう。

俺は抗えなかった。


「‥‥‥」

いわゆる、朝チュン。

問題は人数。三人。

三人とも容姿はいいし、生粋のお嬢様だ。

と、いうかお前らいつの間に服を脱いだんだよ。

余計に朝チュンみたいになってるだろ。

俺も上半身脱がされてるし、なんだよ、これ。


ここで考えうる、最悪の事態が起きた。

部屋の扉が、開いた。

「‥‥‥昨晩はお楽しみでしたね?」

「してないです」

メイドに明らかに事後の状態を見られるとかいう事件が発生。

いや、事後じゃないけども。

「避妊はしっかりしてくださいね?」

「してないです‥‥‥」

部屋の扉はそのまま閉められる。

絶対誤解されたままだろうなぁ。

仕方ない、三人を起こそう。


「おい、三人とも起きろ。非常事態、恐らく相当の誤解を受けてる」

「ん‥‥‥事後だって思われた?なら、本当にすれば問題ない」

「早く顔洗ってこいよ‥‥‥寝惚けてるのか、お前は」

「正気。朝までするシチュエーションもありだと思う」

「無しの方向で」


よろよろ歩く楓を洗面所に送ると、次に顔をあげたのは瑞季だ。

「春斗ってば、早いね。もしかして襲ってくれた?」

「なんで、昨夜断っていた人が襲うんだよ」

「春斗ってSっぽいところあるから」

「無いよ」

俺が何故か変な感じに思われてたのを修正しつつ瑞季も洗面所へ。


では、最後。藍が起きた。

「おはようございます、春斗様。それでは、朝のご奉仕を」

「普段は人より地位の高いやつがなんで、下手に出てるんだよ‥‥‥」

「メイドの務め?」

「お前はメイドを雇う側だろ」

藍も洗面所へ送った。


「ふう、なんとかなった」

これで、一段落‥‥‥

ん、なんか触った。


手元には下着。

両手足に三人分、上下。

そういえば、着てなかった。

「春斗君、下着に興味があるんだったら、毎日脱ぎたてをあげるよ?」

「春斗、それは、自家発電したやつだから‥‥‥今日ので、いい?」

「私のもですわ‥‥‥なので、それをあげるのはちょっと、駄目ですわ」

勝手に下着好きの変態に仕立てあげられてる。

勝手に下着を脱いだのはそっちでしょ。



「メイドの視線が痛かった」

「後始末は、後でしとく」

「今してきてくれよ」

「今は春斗君にあげる為の下着を選んでるので出来ない」

カーテンの向こう、そんな声が聞こえる。

「その誤解、解けてないのか」

誤解が増やすの止めてくれないかな。


今日は、藍の日だ。

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