お嬢様達は攻めるのを止めない。
やっと両方から攻める甘々小説を書けるかな~とか思ってる。
「遊んだ~!!!」
あの事件のせいで少しの距離を感じる。
ここまで気にされるとこっちも困る。
「瑞季、楓、行くよ。」
右手に瑞季、左手に楓。
つまりは両手に花。
って告白された相手に返事もせずに何してるんでしょうね、俺は。
先に口を開いたのは瑞季だ。
「やっぱり春斗は春斗だね。優しいや。」
「優しくないって。」
「優しいよ、春斗は。だから、大好き。」
無言で顔を背けた。
瑞季がかわいく見える。
仲良く遊ぶ事の出来る幼馴染はどこに消えたのか。
「春斗君は優しい。私の目に狂いは無かった。それでこそ私の結婚相手に相応しい。」
「結婚とか、軽々しく言うなよ。」
「ほら、優しい。」
顔が熱くなるのがわかる。
お嬢様達と話してると心臓がいくつあっても足らなそうだな。
「こ、このあとはどうするんだ?」
「少し移動して昼ごはんかな?」
「お腹すいた。」
元のテンションに戻ってくれて何よりだ。
車に乗って移動する。
その間の二人はと言うと・・・
「春斗の隣は私!!告白しちゃったし良いよね!!」
「私が隣。私が正妻。」
俺の隣の取り合いらしい。
仕方ない。
「じゃあ、真ん中に移動させてもらうか。」
二人の間に割って入る。
「これでいいか?」
肝心の二人はと言うと・・・
「やっぱり春斗君は優しい。好き。」
「春斗大好き~!!」
だめだこりゃ。
完全に骨抜きだな。(してるのは俺なんだけど。)
この二人生粋のお嬢様な筈なんだけどなぁ。
「春斗君、私とイチャイチャしよう。」
「駄目!春斗は私とイチャイチャするの!」
なんだこれ。
「止めてくれ、争うな。」
「春斗がそういうなら・・・」
「春斗君、ごめん。」
この二人は二人とも告白してきている。
そして両方に対して答えを出さないという逃げを働いている。
「『優しい』か。」
と、思っている間に着いたらしい。
「到着。」
「大きいね。迷いそう。」
「そんなの藍ちゃんだけ。」
「あの子はそれ以前でしょ。」
「こういう場所は来たことないから新鮮だな。」
「なんか春斗君楽しそう。」
「こういうとここれないからね~。」
二人きりならデートっぽいけど、春斗があんな顔してるんだもんね。
あの顔が見れるなら安いかな~。
「ここでいいのか?」
「ここでいい。」
「それじゃ、春斗、荷物よろしくね。」
俺らが来たのはフードコートだ。
二人はバラバラに店に入っていった。
数分後、二人が帰ってきた。
「あと、もう一つ取ってこないと。待ってて。」
「私も。」
いくつ買ったんだよ。
俺の分は乗るのかすら怪しいんだが。
「春斗お待たせ。」
「これで最後。」
テーブルの上には
たこ焼き、カレー、ラーメン、ハンバーガーが乗っている。
水が入ったコップが落ちないか心配だ。
「春斗はどれ食べる?」
「今日のお詫び。」
俺の分を含めてだったらしい。
「それじゃ、ラーメンを。」
見た感じカレーかラーメンが多そうだったので、普段食べられないラーメンを選んだ。
「それじゃ、私はカレーを貰おうかな。」
「たこ焼き。」
「ハンバーガーは?」
「春斗足りないんじゃない?」
「春斗にあげる。」
ありがたい・・・
にしても、なんで二人とも向かい側なんだろうか。
ラーメンを食べ終えてハンバーガーに手をつけ始めた頃・・・
二人の視線を感じる。
「・・・やっぱりちょっと欲しいかも。ハンバーガー。」
「払ったの俺じゃないしいいよ。」
「やったぁ!」
瑞季、持ち直してまで俺が食べてたところから食べるのはどうしてなのか説明してくれ。
「私にもちょうだい。」
二人でハンバーガーをつまみ始めた。
美味しそうに食べてるならいいかな。
「・・・おいし。」
「あ、春斗、ごめんね。全部食べちゃった。」
「別に気にしなくて良いって。」
二人は少し考えるような顔をしたかと思うと、瑞季はカレーをすくったスプーンを楓はたこ焼きを刺したつまようじを差し出してくる。
「じゃあ、春斗、あーん。」
「春斗君私のも。」
前回は学校の音楽室で人がいなかったから良かったけど今は違う。
腹を括るしかないか。
・・・結論から言うと味なんて気にしてられなかった。
加えて回りから視線を感じる気がしてならなかった。
どうしてこうなった。
ブックマーク200突破ぁぁ!!!
感想、評価お願いします!!




