貧乏人と物足りない感じ。
やたら眠い
「なんだよ、あれ。」
久しぶりの自宅なのだが、落ち着かない。
既に言われた日から二日が経過している。
しかも、外に出ても三人の誰ともすれ違わないし連絡も入らない。
「どうするかな・・・」
あといくつかの連絡先を見る。
とりあえず一人、この人は確実に相談に乗ってくれるだろう。
「・・・繋がった。・・・はい、はい。・・・すぐに行きます。」
他の皆は遊びに出掛けているので鍵を閉めて言われた場所へ向かう。
「お久しぶりです、春斗様。」
「突然すいません。」
「いえ、こちらこそお嬢様が迷惑を・・・」
「「・・・・・」」
呼んだはいいもののである。
聞きたいことは色々あるにはあるのだが、どう切り出すべきか。
と、思った矢先篠宮さんが先に口を開いた。
「藍お嬢様は引きこもられて降ります。」
「え?」
「いえ、こういうことを知るために呼んだのではありませんか?」
「それはそうなんですけど、そんな簡単に話していいんですか?」
「逆に出てきてもらわないと困ります。」
まあ、そりゃそうか。
「特に問題なのが、ほとんど何も食べていない所なのです。」
は?
既に二日経過してるんだぞ?
「毎食一皿完食されてればいい方で・・・減ってるだけ幸いですが。」
決して他人事では無いし、数日、早ければ今日には健康に支障が出てくるだろう。
篠宮さんの携帯が鳴る。
「すいません、呼び出しがかかってしまいました。」
「わかりました、ありがとうございました。」
「何かわかりましたら連絡します。」
「・・・お願いします。」
さて、次は・・・とは言ったもののこの連休に家にいないことも無くはないか。
やってみるだけ・・・
「珍しいね、彼氏君が連絡くれるなんて。」
「数日ぶりでも久しぶりに感じるね。」
連絡をしたのは百合の方。
その時に『アリスと一緒にいるからおいで』と呼ばれたのだ。
「とりあえず本題より先に聞きたい。」
「なーに?」
「ここはどっちの家?」
「アリス。」
アリスは坊っちゃんでした。
あの三人程では無いにしろ普通の家より大きいのはわかる。
「何で言っちゃうのさ!!『あんな小さな表札なんて見えないから私の家ってことにしとくから』とか言ったくせに!!」
アリス本人的にはばれたく無かったらしい。
「は、春斗君、ごめんね、黙ってて・・・ほらなんか悪い気がして・・・」
うん、こっちから頼んだ反面怒る理由なんて無いのだが。
「んじゃあ本題に・・・」
「その前に折角だから相手しろよ。」
百合の手にはコントローラーが握られていた。
「あっはは弱すぎ~!!!」
かれこれ十試合(こういうゲームの数え方が試合と言うかは知らないけど)位した結果全敗。
因みにわりとハンデは貰った。
「てか相談に来たんだが・・・」
「ん~?暗かったからいつもくらいの調子に戻したかっただけだけど。」
「そうそう、いつもの顔じゃなかった!!」
次の試合の準備をしていたアリスが声をあげる。
因みに実力は俺と大差なさそう。
「まあ、一応聞かれたからには答えるけど。」
そう言ってスマホの画面を見せる。
「こーゆーSNSがあるんだけど、これ、瑞季の。」
『好きな人に風邪を引かせてしまった・・・立ち直れない・・・』これが二日前
『好きな人とGWはお泊まりです!!今から超楽しみ!!』これがGW前日。
確かに心当たりしか無いけど・・・
どんどん昔のものを確認していく。
心当たりのあるものは
『好きな人と隣になれた~!!まさか一番前の席からの逆転劇があるとは思わなかった!!』
『隣のクラスに親友がいた!!見た目が変わりすぎて気がつかなかったな~。』
『こないだ言った親友が私の好きな人に告白しちゃった!?まだ、私だってしてないのに!!』
他にもたくさんあったのだがこれだけ合ってると瑞季のアカウントと見て間違いはなさそう。
「これは?」
「彼女の本心じゃない?私や彼氏君と違って溜め込んじゃうんじゃないの?ストレスとか。ほら、本当に思ってることとか口に出せてなかったりするんじゃない?」
「・・・」
「でも、なにもしていない訳では無いんじゃないかな。」
わりと本心で話していた気はしたが全部話してた訳じゃないのか、そうして言えてなかった分をここで言っていたのだろう。
「でも、この事がばれたら私が怒られちゃうな、だってこのアカウント彼氏君の事ばっかり喋ってるから。」
「その時は偶々見ちゃったってことにするよ。」
「それで通じれば良いけどね。」
ありがたい情報が手に入った。上々だろう。
「ねぇ・・・僕の事忘れてない?」
その後二時間ほど空気と化していたアリスとゲームをした。
「ありがとう、助かった。」
「今度はこっちが助けてもらうかもしれないから別に。」
「楽しかったよ!!また来てね~!!」
二人に見送られつつ家への道を歩く。
これでとりあえず二人の状況は少しわかった。
あとは楓だけだけど・・・
「・・・二日会ってないだけで久しぶりに感じる。・・・久しぶり、春斗君。」
噂をすればなんとやら、楓が現れた。




