貧乏人と方向音痴。
対話多め
キャラ説明が激下手だと気が付いたこのごろ
「疲れた~。」
あんなに色々試されるとは思わなかったよ。
「これなら私とデートしても違和感ないね。」
「私達。」
「あれ?楓ちゃんは私の告白肯定してくれてる?」
「最終的に私と結婚してくれるならなんでもいい。」
「そういうこと・・・ね。」
「理解してくれてありがと。」
隣でなんか話してるけど内容がわからない。
「春斗、次はゲーセンね。」
「行こ。」
「はいよ~。」
全く元気なことで。
「てか、どこ行ったよ。あの二人。」
気が付いたらどっか行っちゃったよ全く。
確かこの階層の反対側だっけか。
「ゆっくり行くか。」
スマホの通知は入ってるし通知音は大きめにしておこう。
にしても、本当に色々な店が入ってるな。
こんなのが近くにあったら毎日来そうだな。
金があったらだけどね。
さて、さっきから視界に入ってたんだけど、あの人は何をしているのだろう。
明らかにオロオロしているし、迷子じゃないよね。
俺と同いどし位に見える金髪女子。大丈夫かあれ。
・・・仕方ない。
「えっと、大丈夫?」
「大丈夫じゃ・・・ないですわ。」
「何があったか聞いてもいい?」
「笑わないでくださいますか?」
「・・・内容による。」
「私、方向音痴でして・・・」
迷子か。
予想の一つにはあったんだが、スマホ持ってたから外してた。
「スマホで連絡は?」
「それも操作がわからなくて・・・」
方向音痴で機械音痴って大丈夫か、マジで。
「仕方ない、ちょっと貸せ。」
「どうぞ・・。」
女子の携帯がロックなしとかヤバすぎるだろ。
とりあえず『電話帳』を。
電話帳には一切の電話番号が入っていなかった。
勿論通話アプリにも何一つ、そもそも設定すらされていなかった。
「電話番号はわからない?」
「・・・わかりませんわ。」
絶望的だな。
いや、方向音痴な事がわかられているなら・・・
電話機能の『履歴』を確認する。
同じ番号から何回もかかっている。
「これは?」
「先程携帯から音が鳴ったときのものでしょうか・・・」
「出た?」
「・・・どうやって出れば良かったのでしょう?」
ここまで多くの回数を掛けてくれている、ということは・・・
「この番号からかけられるかもしれない。」
「本当ですか?」
「やってみるか。」
電話を掛ける。
するとすぐさま電話の相手が応じた。
『藍お嬢様ですか?』
「いえ、代わりますか?」
『それだと、間違えて切りそうなのでそのままでお願いします。それで貴方様は?』
「申し遅れました。この携帯の主が困っていたようなので声をかけた次第でして、暦 春斗と申します。」
瑞季の家で使っている執事口調で返す。
『ご丁寧にどうも、私は藍お嬢様の秘書、篠宮と申します。それで今、お嬢様はどこにおられるのでしょう?』
「三階の中央エレベーター付近の靴やの前です。」
『絶対に動かないようにお願いします。すぐに向かいますので。』
「わかりました。」
ここで通話が途切れた。
「終わりましたか?」
「すぐ来てくれるって。」
「良かったですわ・・・」
約3分位で黒めの服に身を包んだ眼鏡の女性が姿を表す。
「ご協力感謝します、春斗様。改めまして篠宮です。」
「いえ、大丈夫ですよ。」
「ほら、藍お嬢様も。」
「助かりましたわ。」
「藍がオロオロしてたのを偶々見掛けただけなので。・・・藍は名前で合ってる?」
「藍お嬢様?」
「忘れてただけですわ・・・私はアイ・シュミレット・クラウソラス。長いから日本では藍と呼ばれております。春斗様も藍とお呼びになってください。」
「俺も春斗でいいよ。」
「そうはいきませんわ。助けてくれた王子様ですから。」
王子様って・・・
「それで、春斗様はこのあとは・・・」
「ごめんね、待たせてる人がいる。」
「・・・彼女ですか?」
「そういうわけではないけど。」
篠宮さんと藍が何か話している。
でも、盗み聞きするつもりはない。
「ここで出会ったのも何かの運命かも知れません、春斗様、連絡先を交換しませんか?」
「いいけど、使い方わかるの?」
「大丈夫です。篠宮に教えてもらいますので。」
「間違えて消してしまった時の為に私とも交換してくださいますか?」
「それなら安心かな。」
「安心とはなんですか、私も覚えて見せますわ!」
危なげはあるものの連絡先を交換することができた。
「じゃあ、そろそろ合流しますね。」
「あの、春斗様最後にこちらを。」
バッチのようなものを渡される。
「これは?」
「私からの信頼の証ですわ。私の家の者に見せれば優遇して貰えますわ。」
「貰っていい物なの?」
「ええ、持っているのは貴方を含めて三人ですわ。」
「主に医療関係の時にお見せください。優遇してもらえます。」
恐らく、かなり凄いものを貰ってしまったのだろう。
「ありがとう。また、会うときまで。」
「また、会いましょう。春斗様。」
「かなり気に入りましたね、藍お嬢様。」
「・・・笑うなら笑いなさい。」
「いえ、瑞季様や楓様にさえ会って初日には渡さなかったのに、と。」
「・・・五月蝿い。」
次回は合流します。