お釈迦様に出会う
引き続いて二話の投稿です。
チョコレートを食べた諒平はそのまま気を失う、目が覚めると自分の部屋ではなく雲の上らしき場所にいた。
「これ、高坂諒平よ」声がする方を振り返ると巨大な仏像が見える。これほどのモノは修学旅行は元より、資料などでも見た事がない。
「よいか、お前は死んだのじゃ」突然、仏像の口が開き喋り始めた。
「ぶ、仏像が喋った?どうなってるんだ?」それに俺が死んだだと?何の冗談だ?あまりにも立て続けに変な事が目の前で起こったせいで、諒平の頭は混乱していた。
「像などではない、ワシは本物の釈迦如来じゃ。それにお主が死んだのも事実じゃ」ハッキリといい放つ仏像、もとい釈迦如来のお言葉に諒平はたてついた。
「何でだよ?何で俺が死ななきゃなんねぇんだよ?!」
「落ち着くかよい、これは事故じゃ。下界の言葉を借りるならお主は食品アレルギーでな、さっきチョコレートを食べたであろう」
「ああ、それがどうした?!」
「その中にたまたまお主の体が拒否する食材が混ざっていたようじゃ。毒物ではないし、チョコレートを渡した者も悪意でやった訳でもないから罪にはならん。安心せい」
「できるか!俺が死んじまったらどうしようもねぇだろ!」依然として、釈迦如来に罰当たりな態度をとる諒平に対し釈迦如来は優しく微笑まれながら話をお続けになる。
「落ち着けというに。ワシは何も死んだからといってお主をないがしろにはせん、むしろ転生させてやるつもりじゃ」
「転生?そんなの意味ねぇよ、どうせ今までの事なんて忘れんだろ?」
「それが今回は特別じゃ。お主はこれまでの記憶を保ったまま違う人間に生まれ変わる」本当はそれ自体が罰なのだがお釈迦様はそこまでは仰らなかった、それを聞いた諒平は思った。
「これってネット小説によくある異世界転生とかいうヤツか?それなら女侍らしてハーレム王も夢じゃない!グフフフ」下卑た笑いを浮かべる諒平にお釈迦様は呆れられたがそんな素振りは微塵も見せず
「その通り、異世界転生じゃ。後、希望があれば今ここで申すがよい。既に決定事項はあるが、それ以外なら転生時に付与してやるぞ」
「本当か?じゃ金持ちの家に生まれたい!後は戦争とは縁のない世界がいい、それと外見も美形にな!」
「ホッホッホ、そのくらい造作もない。では新しい人生を楽しむがよい」そこまでお釈迦様がお告げになったところで諒平は再び気を失った。
「全く、態度の悪い奴じゃったのう。しかし肝心な事には気付かなかったようでやれやれじゃな、さて彼奴め、どんな人生を過ごすか。面白くなりそうじゃ」お釈迦様はそう呟かれると他の神仏と神々が待つ天界へお戻りになられた。
諒平の転生先は次回明らかに、タイトルでバレバレだとは思いますが。