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お嬢様といつもと違う雰囲気。

時が経つのが遅すぎる件

「そんな状態でどうするんですかお嬢様。」

「だってぇ・・・」


そんな状態とは十一時にも関わらず寝巻きのままベッドに横たわっている状態を差す。

風邪とかそんなことではない。

ただ単に昨日のことを引きずってるだけ。


「春斗が私の事を女の子扱いしてくれたんだよ・・・私は少し前から春斗の事は男として見てたけどそれ以上に見られるのは恥ずかしいから・・・」

「本当にしっかりしてくださいよお嬢様・・・」


縁に頼んで春斗は私の部屋には近づけさせないで貰っている。

服とかの関係もあるけどいまこの状態であったら、恥ずかしさで死ぬ自信がある。


「そもそも昔から間接キスなどあったのではないですか?それについ先日寝巻きは見られたらしいではないですか。」

「それとこれとは訳がちがうの!!」

「複雑ですねぇ・・・」


もう、春斗にあったら大変なことになりそう。

だから今日は落ち着くまで関わりを絶っておこう。


部屋にノックがかかる。

扉の脇にいる縁が扉をあけるとそこにいたのは、

「瑞季のお母さんに頼まれて持ってきました~。」

春斗だった。


「春斗様、もうちょっと空気を読んでいただいて・・・」

「ご、ごめん瑞季、パジャマのままだったのか・・・」

「前にも一度見られてるしいいよ、もう。」


とは言っても体を包む布団は手離せないんだけど。


「それじゃ何かあったらお呼びください、お嬢様。」

「ばーか。」

「うそうそ、それじゃあね。」


扉を閉めて去っていく。


「ヘタレですか?」

「ほっといて・・・」


あーもう私何やってるんだろ・・・

折角春斗といる時間を長くしたのにこれじゃ意味ないじゃない・・・って私のせいか。


「はぁ、どうしよ。」

「もう、色々な事を春斗様で試してみては?。」

「試す・・って縁!?」

「あら、何を想像したのですか?お嬢様。」

「縁~!!!」

「お嬢様がお怒りだ~。」


縁、反省してないわね・・・全く。


「まあ、簡単なことからでいいのではないですか?」

「簡単なこと?」

「前は腕を組むことも繋ぐことも容易だったではありませんか。今は出来ますか?」

「そんな簡単なこと・・・で、できないと思う。」

「まずはそれからですね。」

「うう・・・」


私全然ダメダメになってるじゃない・・・

こんなことでどうするのよ・・・

春斗とは色々することになる(予定)なんだから・・・

どうにかしないとね。



「ん?どうしたの瑞季?もう大丈夫なの?」

「うん、大丈夫みたい。」

「ならよかった。それで用事って何?いつも通りの話し方でってどういうこと?」

「・・・春斗との距離感がわからなくなった。」

「はい?」


私はさっきまで縁と話していたことを話すことになった。

恐らく私の顔は真っ赤だろう。


「つまり何ができなくなったのか試したい、と。」

「と、とりあえず話すことは出来るみたい。」

「少しつまってるけどね。」

「言わないで・・・と、とりあえず手を繋ぐ事から。」

「はいよ。」


春斗の手に触れる。

触れてすぐ少し引いてしまった手を春斗が掴んでくれる。

ど、どうしよう。恥ずかしい。


「瑞季~?」

「ひ、ひゃい!?」

「噛んでるぞ大丈夫か?」

「大丈夫、じゃ・・ない。」

「本気で言ってる?それ。」


自分でもビックリするほどに春斗に触れていられなくなっていた。

本来なら触れる必要なんてないのだが春斗は幼馴染だ。

昔から仲は良かったはずなんだ。

なのに、触れられない。


「瑞季?瑞季!!」

「うっ・・・あれ?」

「良かった。大丈夫か?あのあと倒れたんだぞ?」

「ありがと、ここまで運んできてくれたの?」

「まあ、瑞季軽いから余裕だったぞ?」


やっぱり春斗は優しいなぁ。


だが春斗の顔が近いことに気が付き顔を離す。

その上布団にくるまる。


「瑞季?」

「ごめん、春斗はなにも悪くないの。私がちょっと駄目になってる感じ。」

「それ大丈夫じゃないな。マジで。」


私も理解してるんだってば・・・


「もう、どうしたら言いと思う?」

「いや、俺に聞かれても。とりあえず相談相手は多い方がいいかな?」


数分後連絡を送った二人が到着する。


「瑞季ちゃん的にはピンチだと思うけど私にはチャンス。春斗君といちゃいちゃする。」

「わ、私にご用ですか?と、いうか聞かれても困りますわ・・・だってあのときは仕方なく・・・」

「楓ちゃんはいちゃいちゃするの駄目!!藍ちゃんもキスの仕方が知りたい訳じゃなくて・・・あの・・・」

「今の瑞季ちゃんは春斗君に近づくのも大変らしい。チャンス。」

「本当に大丈夫なんですの?でも、これはチャンスですわ。今のうちに春斗様と色々なことをしますわ。」


だ・・・


「駄目~!!!」


私は春斗の手を掴んで自分の方へ引き寄せていた。


「春斗は、春斗は渡さないもん。」

「こっちの台詞。」

「ちゃんと触れるようで何よりですわ。」

「・・・ふぇっ!?」

「瑞季、大丈夫になったのはいいんだけど、この状況は恥ずかしいかな~っておもうんだけど・・・」


再度私の顔が熱く赤くなる。

そして春斗を離すと再度布団にくるまる。


「明日、不安だなぁ・・・」

「明日も来た方が良さそう?」

「瑞季ちゃん本当に大丈夫ですの?」


心配しかない。

感想等々お待ちしています。

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