お嬢様は駄目っぽい。
短いのだろうか?
そこがわからなくて困ってまする。
「これは、駄目っぽい・・・」
今日も来てみると丸まった布団があった。
中から瑞季が顔を出す。
「駄目・・・春斗が近付く事すら無理ぃ・・・」
「これは、昨日より酷い。」
「私達もいる。」
「安心して大丈夫ですわ!」
「う、うん。ありがと・・・」
くるまった状態から姿を変えようとしない瑞季。
一体全体どうしたものか。
「まずは着替えてもらう。」
「パジャマだから布団に入りたくなるのですわ!」
かなり強引な理論だな。
まあ、試してみるだけなら。
「了解。じゃあ、俺は外に出ておくから。」
部屋から出る。終わったときに向こうから開けてもらえばいいかな。
十数分後扉の向こうからノックがかかる。
「終わったの?」
「完璧。」
「思った以上にかかりましたわ。」
「必死の抵抗を見せた。」
「うう、春斗・・・」
「普通にその部屋にあったのかよ、ドレス。」
純白のドレス。
恐らく大きな場で使うやつだろう。
実際みたことはないからわからないけど。
所々素肌が見えている。
それを瑞季は着ていた。
「いやあ・・・春斗にこの姿見られた。お嫁に行けない。」
「春斗君の所以外に行く気あるの?」
「それはないけど、ないけど!!」
「それに、こうしたら動かざるを得ない。」
「性格はよくわかってますわ。」
二人は俺に身体を密着させてくる。
「つっ!!駄目、駄目だって言ってるでしょうが~!!」
瑞季がこうすることをわかっていたのか二人は横に避ける。
しかし瑞季はそれに気がついていない。
ポスッと音をたてて俺の胸の部分にぶつかる瑞季。
そして、赤面。
状況を理解したらしい。
「えっと、これはね二人に取られないためにやっただけで、この服のまま何かしようとか思ってないなら・・・」
「わかってるって。」
実際ひらひらして邪魔そう。
「よくよく思うと二人は良いの?」
「・・・何が?」
「恋敵が脱落しかけてるのに止めて。」
「当たり前ですわ、恋敵であり親友ですもの。」
「めんどくさい性格してるね。」
「知ってる。」
親友は助ける、か。
最終的には後悔すると思うんだが。
「安心して、後悔するつもりはない。」
「全力でぶつかってこそですわ。」
友情と恋心どっちを取るかとなじゃなく普通に両方取っていくのか。
ましてやそんなことが可能だとは。
「最終的に強行手段とかに出ないでね?」
「えっと、あり得なくはない・・・かな?」
「善処する。」
「仕方がないときはやるかもしれませんわ。」
もう、何でもできそうだから怖いなぁ。
「でも春斗様の安全は確保いたしますわ。」
「当然。」
「で、できる限り迷惑にならないようにするからね?」
「何もないのがありがたいんだけど。」
「春斗が私を選んでくれれば問題ないから。」
「春斗君が私を選んでくれればなにも起きない。」
「春斗様が私を選んでくれれば問題ありませんわ。」
駄目だこりゃ。
どうあがいたとしても二人ぶんの強行手段が発動する。
瑞季は大丈夫そうだけど他の問題が発生しちゃったなぁ・・・
「でも大丈夫そう?」
「そこまで近付ければ問題ないですわ。」
「そう、なのかな?」
「昔みたいにとは言わないけど離れて行かれちゃうと困るかな。」
「は、春斗~!!!」
・・・自分で迷惑事を増やしてることは理解してるよ。
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