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貧乏人は迫られる。

三連休一日目が今回で終わります。

「先に貰っちゃったけど・・・」


広い。

ただひたすらに広かった。


「勿体ないよなぁ。」


入浴しているのは俺一人。

すかすかである。


誰かの足音が聴こえる。

楓の周囲はメイドの方が多かった気がするがちゃんと執事もいたのか。

と、思ったのも束の間、

入ってきたのは楓だった。


「お邪魔する。」

「楓、男湯だぞ?」

「私の権限で混浴にした。ついでに貸しきりにした。」


お嬢様権限を乱用するのはずるいと思う。


「楓ちゃん、戻ろう?」

「嫌。なら来なきゃいい。」

「それじゃ楓ちゃん暴走するでしょ!!」

「当たり。」


なんか瑞季も入ってきた。

仕方ない先に出るか。


「服は洗濯に出して新しいのと交換してる。20分は帰ってこない。」


残念ながら対策されていたようだ。


「隣、失礼する。」

「なんで近くに入ってくるんだよ。」

「そうしないといちゃつけない。」

「しないからな!?」


瑞季は楓側に入る。


「今回は瑞季が正しいからな?」

「これが私の正解。」

「楓ちゃんはこっち!!殆ど裸なんだから!!」

「大丈夫。」


楓はさらに近付いてくる。


「近付いてくるなよ。」

「見てもらいたいから。」

「楓ちゃんそのくらいにして・・・」

「嫌。」

「春斗、じゃあ楓ちゃんとの間に私が入ろうか?」

「そんな隙間はない。」


楓は身体を密着させてくる。

ものすごい素肌の感触。

頬や手とは比べ物にならない。

腕には慎ましくも柔らかいものが当たる。それも素肌同士。

瑞季がいなかったらまずい事になってたかもしれない。


「わかったよ、けど何も無いからな。」

「春斗君が欲望に負けてくれることを期待してる。」

「そんなことはない・・・と思う。」

「自信なさげってことは可能性としてはあるの?」


欲望には負けないとは思うけど楓の言う通りだ。

楓は可愛い。

それは俺から見てもそうな訳で、

そんな女の子が目の前で殆ど全裸でいる。

そりゃ確定は出来ない。


「春斗はそんなことしないから。」

「わかんない。見てないところでしてくれるかも?」

「春斗?しないよね?」

「しない・・・はず!」

「やっぱり確定は無理なのね。」

「春斗君は私の事が気になってる。確定。」


恐らく当たっているので何も言わない。

自分が不利になることは言わないに限る。


「春斗~?」

「春斗君?」


俺は顔を反らすことしかしなかった。



服が戻ってきたらしいので風呂を出る。


酷い目。いや、眼福ではあったんだけども。

まさか風呂まで来るとは想定していなかった。

一応タオル越しに確認したが楓の胸は普通の服を着ている時と同じでした。

・・・向こうが見せてきたんだ。

俺は悪くない。


俺は手荷物を殆ど持ってきていなかったのだが向こうの用意は完璧らしい。


ノックがかかる。

開く扉のその先にはパジャマを着た二人がいた。

「早く見せたかった。似合う?」

「着替えるの早いよ楓ちゃん。その行動力の源はなんなの・・・?」

楓はピンク、瑞季は水色の、

二人でお揃いの水玉パジャマだった。

「・・・似合ってると思う。可愛いと思うけど。」

女の子のパジャマ姿の褒め方なんてわからないので適当になってしまった感があるな・・・

「素肌よりはインパクトはないか。」

「もう見せちゃ駄目だからね!!」

「結婚したら見せることも増えると思う。」

「それでも!!二人はまだ付き合ってすら無いんだから。健全に!!」


楓の暴走抑制を理由にみずからも入ってきたくせに何を言うのやら。

そもそも止まらなかったしね。


「明日は少し動く。けど、このまま寝るのも面白くない。」


時間は10時を回るところだ。


「じゃあトランプでもする?ババ抜きとか!!」

「瑞季ちゃん弱い。すぐ顔に出る。」

「ルールをあまり知らない春斗になら勝てる!!」


数試合後

結局全試合においてポーカーフェイスを常に決める楓が一位。

瑞季はルールをあまり知らない春斗にさえ負けたのだった。


「春斗君。おやすみ。」

「おやすみ、春斗。」

「おやすみ。楓、瑞季。」

「ちゃんと鍵閉めなさいよ?」

「わかってるって。」


二人が出ていった後で鍵を閉める。楓が入ってこれないようにするためだ。

ちなみに二人の部屋はひとつ隣。

完全に防音で向こうに一切聴こえないらしい。


「さて、おやすみなさいっと。」


ベッドで寝るなんて覚えている限りはじめてだ。

なんだこれ滅茶滅茶ふかふかなんだけど。

こりゃすぐ寝ちゃうな。

しかし寝かせて貰えなかった。


なぜか扉が音を立てたからだ。

鍵はかけたから気のせいだと思うのだが。

その音は俺に近付いてきた。

そして乗っかってきた。


「起きてた?」

「今から寝るところだったんだが。聞きたいことがある。」

「スリーサイズ?」

「・・・そうじゃない。どうやって入ってきた?そして何しに来た?」


楓は手に持っていた鍵を見せてくる。


「マスターキー。これで開けた。それと何をしに来たかだっけ?」

「そうだ。マスターキーについては後で聞く。」

「夜這い。」


表情を一切変えないで言う。


「もう一度言ってくれるか?」

「夜這い。既成事実を作りに来た。」


夜這いって夜に襲うあれだよな。

女側から来ることってあるんだな・・・ってそうじゃない。


「こっちからも聴きたいことがある。春斗君ってこんなに力弱かったっけ?」

「夜は寝てるからな。」


電気代が勿体ないから寝る。


「まだ、夜は浅いよ?何なら朝まで。」

ヤバイ押し切られる。

「安心してほしい。まだ、ファーストキスも残っているし、私まだ処女だから。」

安心できる要素が無いんだが。


「楓、待って。まだ、そう言うのは早・・・」

「嫌。外に音は漏れないから安心して貰って構わない。多分気持ちいいと思うよ?」


駄目だ。止まらない。

楓はなぜか知らないけど暴走してる。

このままだと望まないことがおこる・・・


「楓ちゃん何してるの?」

「瑞季!?」

「なんで、音は漏れないはず。」

「抱き心地のいい抱き枕がいなくなっちゃったから起きちゃった。」


瑞季の奴、楓の事を抱き枕にしてたのか。

でも今回ばかりは功を奏した。


「瑞季ちゃん邪魔しないで。」

「邪魔するよ!!春斗になにしてるの!」


瑞季が後ろから楓を引っ張ることで楓が加えていた力が緩む。

その隙に抜け出すことに成功する。


「瑞季ありがと。」

「悪い方は楓ちゃんなんだから春斗も怒らなきゃ駄目だよ。」

「もう少しだったのに。」

「楓ちゃんは反省しなさい。」


瑞季はずるずると楓ちゃんを引っ張っていく。

出る直前に瑞季から鍵が投げられる。

マスターキーだ。

これで楓はここには入れない。


「鍵、かけ忘れないようにね。」

「瑞季。何から何までありがとうな。」

「別に何か見返りを求めてる訳じゃないから安心して良いからね。」

「返せるものが無くて悪かったな。」


やっぱり瑞季は便りになるな。



にしても楓はなんであんなことをしたんだ?

前からもこのレベルのスキンシップはあったのだが今回のは


()()()()()だったような気がした。


ブックマーク100突破しました。

ありがとうございますぅぅぅ!!!

ブックマークをつけてくれた人の期待に応えられるように頑張ります!!

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