お嬢様はチャンスを察する。
また、短いです。
楓は書きやすいが瑞季は書きにくいというヒロイン格差がおきそうな状況を覆すのに必死です。
「もう、大丈夫か?」
「もう平気。」
「楓ちゃんが元に戻ってくれて良かった~。」
「完全に元の状態じゃない。あんまり戻れてない。」
まあ、そうだよね。
被害者側からしてみれば手のひら返しみたいな状況だし。
この隙に春斗に近付けるのでは!?
最近楓ちゃんに負けてる節があるからね。
楓ちゃんには悪いけどこのチャンスをモノにさせてもらいます!!
「なんか瑞季が元気になった気がするんだけど。」
「酷い。」
「なんで!?」
私ってそんなに顔に出てるの?
理由がわからない・・・
「少し春斗の気持ちを考えて行動することにする。そのおかげで私の制御が楽になったから嬉しい、だよね?」
「そういうことにしとく。」
「なんだ?瑞季は楓の保護者か?」
「あながち間違いじゃない。」
「もはや、楓のお墨付きの保護者の同級生とは。」
楓が一歩引いた位置にいたので手を引く。
「優しくされるとまた、暴走しちゃうよ?」
「そのときはまた瑞季が駆けつけてくれるよ。」
「次襲われても助けてあげないからね!!」
なによ、結局楓ちゃんじゃない。
私の方が春斗の事は分かってるのに。
「春斗は楓ちゃんだけ贔屓するの?日曜日のお嬢様にはなにもないのかな?」
「わかったよ。」
楓を掴んだ手と反対の手で瑞季の手を掴む。
「これでいい?」
「うむ、くるしゅうない。」
「なんのボケだよ、それ。」
全く、最終的に選べないなんてこと無いでしょうね?
いや、春斗ならあり得るかも。
楓ちゃんなら許可しそうだしね・・・ハーレムとかでも。
「さて、先に席に向かっといて。俺は取れるだけ取ってから・・・」
「どうせなら最後までエスコートしてよ、お姫様を途中で離すのは失礼じゃない?」
「両手の花を離すのはまだ、早い。」
「自分で言うか。お前ら。」
春斗は手を離さなかった。
春斗は優しいから振り払うことはしないと思ってたからわかってたことではあったけどね。
「ついたよ。」
「ありがと、春斗。」
「あんなことがあったのに春斗君は優しい。」
「エスコートしてほしかったんじゃなかったのかお前ら。」
「まあ、悪くなかったかな。」
「春斗君の手、暖かかった。」
「なんだよ、それ。」
照れ隠しなのかはわからないけど料理に手をつけ始める。
楓ちゃんは結構元に戻りつつある。
また、作戦は失敗かな。
「瑞季。」
春斗に呼ばれた。
「あ、ごめん、ちょっと考え事・・・」
春斗は手に持っていたパンを私の口に押し込んだ。
「食事中に考え事はすんなよな。不味く感じるから。」
「わかった。ごめんね、春斗。」
「分かればいい。」
春斗は楓ちゃんに話しかけられて向こうを向いてしまった。
・・・これ、どっちなのかな。
関節キスだって気がついていないのか
それとも、
気にする必要が無いのか。
春斗のせいで朝食が喉を通らなかった。
閲覧数が確認できるところがあることをはじめて知って見てみました。
かなりの人に見てもらえて嬉しいです!!