貧乏人と授業。
瑞季回です。
ちょっとメインキャラ以外の台詞も書けるようにがんばります。
《修正連絡》
瑞季の友人からの呼ばれ方を変更
「春斗、この問題もわからない・・・」
「またかよ、こっちの問題はな・・・」
授業中、渡されたプリントを瑞季と解いていた。
正直言って瑞季は頭が良い方ではない。
特に数学。
この間はまだ、まともな授業じゃなかったから何もなかったものの本来の授業に入った今、質問攻めである。
「春斗、難しいよ~」
「瑞季、これ中学の範囲だからね。」
「・・・忘れちゃった。」
「だろうね。」
「お願い、春斗~。」
「・・・はいよ。昔と変わらないな。」
昔から瑞季とは同じクラスだった。
そして、わからないところがある度に俺のところに来る。
そのため授業中にも関わらずかなり近距離に瑞季がいる。
勉強を教えるだけで近すぎませんかね?
「やっぱ春斗の教えてもらうと捗るな~。放課後も教えてもらおうかな。」
「放課後って、仕事中じゃないか?」
「そういうこと。」
「付きっきりで勉強教えてよ・・・ね?」
「つっ・・・」
小さな声でこっそり言われる。
「瑞季、言い方・・・」
「間違ってないよね。」
「勘違いとか・・・」
「私は大歓迎だよ。」
「体は大事にしろ。」
「春斗にしか言わないよ。私がしてほしいのは春斗だけだからね。」
逃げられない授業中になんてことを言うんですかね。
恥ずかしくなっちゃうから。
「それは、放課後まで取っておくとして、プリント教えてくれてありがと。」
「それは、良いんだけど。さっきの・・・」
「全部本気だよ。」
言葉を遮ってそう言う。
過去の傾向からして嘘でそんなことを言う人ではない。
だからこそ、恥ずかしく感じる。
「春斗、全部あってたよー!!」
「それだけ時間をかければな。」
「ひどーい。でも間違ってないからしょうがないね。」
「解けるようになれば後は忘れないようにするだけだから。」
「それが難しいんだって。でも、良いや。春斗が毎日教えてくれるんだよね。」
「毎日って・・・」
「お願いね、春斗。」
どうしたら良いのだろう。
この間まではただの幼馴染だった。
それなのに・・・女の子になってしまった。
チャイムが鳴る。
これで少し休める。ただし十分間。
次の時間も瑞季が教えてもらいに来るだろう。
さっきと同じようにされたら・・・耐えられる気がしない。
無慈悲にも十分間はすぐ過ぎてしまった。
その間他の誰も来なかったのは救いだ。
「この時間も宜しくね。春斗。」
「・・・はいよ。」
ただ、数学で無いだけましだ。
「春斗は優しいね。」
「なんだよ。」
「私にこんなに丁寧に教えてくれるから。」
「そりゃ瑞季が頑張ってるから期待に応えたいからな。」
「うん、私、頑張る。」
瑞季がいつになく頑張っている気がする。
俺も頑張らないと追い越されんばかりの勢いだ。
「春斗~。疲れた~。」
「もう少しで授業終わるから、頑張れ~。」
「春斗も一緒に休憩しよ~。次は体育だから持たないよ~。」
「わかるけどさ・・・」
「あと五分だから大丈夫だよ~。」
と言って伏せるような形になる。
実際授業自体止まってるし大丈夫だろうけど、
「寝るなよ~。」
「大丈夫、起きてるから。」
「そう思ってると寝るぞ。」
「寝ない寝ない。」
とは言いつつ瞼は閉じている。
「ほら、寝掛けてるぞ。」
起こしに少し瑞季に近付く。
すると、瑞季の手が俺の方に伸び、首に絡ませてくる。
「春斗、油断大敵だよ。」
すぐ隣に瑞季の顔。
「・・・一本取られた。」
「春斗は思った以上に油断が多いから気をつけてね。」
そう言って絡ませていた手を解いてくる。
チャイムの音。
これで、この時間は終わり。
再度十分の休みがあるのだが次は体育だ。
休み時間が着替えの時間だ。
「私も着替えに行ってくるね。また、後で。」
「行ってらっしゃい。」
暫くは体育祭用の練習らしい。
体育祭って何をするんだろう。
着替えて外に出る。
集まっている人は集まってるな。
そのなかに瑞季もいた。
どうやらクラスメイトと話しているようだ。
じゃあ、邪魔しないでおこう。
「あ、春斗来た。」
「例の彼氏さん!?」
「それが彼氏じゃないんだよね。告白はしたんだけどね。」
「勿体無いね~瑞季可愛いのに。」
「いいの、春斗は私が落とすから。」
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