幼馴染の視点。
40部分と言うことで違う視点から書いてたら1000文字達成してて退くに退けなかった感じです。
短い話ですがどうぞ。
「よし、完成!!」
私は出来た料理を箱に詰めていく。
ちょっとかわいらしいけど春斗なら許してくれそう。
そして一応私のも準備完了。
「行ってきます。」
「今日はお嬢様の番なのですね。」
「そう!今回こそはちゃんとしたのを作ったから!」
「そうですね、上手くなってると思いますよ。」
「ありがとう、縁。」
私は隣り合わせの幼馴染の家へと向かう。
どうして金持ちの家の人があんなおんぼろな家に住んでいる人と幼馴染なのか問われたことがある。
そのときは「切っても切れない縁だから」と答えた気がする。
でも今なら胸を張ってこう言える。
「ずっとずっと、好きだったから。」
今度誰かに言われたら言ってやろう。
「春斗、おはよ!今日は私の弁当楽しみにしてなよ!」
「おはよ、瑞季。隈も治ってるし大丈夫そうだな。弁当は楽しみにしとくよ。」
私達は付き合っていない。
時間の許す限り春斗を落としにかかるつもりでいる。
「それじゃ、行きましょ。」
「おう、それじゃ、言って来ます。」
「行ってらっしゃい」と亜季ちゃんの声が聞こえた。
「・・・不公平。」
「幼馴染特権だからね。」
「・・・ずるい。」
校門で楓ちゃんに膨れられた。
私の親友で、ライバルだ。
彼女も春斗のことを狙っている一人。
「おはようございます。春斗様。」
「おはよ、藍。」
「藍ちゃんも追い付いちゃったか・・・」
藍ちゃんも私の親友でライバル。
私の親友は全員、敵でもある。
だからといって親友に春斗を譲るわけには行かないけどね。
「・・・ここでお別れは残念。」
「休み時間にまた、ですわ。」
「・・・少しは休ませてほしい。」
ここで二人とはお別れだ。
授業中は隣だから良いのだが、クラスだと・・・
「おはよう、春斗君。瑞季さん。」
「おはよう、アリス。」
「おはよう。」
アリス君である。
見た目だけ見ると小動物的女子に見えなくもない男子。
「おー!やっぱりカップルは熱いね~ヒュ~!!」
あそこで囃し立てて来るのは男勝りな女子、百合だ。
「まだ、付き合うに至って無いの!!春斗が優柔不断なせいで。」
「優柔不断で悪かったな。」
「それなのに好きで居続けられるこいつの一途さも凄いけどな。」
「百合?」
「待て、話せばわかる・・・」
「今のは百合ちゃんが悪いですよ。」
「アリス、お前まで裏切る気か!!」
私はこの空間が嫌いではない。むしろ好き。
だけど春斗が誰かに取られるのだけは絶対に避けたい。
今日を抜けたらまた土曜日がやって来る。
休みの日にどうにか優勢にたたなければならない。
授業開始のチャイムがなった。
全員が席に戻る。
今日も全力で春斗を落としに行きます!!
瑞季回が続きます。