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貧乏人はお泊まりする。

どんどんブックマーク追加数が増えています!!

すごい勢いだ~!!

良かったら評価とか感想どしどし送ってね!

「今日は楓が来てるみたいだな」


楓の車があった。

朝から瑞季に何か用事でもあったのだろうか?


「瑞季、入るぞ~」

「春斗!?今開ける!」


前回の失敗を繰り返さないために自分では開けない事にした。

扉を開けた先には瑞季と案の定楓がいた。


「やっぱり楓もいた。どうかした?」

「今日から瑞季ちゃんとやることがあるから来た。遠くまで行く」

「なるほど、俺は?」

「春斗君も一緒」

「そういうことだから早速行こう。春斗待ちだったんだからね」


そう言って俺の腕を引いて車に乗せる。


「それで、何処まで行くの?」

「私の別荘」

「いや、別荘まで行って何するの?」

「お泊まり会?キャンプ?」

「お泊まり会の方が正しいと思うな」


俺を放って話が進んでいる。

お泊まり会って言ってたけどそれって‥‥‥


「俺はどうなる?」

「一緒にお泊まり」

「おい、俺の家族はどうなる」

「問題ない。私の家に呼んでる。三食ベッドつき」


とどのつまり俺は売られた訳だ。

妹達が食っていけるなら安いか。


と、そんなことを思っていると楓が自分のタブレットを起動する。

それに写されていたのは楓の家と思われる場所と俺の家族だ。

亜季が此方に手を振ってくる。向こうからも見えているのか。

『お兄ちゃん楽しんできてね!』

満面の笑みなことで。

「わかった。楽しんでくるよ」

奥の方で雪と母さんも手を振っていた。

此方も振り返しておこう。


「これでいい?」

「理解した」


まあ、このお嬢様が簡単に引き下がる訳がないか。

三連休なんてもってこいだろう。


「行くことについてはもう良いとして着替えとかはどうするんだ?」

「大丈夫準備してある」

「その辺には抜かりはないから安心してね」


逆にこいつらどこでそんな相談したんだとか思ったのだがよく考えれば昨日の最後のあの時間だよな。

楓が何を言ったのかまでは推測できなかったが。


そのあと別荘に着くまでの間はわりと大変だった。

俺にくっつく楓に対して瑞季がそれを引き剥がす。

楓が何かアプローチする度に瑞季が反論する、と言った感じだ。

最終的に眠るという最終手段に出たことは覚えてる。


楓の別荘は()()()()()()()()()()()()()

楓が言うにはこの辺の山自体別荘の一部らしい。


時間としては3時間程度でついていた。


「おはよう春斗。車慣れしてないから疲れちゃった?」

「昨日私と乗ったときは大丈夫そうだった」

「なら単純に疲れただけなんだ」


俺が寝ていた間に和解したらしい。


「それで何をするんだ?」

「まずは昼ごはん。ピクニックみたいに外で食べよ?」

「それじゃ準備するか」


別荘はお分かりかと思うが広かった。

一部屋が俺の家くらいの広さをしていた。


「酷いよ春斗~」


仲間外れにされて暗い声を出す瑞季。

だって仕方ないじゃん。

「瑞季料理出来ないんだもん」

「下手っぴ。」

「うっ‥‥‥」

ヤバイとどめ刺してしまった。

「出来た」

と、そんなことお構い無しに完成させる楓。

「こっちももう少しで出来る」

「手伝う」


そんな様子を見ながら私は心のなかで呟く。


楓ちゃんの体が何時もより近くなってる気がする。

アプローチもよりかけている様な気がする。

私が日に日に嫉妬しているような気がしてならない。


私って惨めだな‥‥‥


お似合いな二人を否定して、初恋を忘れられなくて嫉妬して。

勝ち目が無いから逃げてばかり。


もういっそ楓の兄貴と結婚してしまおうか。

「瑞季~」

なげやりな気持ちになっていた私に横槍を入れたのは、

「サンドイッチの時に余った苺」

春斗だった。

「今朝届いたらしいから美味しいよ?」

やはり隣には楓ちゃんがいた。

楓ちゃんは私にそっと耳打ちする。

「好きなら諦めない方が良いよ」と。


何故楓ちゃんが言うのかわからなかった。

何故自分が不利になる事を言うのかわからなかった。


楓ちゃんは再度春斗のすぐ横を陣取る。

そっちがその気なら受けてたとうじゃない!!


私は楓ちゃんのいないすぐ横を陣取る。


「おい、瑞季近くないか?」

「それは楓ちゃんも同じてしょ?」


楓ちゃんの表情がほんの少し歪んだ。


「春斗君場所を取りに行こう」

「春斗、行きましょう?」


春斗の腕を引っ張る。

()()()負けじと引く。

お互い負けるわけにはいかないのだ。


結局お互いに譲らずピクニックをする場所まで離すことをしなかった。



全く、広い場所があるのにどちらも俺の隣から動かない。


「楓?瑞季?流石にもうちょっと離れて貰っていい?」

「やっぱり小さかった?」

「楓ちゃんはやって良くて私は駄目なの!?」


楓は通常運転だけど瑞季は暴走している気がするが気のせいか?


「瑞季まだ治って無いんじゃ?」

「なんで心配されなきゃいけないの?」

「普段の瑞季っぽく無いから」

「だからって風邪拗らせてる訳じゃ無いってば」


今日の瑞季は何時もと違うらしい。

服も何時ものより可愛いのを着ている気がする。

でも、間違っていたら恥ずかしいし言わないでおこう。

それより気になったのは、

「そういえば楓の私服見たの始めてだな。」

「春斗君にみてほしくて選んだ。似合ってる?」

「似合ってると思うけど‥‥‥」

楓も何故か知らないが気合いが入っているようだ。

これまで制服姿しか見てないので目のやり場に困る。

若干生地が薄いようで前の時より柔らかい感触がする。

柔らかさの情報源?

俺の体験談です。


「流石に少し薄かったかも」

一枚羽織る。

ちょっと悲しかったのは気のせいだと思う。


「春斗~?」

「どうした瑞季」

「楓ちゃんだけ褒めて私には何もないわけ?昔から仲良い幼馴染には何もないんですか~?」


随分と嫌味っぽく言うな。

まあ、楓みたいに褒めればいい。


「可愛い服だとは思ってたけど新しいやつ?見たことなかったきがするけど」

「春‥‥‥今日の為に選んだやつだもん。似合うでしょ?」

「似合ってるとは思うけど‥‥‥」


肩が出ているのが気になるとは言えねぇ‥‥‥

そういう衣服なのはわかっているが変な人が寄りつきそうだから着て欲しくない自分がいる。


「肩出しだからあまり人前で着ないで欲しい‥‥‥かな?」


自分で言ってて恥ずかしくなってくる。

俺が悶えてるにも関わらず瑞季はと言うと。


「ほら楓ちゃん。幼馴染は心配もしてもらえるのです」

「瑞季ちゃん流石。でも負けない」


楓に勝ち誇った様に言う。

負けないって事は何かで勝負でもしてるのだろうか?


お忘れかもしれないが今日はまだ一日目それもまだ半分程度しか経っていない。

この我が儘お嬢様二人と過ごすのが如何に大変か。春斗はまだ知るよしもない。



何話になるかはわからないけど暫くはお泊まり会のお話です。

瑞季ちゃんに逆転のチャンス!?

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