方向音痴と幼馴染の違い。
春休みの間にあと3話が目標です。
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「なんだよ、一体。」
時刻は十二時を回っていた。
亜季や雪は眠ってしまっている。
俺はついさっきの藍との会話を思い出していた。
「流石に嫌いましたか?」
キスをした直後藍は俺の真横に座った。
観覧車も一番上へ到達したところだ。
「何がしたいんだよ、藍。」
「私は普段は抑えられるのですわ、でも、春斗様が優しくするから、抑えられなくなるのですわ。」
「優しくって普通の事しかしてないだろ。」
「春斗様は知らないかも知れませんが欲はすぐたまるものですわ。それを発散するのも一苦労なのですわ。」
優しくするだけで駄目になるならどうしろと。
「やはり私は春斗様が欲しいですわ。春斗様どうか私の思いを受け止めてくださいませんか?」
「・・・一人だけだったらすぐに決めた自信があるよ。」
そりゃここまで言われたら誰だって気になるだろう。
最初のキスなんて忘れられないし。
「まだ、会って短いんだから無理はしなくていいんじゃないかな。」
「しますわ。」
瑞季や楓もそうだけどなんでこんなに力が強いんだ。
「私は二人より時間が短いのですわ。だから無理してでも春斗様と・・・一緒に・・・」
ここで観覧車は一周した。
係の人に見られる前に俺は解放されたのでなにも言われはしなかった。
解放されたと思ったのもほんの数分すぐに話の続きに戻る。
「春斗様、私とお付き合い致しましょう?何事も経験は必要だと思うのですわ。」
「同じようなことを楓にも言われた。けどそんなの不誠実だって返した。」
「それでも、構いませんわ。」
ここは車内。
観覧車同様逃げることは出来ないのだ。
「私は一番時間が足りませんの。ですから多少荒くてもご了承願いたいですわ。」
「時間って何だよ・・・病気では無いだろ?」
「当たり前ですわ、命にかかることでは無いので安心してください。でも、人生には関わりますわね。」
「どういう意味だよ、それ。」
「言葉通りですわ。篠宮、悪いけど家まで送ってあげて。もうかなり暗いですわ。」
「かしこまりました。」
こうして藍の家の車は俺を家まで送り届けてくれた。
「また、明日学校で会いましょう?おやすみなさい。」
「ああ、おやすみ。」
と、このようにわかれた後普段通りの時間後流れると思ったのだがこんな時間に弊害をもたらした。
結局深い眠りにはつけず朝を迎えてしまった。
その間俺は外を軽く走ってみたり勉強をしてみたりして気を紛らわそうとしたものの一切の効果を示さなかった。
「おはよう、春斗。どうしたの、寝不足?」
「まあ、そんなとこ。」
「私には散々注意しといて自分はそれ?大丈夫?」
俺の額に額をくっつける瑞季。
「おまっ、何するんだよ。」
「熱は無いみたいだし問題は無さそうだけど・・・って顔赤いけど本当に大丈夫?」
「・・・誰のせいだと思ってるんだ。」
「あれ?もしかして照れてる?やったね。」
もしかして素でやってたと言うのかよ。
「それじゃあ私達は幼馴染じゃ無くなっちゃったのかな?」
「完全にかは分からないけど以前の関係のまんまでは無いだろうね。」
「わりと私は昔から春斗のこと好きだったよ、言い出せなかっただけで。」
どっちの意味でだろうか。
「春斗の今思ってることに回答してあげようか。loveだよ。」
「本当に怖いから心を読むのやめような?」
「春斗は分かりやすいんだもん。」
瑞季は昔と接し方が変わったはずだ。
いや、変わったのは俺か。
瑞季は昔からloveで接してきてくれていたのかもしれない。
俺はlikeだったのかもしれない。
今となってわからなくなってしまった。
likeとloveの違いが。
「おはよう。」
「おはようですわ。」
「おはよう。春斗どうしたの?」
「・・・なんでもない。」
なんで藍はあんなに平然としていられるんだ。
「春斗君大丈夫?隈できてる。」
「本当ですわ、大丈夫ですの?」
「無理そうならすぐに言ってよ?」
「わかってる、無理はしないから。」
藍の言動が気になって仕方がないんだよ!
勿論授業なんて頭には入らない。
最近集中出来てないなとは思ってるんだけどね。
昼休み
今日は藍の日だ。
二人きりで話すにはタイミングが良い。
「場所移動?」
「たまには良いと思わない?」
「そうですわね、そうしましょうか。」
人気の無い空き教室に入る。
さて、ここからが問題だ。
「昨日のことですか?」
いや、相手から聞いてきた。
「正解。平然と過ごしているから気になってな。」
「このくらいは別に普通ですわ。昨日の事を引きずったままではなにもできませんもの。」
藍はかなり強い・・・と、思いたかった。
「顔赤いけど?」
「・・・本当は思い出したら恥ずかしくなるからですわ。」
あ、やっぱり藍は藍だった。
たまにDS触ると楽しくてやめられないです。
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