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最凶魔王のまったり魔法教室  作者: No.44 Emperor
一章 最凶魔王のまったり魔法教授
5/22

最凶魔王とまったり魔法テスト

どうも! Genshoです。昨日今日と風邪ひいてました。

「まずお前ら、魔法をイメージしてみろ。

 かっこいいでも怖いでもいい。自分の思い描く『魔法』を考えて思い浮かべるんだ」

「えー、難しいよー」

「そんなのより早く魔法教えてよー」

「馬鹿野郎。俺の話を聞いてなかったのか?

 これからイメージ力のテストをするって言ったろうが!」

「うぅ......おじちゃん怖い」


 怖くて結構だ。その恐怖心が魔法にも影響してくるからな。きっと。


「──うううううわっ! な、なにこれ!?」


 早くも最初に変化があったのはイシュトだ。

 イシュトの掌には、黄色い、直径30cmほどの球体が浮かび上がっていた。


「それなんだ!?」

「えー! イシュトすごい!!」


 他の2人もその球体に興味津々である。しかし、まさかイシュトにこんな早く成果が出るとは。いつも泣いていたのは感受性の反映だったのか?

 もしかしたら3人の中で一番魔法に対する容量が大きいのではないか......?

 俺は彼らに説く。


「今イシュトの手のひらにあるのが、自分たちの思ってる魔法の『イメージ』だ。

 黄色の色は、『回復』の色。他にも、攻撃なら赤、防御なら青、支援魔法なら緑がある。細かいことはこれから教えてやるよ。

 そして、この球体。形は、球体以外にも全部で6種類ある。......まぁ、これも後でいいや。

 とりあえず、イシュトはイメージのテスト合格だ。2人の様子を見てろ」

「うん! わかった!」


 物分かりもよくなって来たな。発言の最初に『......』がつかなくなって来た。

 この自信も今回のテストで引き出されたのか......? だとしたら、これはかなりの効果がでるぞ......?


<><><>


「わっ! できた!」

「マジかよ! くそっなんで俺はまだっ!」


 ──イシュトが合格を言い渡されてから、10分ほどであろうか。次に浮かんだのは、クーフだった。彼女のイメージした魔法は、四角──青色の直方体だった。大きさはクーフの片手に乗るくらいの大きさで、イシュトとクーフがつついて遊んでいる。


「私のは青だから防御の魔法なの!? 形はイシュトと違かったよね!? 丸と四角の違いって何!?」


 自分の手から異能を出せたことがよほど嬉しいのか......

 こんな質問攻めをしてくる。どんだけ嬉しいんだたかが魔法1つで。これだから子供ガキってやつは。


「待て待て。全部教えてやるよ。レアルが合格したらな。それと、クーフもこのテストは合格だが......

 クーフもイシュトも、後レアルも。魔法を発動できるようになっても、他の人には──特に他の子供たちには言うなよ。この約束を破ったらもう教えないからな」

「うん!」

「わわわ、わかったよ!」

「それよりなんで俺はまだできないんだよぉ!!!」

「安心しろ、レアル。お前が最後に残るのはわかっていた。

 俺の見立てが間違えなければ、お前が一番難しいだろうからな」


 別にでまかせを言ったわけではない。レアルの体格、性格をこの2日間見てきても、一番魔法に対する適正力がないのはわかっている。それがいい意味か悪いかは俺も量りかねないがな。


 さて......今日中に終わるだろうか......


<><><>


 クーフがテストに合格してから約30分が過ぎた。

 しかしまだレアルがイメージできる様子はない。1人で愚痴をこぼしながらも黙々と集中している。

 最初はすぐに投げ出すと思ったけど。意外にいけるもんだな。


「くそ......なんで俺だけこんなにっ」


 まぁ、こんなこと言ってやさぐれいる状態だけどな。


「この状態じゃしばらく合格はできないかもな〜」


 ......なんて思ってたら呟いちまった。


「なんでだよおっさん! なんで俺だけこんな遅いんだよ!」

「さっきも言ったろうが。お前が一番難しいんだよ。だからそんな焦るな。

 きっとお前はこれが終わったらはしゃぎ回るぞ」

「うぅ......わぁったよ......」


 しかし、4人の希望虚しく、それからおよそ30分経っても、レアルの手に魔法のイメージが浮かぶことはなかった。


<><><>


「「「......」」」


 俺たち3人は沈黙を貫いている。

 レアルを集中させるためでもあるが、それと同時にプレッシャーにどれぐらい強いかも試している。これは他の2人には内緒だが。


「うぅっ......」


 集中力はだいぶ増している。さっきからこちらをチラッチラッと見てきてはいるが、一言も発していない。

 ──しかし涙目である。プレッシャー云々はダメだな。これから実践させるときにどうなるか楽しみにはなってくるが。前も言ったように、実践があるかは知らんが。


 すると彼はとにに集中していた手を止め、おもむろにこちらを振り向く。


「あぁっ! 無理だ!!! 一旦休憩!!!」

「ダーメだ。無理じゃない。できるまでやれ。日が暮れるまでには終わるさ」

「えぇ〜、まじかよ!?」

「今諦めたらこれからなんもできなくなるぞ? それでもいいなら立ち去れ」

「......やるよ! やりゃいいんだろ! くそっ!」


 フハハハハ、いい度胸ではないか。涙目だが。お前らが諦めを口にするほど魔法は甘いもんじゃねぇんだよ。全人類の夢だろうからな。生まれた以上のロマンはこいつらも持ち合わせているだろう。

 さぁて、本当に日没までに間に合うかな〜。

 そんなことを考えて1人口笛を吹く俺だった。


<><><>


 時の流れとは無情なもので、気がつけば日没である。魔界とは違う青い空も真っ赤に染まり、太陽とは違う黄色い星が顔を出している。

 レアルはだいぶ集中して取り組んでいるが、そのうち、泣き出しそうだな。


「ねぇおじちゃん? レアルは本当に合格できる?」

「......できるよね?」


 ......なんてこいつらも心配はしてくれているが、本当にレアルがその期待に応えられるかは、こいつ次第だなぁ。

 はぁ、全く、お前らが心配することじゃねぇだろ。レアルぅ! 早く終わらせてやってくれぇ!


 ......あぁ、目をつぶってる。精神統一の基本だな。だいぶ成長しているじゃないか。


「大丈夫だよ。あいつはきっとできるよ。多分。そのうち」


 て言ったそばから手のひらにポッて赤い武器の形をしたものが浮かび上がったりするんだろうな......ん?


「おい......レアル......」


 目を閉じているレアルの手の上には既に、赤い、武器の形をした魔法の『イメージ』が浮かび上がっていた。


「ん? うわっ!」


 本人もわかっていなかったか。瞑目が精神統一に最効だというのをその身で示してくれたなお前は......


「よくやったな、レアル。お前は攻撃のイメージだ。さらに言うんだったら、その武器の形。

 そうだ。今のうちに教えておくか。

 イメージしたときに浮かび上がる形は6種類。イシュトのような球体、クーフのような四角形。そのほかに三角形と、ダイアモンド型。スライム型と、そして、レアルのような武器の形だ」

「それで? なんのことなの?」

「そう焦るな。まずイシュト」

「は、はい!」

「お前は回復の球体。球体は『仲間優先』の精神スピリッツを司る。基本的に回復魔法をイメージしたやつは球体になるものが多い。お前もその一人だ」

「う、うん。普通なんだよね?」

「あぁ。いたって普通だな」


 少し酷い言い方かもしれないが、それでも安堵するような表情を浮かべるイシュト。こいつはちょっと何考えてるか把握できないな......


「次にクーフ」

「はーい!」

「元気がいいのはいいが、お前は防御の四角形。お前もイシュトと一緒で基本的には通常だな。説明すると、防御を表す青色をイメージしたやつは四角形が出やすい。四角形が司る精神スピリッツは、『体力優先』だ」

「ちぇー、普通かー」


 そうだよな。そういう反応がまぁ普通だよな。普通の普通だったな。クーフは。


「そしてラスト、レアル」

「お、おう!」

「お前は『異常スペシャル』だよ」

「あぁん!?」

「あぁ、いい意味でだぞ。赤色は攻撃魔法のイメージ。となると普通なら攻撃優先を司る三角形が出るはずだ。しかしお前に浮かび上がったのは剣。武器のイメージだ。これが表すのは、『必勝』

 どうやらお前は勝つために生まれてきてんだよ」

「おぉ! なんだそれ! 強そう!」

「あぁ、お前だけじゃない。イシュトだって、クーフだって、鍛え方しだいでは強くなるよ。

 さて、この前に治癒を教えてやると言ったが。前言撤回だ。

 個人メニューにしてやるよ。どこまで強くなるか想像してくるんだな」


 そんなことを言って、日が暮れる今日だった。

頭が痛かったです。インフルじゃなくてよかった。

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