表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/36

プロローグ

 目の前で起きているこの光景は、一体何なのだろう。

 僕はファンタジーゲームに出てくるような鎧を着て、剣を持って、目の前の闘いを見ている。

 違う!アレはもう、闘いなんかじゃ無い!ただのイジメだ!!


 僕を守るはずの狼男が、鳥人間に槍で穴だらけにされていく。

 とっくに、鯨男と、鷲男は倒されちゃった。

 ()()()は一体も倒されてないのに、ズルい!

 父さんの苦しそうな声が聞こえる。

 そうだ、あいつを倒さないと父さんが・・・。

 

 気付いたら鳥人間に飛び掛かっていた。


「コノヤロー!!」


 ガインンンンン!


 僕の剣は、簡単に槍ではじかれて、鳥人間に奪われて・・・


 ドスリと身体の中から音がした気がした。

 内側から痛いのが近付いてくると、別の痛みを感じた。

 何度も何度も身体の中からドス、ドス、ドス、という音が聞こえる。

 身体のどこに痛くない場所があるのか分からないよ。


「止めてくれ!もう、降参するから!私の負けで良いから!だから!・・・」


 ・・・父さんの・・・声が・・・する・・。


『止めねー~よ!バー~~~か!黙って息子が穴だらけになるのを見ていろ!』


 僕が、僕があんなものを拾わなければ、こんなことにはならなかったのに。


 ごめん、ごめんなさい・・・。






「ごめんなさい、父さん・・・」


 ・・・・・・また、あの夢か。

 十一年前にあった本当の出来事。


「・・・学校に行かないと」


 ・・・あのゲームに、いまだに囚われている。

 この十一年、あのゲームに勝つためだけに生きてきた。

 もう二度と、あのゲーム・・・《シャスティング》に関わる事は無いかもしれないけど、もし、もう一度チャンスが貰えるのなら、あの男を・・・あの男を必ず殺してやる!!!


 登校するために、アパートを出る。


 俺は気付いていなかった。



 今日という日が、俺にとって運命の日になるということに。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ