お嬢様は好きな人の隣に座りたい。
「今日は学校でも会える上に‥‥‥放課後も会えるなんて‥‥‥」
「おはよう瑞季」
「にゃぁぁぁ!?」
聞かれてない、聞かれてないよね!?
「悪い、ビックリさせちゃったか?」
「急に後ろから話しかけないでよ、心臓に悪いんだから!!」
私が上の空だったのも原因の一つではあるけどね。
とりあえず、良かった。聞かれてないみたい。
ほら、告白するにしてもされるにしてもタイミングが大切じゃない?
「そういえば席は今日決まるのかな?」
「そうなんじゃないか?窓側の日当たりの良いところ希望だ」
「それ、中学校の頃もずっと言ってたよね、なれてなかったけど。」
「今年こそは‥‥‥」
私は勿論春斗の隣の席がいいな。
真後ろの席で寝ちゃった春斗の背中を叩いて起こしてあげるのもいいかも!!
そのどちらかであればほっぺを触ることも容易かも知れない!!
出来ればこっちで決めさせてくれればいいのに‥‥‥
「と、言うわけでくじ引きで決めるぞ~」
流石にそうだよね‥‥‥
神さま仏様‥‥‥
「瑞季、見ろ、窓側引けた!!」
「良かったね、私は、微妙なところ引いちゃった」
春斗の隣の列だけど一番前。
一番後ろの春斗とは充分すぎる位離れてしまった。
「駄目かぁ」
溜め息をついたその刹那。
「すいません、ここからじゃ見えないんで一番前に行っていいですか?」
「わかった。白石、後ろ行け」
「あ、はい」
やった!!
さっきは憂鬱だったけどこれで春斗の隣を確保!!
これで『春斗に私の事を好きになってもらう大作戦(仮)』が無事に遂行できる!!
絶対私の事好きになってもらうんだから!!
覚悟しててね!!春斗!!