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貧乏人とGW二つ目の別荘。

最近やたらと眠い。


「もう、驚かない。」

今日はGW三日目。

周りはすでに暗く七時を回っている。

と、言うのも動き出したのが午後三時を過ぎたくらいだからである。


理由は簡単、二人の宿題を終わらせていたためだ。

なお、間接的には手伝った。

詳しく言えば採点等の行為。


「加えて車に長く乗りすぎて辛かった。」

気持ち悪かったとかは無かった。

休ませてもらえなかっただけだ。

周りがひたすらに騒がしかった。


しかし、着いてしまえばこっちのもの!!

いざ、俺に休息の地を!!



「・・・安息の地にならねぇよおおおお!!!」

「春斗、なにしてんの?」


襖隔てて三人と相部屋とか聞いてねぇよ!!


正直畳とか和風チックなところは見てたけど、こうなることは一切想定してねぇよ。


「春斗君疲れてる?」

「流石に少しね。」



座椅子に腰掛け背もたれにもたれ掛かる。

これで多少は休める体勢にはなったかな・・・




「春斗、春斗?開けるよ?」

私は閉まっていた襖を開ける。

「なにしてんのよ・・・全く・・・」

背もたれで頭を固定して眠りこける春斗がそこにはいた。

「春斗君がここまで無防備なのは初めて見た。」

「起こしますか?」

「・・・私は起こさなくてもいいと思うんだけど。」

「同感。」


今日は完全に私と藍ちゃんのせいだもんね。

起こしちゃうのは可愛そうだと思う。




「ん・・・」

あれ、布団の上で寝てたっけ?

そもそも何時に寝たのかすらも覚えてない。


「それでこの三人はなんでこっちで寝てるの?」


・・・いやこの三人はこっちで寝ようとするか。

さて早めに抜けておこう。



本当に山奥にあるな、ここ。

昨日は疲れてたから周り見えてなかったんだよね。



「普通に綺麗なところだな・・・ってこういうところに来たことが無いだけなんだけど。」

「春斗君、おはよう?」

「・・・いつからいた?」

「五分前。」

「予想より早いんだけど。」

「そう?」


楓はいつのまにかいるよね。


「昨夜の事知りたい?」

「あまり聞く気にならないのはなんでだろうね。」

「何をするか三人で相談したけどなにもしなかったから安心して。」

「なにそれ逆に怖い。」




「やっぱり何かすれば良かった。」

「同感ですわ・・・」

「早起きは得意。」


まだ眠そうな二人と朝食なんだけど、視線が痛い。

逆に何かする場合何をするつもりだったんですかね?


「と、とりあえず今日はなにするつもりなの?」

「「「デート。」」

本当に三人とも普段は仲良いよね。



「一番は私で良いと思う。昨日手伝ったし良いと思う。」

「逆に最初と二番目は時間気にする必要が多い気はするけどね?」

「それもふまえて決めますわ。」


約二十分後


「一番は私ですわ!」

「春斗君、私が二番目」

「そして最後が私ね。」

「毎回思うけどよく飽きないね。」

「春斗君が私を選んでくれればそこで終了。」

「私でも構いませんわ。」

「駄目!!春斗は私を選ぶんだから!!」


まあ、俺のせいだもんな・・・

それについては非常に申し訳ない・・・

俺があんなことしてなきゃすぐ決めてたかもしれないんだから。


「では春斗様、行きましょう。」

「うん、それじゃ行ってくる。」

「時間通りに帰ってきて。」

「わかってるから。」



向こうに消える二人の背中を見送ると過去に例を見ないレベルで部屋まで戻る。


「春斗ってあまり持ちもの変わらないよね。」

「確かに。」


そう、私達の目的の一つはデート。

()()()()()は春斗の持ちものの調査だ。

と、言うのも春斗が何を好んでいたりするかがいまいち知らないのでヒントを得るためである。



「筆箱が入ってる。」

「よく考えたら私達が無理矢理連れてきたからあんまり期待できないかも?」

「油断してるからなにかくらいは入ってるかも?」

「この鞄って学校に持ってきてる奴とおんなじだね。」

「じゃあ普段持ってるものと変わらない?」

「かもしれない。」

「そっかぁ・・・」


流石に物が入ってなさすぎる気はするんだけどね。



「面白いもの入ってなかった。」

「こっちにも特になにも無かったよ。」


残念なことに収穫は無かった。

うーん、残念。


「というか春斗が帰ってくる前に戻さないと!!」

「もうすぐ帰ってくるんじゃない?」

「なんでそんなに冷静なのさ!!」


なんとか間に合ったから良かったけど危なかった・・・


「どうかした?」

「なんでもない。次は私。」

「・・・近くない?」

「いつもと大差ない。」



「・・・上手く行ったの?」

「行ったには行ったんだけどね、その、何もなかった。」

「春斗様ならあり得そうだとは思いましたわ。」


うん、ここまで何もなかったのは予想外だけどね。



「・・・ただいま。」

「なんでそんなに疲れてるの?」

「楓がいつもより近くて積極的だった。」

「毎回の事じゃないの?」

「いつもとの差がありすぎるんだよ・・・」

あまりにもぐったりしていた。

「春斗君が悪い。」

「とりあえず、なんの理由か聞きたい。」

「春斗、どうする?止めとく?」

「まあ、すこし休ませてくれれば大丈夫かな。」




「楓ちゃんはなにかを見つけましたの?」

「ばれた。」

「楓ちゃんが露骨に対抗するからですわ・・・」

「見つけたのはこれ。」

()()()()?」

「名前が入ってた。それも瑞季ちゃんの。」


機械音痴の藍に代わり調べたものを藍に見せる。


「それって昔の話でしかないような気がしますわ・・・」

「それでも負けるわけにはいかない。」

「楓ちゃんの対抗心には勝てる気がしませんわ・・・」

「諦めてくれても良いよ?大歓迎。」


そういえば楓ちゃんはこういうこと平気で言う子でしたわ・・・

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