貧乏人と無理が祟った日
取り戻してるかな?
もうひとつはこの作品が10万字乗ったらにするかどうするか。
「ただいま、疲れた~!!」
三人ぶん付き合ったのだ、何をするにしても疲れると思う。
「おっと。」
「大丈夫?」
「ちょっと動きすぎた。夕飯まで少し休もうかな。」
「わかった、夕飯は任せて。」
「期待しとく。」
道中二、三回ふらついた。
三往復したから当然と言えば当然かもしれない。
山道は辛い。
畳んだままの布団を背もたれにして軽く目を閉じる。
基本的にはこれでかなり休める。
基本的には。
「春斗、夕飯できたよ~、春斗?」
返事がないや。
「入るよ?」
そこにいたのは顔を真っ赤にして横になっている春斗だった。
「楓ちゃん、藍ちゃん!春斗が熱だした!!」
階段をかけ下りつつ叫ぶ。
早足に状況を説明する。
「確定ですわ。私は薬とかを持って行きますわ。」
「任せた。私は簡単に食べられそうなものを作って持っていく。」
「私は春斗を安静にできる場を作ってくるね。」
私達は親友だ。
お互いが得意なこと、出来ることは把握している。
「春斗、ちょっと動かすよ。」
うわ、軽い。
女子の平均よりちょっと重いくらいじゃない?
そんなこと考えてる場合じゃなかった。
布団を引き直し、春斗をその上へ。
頭を少しあげて頭のしたに氷枕。
そして体温計を脇に。まあ、本来は本人が起きてる時にやるべきやんだろうけど。
九度八分・・・結構無理してたね・・・
「瑞季ちゃん、これが解熱剤、こっちは吐き気とかがあるとか言ったら飲ませるように。」
「藍ちゃんは?」
「夕食をここで食べるために持ってきますわ、春斗様をお願いします。」
「・・・任せといて。」
無理をしていたのはいつからだろう。
元々バイトも休まずに出てくれる。
学校も休まない。
私達のわがままにも付き合ってくれる。
そんな日々が毎日のように続いた。
「春斗、ごめんね、無理させちゃった・・・」
「起きない。」
「そろそろ起きてもおかしくありませんが・・・」
一応風邪の可能性もあるので隣の部屋から見ている。
普段私達が使っているものを駆使して万全にしておいたので向こうは大丈夫だろう。
「医者が来ることができるのは早くて明日の十時、しばらくは様子見ですわ。」
時間はもうすぐ日を跨ぐ頃合い。
普段からしっかり寝ている春斗は寝ている時間なのだが。
「寝れないよね・・・」
「同じくですわ・・・」
「罪悪感。」
明らかに体調を悪くさせた原因は私たちだ。
そのせいで寝るに寝られなかった。
「ん・・・」
頭が少し痛い、と、いうかいつ寝たっけ。
「そしてこの三人は何をしてたんだ・・・」
散乱したトランプと飲み物。
例えるなら修学旅行。
五時・・・起きるには早いか。
体もいつも通り動くとは言えない。
そして今日は祝日。
つまり・・・
俺は再度布団を被った。
俺が起きたのは八時だった。
流石に寝すぎたかな?
「・・・おっと。」
急に動くのは駄目だな。
ふらつく体を壁に手をついて支える。
「三人ともおはよう。」
「「「・・・・・」」」
「どしたの?」
やたら暗い顔の三人。
寝不足かな?
「春斗は平気そうだけど・・・」
「どう切り出しましょうか・・・」
「・・・罪悪感。」
「?」
昨夜何かあったのだろうか?
あそこまで散乱してたことだし。
「あ、わかってなさそう・・・」
「お気楽すぎますわ・・・」
「知らぬが仏。」
あとさっきからこっち見て何かぼそぼそ言ってる。
「春斗、後で話がある。」
いつにもなく真面目な顔でそう告げられた。
そのため食事中に一切の発言も飛び出さなかった。
「それで話なんだけど・・・」
俺一人vs相手三人。
向かい合うように座っている。
「まずは二つ謝らなきゃいけない。」
「二つ?」
「一つ目は昨日、一人がデートの間、他の二人で鞄を漁ってしまいましたわ・・・」
「二つ目は春斗君に無理をさせたこと。そのせいで昨夜体を壊させてしまった。」
なんだ?
話に付いていけない。
そもそもいつの話だ?
「ごめん、全然何言ってるのかわからない。」
「混乱するのも仕方ない。でも、覚えてないでしょ?昨日の夕飯。」
「・・・ほんとだ。」
つまり食べてなかった。
「この二つは完全にこちらに非があるわ。だから春斗、私達・・・」
告白を撤回する。
暗い話になっちゃったかな?




