お嬢様達は修羅場ってる!?
やはり俺はハッピーな方面の方が好きみたいです。
「来ないから来てみた。」
「楓ちゃんはそうやってまた・・・」
「私から何回春斗を奪えばすむのよ!!」
暴走は止まらない。
ましてや加速している気がしないでもない。
「楓、怪我する前に下がろう。」
「私たち以外の人に迷惑がかかる。だめ。」
楓はあくまで冷静に瑞季に対峙する。
俺はどうもすることができずにいる。
「春斗、春斗は私が好きなの、渡さないから!!」
「それは私も同じ。だからこそ今回のようなことはだめ。昨日瑞季ちゃんが教えてくれた。」
楓は一歩も引かない。
「だから、今回はそこまで咎めない。私はだけど。春斗君は許せる?」
「別に何もされてないし、許すよ。」
「良かったね。人によっては警察呼ばれてた。私が言える話では無いけど。」
「春斗の女たらし!!うぅ・・・春斗~!!!」
暴走は止まったような気がするけどさっきとは別の暴走を始めた。
抱きつこうとする瑞季を楓が止める。
涙と汗でさらにびしょびしょになっている。
加えてついでに酷いこと言われたような?
「・・・ありがと、こんなことをしたのに・・・大好きだよ、春斗。」
「私が先に告白したから複雑。」
瑞季は笑顔でそんなことをいい放ち、楓は楓で嫉妬したように膨れている。
端からみたら修羅場なんだろうな。
どっちも知ってるせいで決めるのに苦労しそう・・・
そして、こんなに優柔不断なのは失礼かなぁ。
「そろそろ出ないと脱水症になる。」
「もう、四十分は入ってたのね・・・私は涙も含めてかなりの水分が無くなっちゃったから先に行くね。」
そして、逃げ去るように行ってしまった。
「瑞季ちゃん無理してた。普段はこんなことしない。」
「わかってるよ、幼馴染だからな。」
瑞季も同じ気持ちだったのかもしれない。
幼馴染として、昔から近くにいたから渡したくない。
一語一句同じとまでは言わないが大体こんなことを考えていたんだろう。
「まあ、瑞季は追うとして、楓、待たせて悪かったな。」
「別に大丈夫。」
「そう言ってくれるとありがたい。」
「春斗がいてくれるだけで幸せだから。」
変に追い討ちかけるの止めて貰っていいかな・・・
ただでさえどっちにもドキドキしちゃうのに嫌気がさしてるのに。
「よく考えたら二人きりにしてるじゃん・・・」
今となって気が付いた。
そのうえ、
「絶対嫌われたよね・・・私の前では許すって言ってくれたけどさ。」
人気のない休憩所でぽつりと呟く。
「瑞季、お待たせ。」
「速い。」
「ごめんね、その・・・後ろめたさが拭えなくて。」
「うん、悪いことはだめ。よくわかった。」
「私も。」
瑞季はゆっくりと立ち上がる。
「春斗あんなことした人に言われるのはかなり複雑だと思うけどもう一度言うね。」
「私は春斗の事が大好きです。この気持ちは誰にも負けません。一生を春斗と過ごしたいです。私と付き合ってください。」
「・・・」
「返事はまだ、いいよ。今ならまだ時間があるから。」
「わかった。返事は必ず返す。どっちの返答であっても。」
「うん。待ってるね。」
ブクマ180越えてたー!!
皆、ありがとう!!




