二人のお嬢様は負けたくない。
一日目はまだ終わりません。
むしろ夜こそ本番かもしれませんね。
「なんだそれ?」
「言うと思った・・・」
俺はこの手のゲームはやったことが無いから楽しみだ。
「じゃあルール説明。」
楓が説明を始める。
「1、くじを用意する。今回はアプリ使う。」
「2、『王様だーれだ!』と言いながらくじを引く。これは皆で言う方がいいのかな?」
「3、番号指定で命令する。今回は三人だから指定出来るのは一人。または一人と王様自身。」
「4、王様の命令は絶対。」
淡々と説明されたが四番やばくね?
楓はアプリを起動する。
「楓、あまりにも過激なのは駄目だからね?」
「アプリだから不正できないから安心して。」
「だからアプリなのね、納得。」
瑞季は止める気無いんだね。それ以上に楽しそうなんだけど。
「それじゃあ始める。」
『王様だーれだ!』
アプリに表示された王様は・・・
「私ね!!」
「お、瑞季。」
「残念。」
瑞季なら安心だ。
「じゃあ一番は現時点で誰が好きか言いなさい。」
「はぁ!?」
「まだ、誰が言うか決まってない。」
そうだった。一番は・・・
「一番は私。好きなのは勿論春斗君。これは今だけじゃなくてこれからもずっと。」
「知ってるから・・・」
当たらなくてよかった。
当てられてたらどうなっていたかわからないな。
と、言うより当てられてたらどっちを言っていたんだろ・・・
言わないに越したことは無いけども。
「それじゃ次にいくわね。」
『王様だーれだ!』
「私。」
「楓ちゃんに来ちゃったか~。」
「待ってた。」
「怖いな~。何するかわかんないもん。」
「二番が王様にキス。ほっぺでいいよ?」
「楓、お前なぁ・・」
「番号当たってなくてもしたいときは言って。させてあげるから。」
「命令の意味とは。」
二番は瑞季だった。
当たっていたらキスさせられていたので危なかった。
いや、楓になら良いかも?
「じゃあ瑞季ちゃんどうぞ。」
「わ、わかってるから。」
瑞季が楓の頬にキスをする。
「女の子同士でなにやってるんだろ、私達。」
「春斗君は一番だった。残念。」
露骨に残念がらないで。
なんかこっちが悪いみたいじゃん。
してみたいなんて、思ってないからな!?
「あれ?もうこんなに時間経ってたの?」
「次で最後。」
「俺は最後でなんとか当たっておきたい。」
『王様だーれだ!』
「勝った。」
「えー楓ちゃん二連続~?いいなー。」
「安心しろ瑞季。俺は一回も当たってない。」
・・・ただし被害者にもなっていない。
「じゃあ一番が王様にハグする。」
一番は俺だった。
やっと参加した感はあるもののそんなに平和な命令では無いような・・・?
「じゃあ失礼して。」
俺は楓を後ろからハグする。
「正面からじゃないの?」
「言ってないからセーフ。」
「これはこれで嬉しい。結婚しよ?」
「それは考えさせて。」
やっぱり楓は楓だった。
でも男なら女の子にハグ出来て嬉しくない訳がなくて。
それにやっぱり楓は柔らかくて良いにおいがして・・・
「春斗!!いつまで楓ちゃん抱き締めてるつもり!?」
「私は大歓迎。ずっと抱き締めて貰っても構わない。」
思ってる以上に抱き締めていたらしい。
「気持ちは分かるけどね。楓ちゃんは私でも分かるくらい触り心地良いもんね。どうやったらあんなにすべすべぷにぷにになるのよ。」
「触り心地には自身ある。」
「どんな状況想定してるのよ、それ。」
「春斗君に何されても良いように?」
「しちゃ駄目だからね?」
「しねーよ。」
「して良いよ?」
ここまで言われると付き合っても良い気がする。
と、言うかなんでここまで否定してるんだっけ?
と、ここで楓のお付きの人に呼ばれたので行く。
「到着。」
「なんだよ、これ。」
とてつもないサイズの大広間一面に料理の並んだテーブルが置かれている。
真ん中にはシェフのような人も立っていて、その場で作ってくれるような感じになっている。
「凄いな、これ。」
「流石楓ちゃん。ここまでするのね。」
「春斗君の為ならなんだってする。」
「既に春斗先行ってるけどね。」
「春斗君らしい。」
貧乏人の性なのだろうか残してはいけないという思いが大きかった。
「こっち。」
「春斗~こっちだって!!」
「ちょっと待って今行く!!」
目に見えた皿を適当に取っていく。
「特等席。」
「ここから取りに行くの面倒じゃない?」
三人がけの椅子が大広間の中でも高い位置に置かれていた。
「大丈夫。頼めば取って来てくれる。どこに何があるかもわかる。」
「なんでもありね・・・」
春斗が遅れて到着する。
「悪い。待たせた。」
「大丈夫。」
「全く少し落ち着きなさいよ。」
春斗は食べている途中にも関わらず他の皿を取りに行ってもらっている。
「春斗君、ついてる。」
楓ちゃんが頬に付いたソースを嘗めとる。
「楓ちゃん!?なにしてんの!?」
「ついてたから。」
「だったら拭いてあげれば良いでしょ!!舐めるのは非常識!!」
「残念ながら春斗君気が付いて無いみたい。」
食べるのに精一杯な春斗は食べることを止めない。
一通り食べ終えると春斗は食べることを休憩する。
「向こうも夕食なのかな?」
「確認する?」
楓ちゃんはスマホを起動。
すぐさま向こうが映し出される。
どうやら夕食時のようだ。
『あ、お兄ちゃん!!』
「そっちも夕食か?」
『そうなんだよ!!とってもおいしいよー!!』
「そうか、腹一杯食うんだぞ。」
『3日で全種類は食べるよ!!』
「頑張れよ。」
『お兄ちゃんもちゃんと食べてね!!』
「安心しろ。食べてる。」
そこで通話は終わった。
「向こうも元気そうで良かった。」
「正直かなりのハイペース。」
「向こうに春斗も居ちゃったら食い尽くされてたかもね。」
「ありそう。」
春斗は再度頼んで取ってきて貰った料理を食べている。
「春斗君、こっちも美味しいよ。はい、あーん。」
「お、ありがと。」
「私のおすすめ。」
「そりゃおいしいはずだ。」
「デザートに私。甘くて美味しい。」
「食べないから。」
楓ちゃん自然になにしちゃってんの!?
あんなに自然に出来るものなの?
楓ちゃんがこっちを向き舌を出す。
「いっぱい食べてくれるのは嬉しい。料理のしがいがあるから。」
「楓の料理は美味しいからな。」
「結婚した暁には毎日作ってあげる。」
「それは魅力的な話だ。」
「お風呂にする?ご飯にする?それとも私?」
「ご飯を選びそうだな。」
「私も美味しいよ?」
もうなんで楓ちゃんはあんなに恥ずかしい台詞を連発出来るのよ!!
「楓ちゃんそのくらいにしよう?」
「ただでさえ幼馴染という点で負けてるのにこれ以上負けられない。」
私楓ちゃんに勝てる気が無くなってきたよ・・・
「そういえばこのあとは?」
「入浴。」
お風呂ならなにもおきない・・・よね?
ブックマークどんどん増えてる!!うれしいなぁ!!
感想も書いてええんやで( ;∀;)
誤字報告してくれてええんやで。