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プロローグ


 未だ発見されていない大陸。攻略されていない迷宮。

 かわいい女の子との出会い。時に街が怪物(モンスター)に襲われて。

 そこを救う僕がいて。一緒に旅する仲間もできる。 

 仲間と汲むうまい酒。血のたぎる熱い戦い。

 鋼が交わる協奏曲。罪人から人々を救う。

世界に冒険に夢を見てしまうのは仕方がないのではないのか。

 総括。

「こんな世界なんて糞喰らえだあああああああ!!」

冒険者になってから早五年。

「何がかわいい女の子との出会いだ。何が仲間だ」

 何を隠そう僕はこの五年間仲間(パーティー)勧誘(スカウト)しても見事にふられる単独冒険者(ボッチプレイヤー)

 五年間単独でプレイしてるうちに僕は確実に強くはなった。ギルドに公開されているレベルに応じた基本ステイタスは優に突破しかなりの貴重スキルもあった。

「けども…」

 二ついや三つほどびっくりスキルがある。

【憤怒】

 自身が敵と判断したとき全ステータスの強制昇華:消費魔力無

【傲慢】

 全てのバッドステータス及び魔法、スキルの無効化:消費魔力無

【韋駄天】

 速度の超補正。

「こいつをギルドに公開するのもなぁ」

 このスキルが発動したきっかけは覚えている。【憤怒】は僕がボッチの鬱憤を晴らすためモンスターに挑み負けては勝ちを幾度となく繰り返したためにできたスキル。【傲慢】はこの五年間一日も休まずにボッチで挑み続けたが故のスキル。【韋駄天】は負けた時生き延びるため幾度となく逃げては逃げる。このときについたスキル。

 この三つのびっくりスキルは僕の恥や孤独から作られたスキルでしかない。

「こんなのギルドに公開したら死んでしまう!」

 公開したときのイメージが脳内映像に映し出され僕は羞恥のあまり死にかけていた。

「さて、僕がボッチで皮肉屋の童貞糞冒険者だということは認めよう。認めたはいいが何この状況…何で僕はこんなにも雑魚ABみたいな奴らに捕まってんの?」

周りには僕と同じように捕まった人たちが皆縄に縛られている。

異様な違和感が僕に何かを伝えてくる。その何かを考えている時荷馬車は石を踏んだのかかなり大きくぐらつく。目の間にいた少女が僕のほうに倒れてくる。

「あ、思い出した」

 一緒に積まれていたのは半年くらい前に宿を提供してくれた村の人たち。

「皆さーん注目してくださーい」

 僕の声に捕まった人たちがざわつく。

「あの…どうしたんですか?」

 一人の年寄りが代表として質問する。

「この荷馬車から皆さん出たいと思いませんか?」

 僕の問いかけに周りが静かになった。

「あれ?思ってたのとリアクションが」

「どうやってですか?」

 再び年寄りが問う。

「魔法が使えなかったんだろう」

「それが分かってるならなぜそんなことを」

「なら制御できないほどの魔力を使えばいい」

「そんなことできたら既に私たちも試している!」

 年寄りの怒声に賛同するように周りもヤジを飛ばす。

「だからこうするんだよ!」

 背中に書かれた古代文字がひかりシャツを透かす。同時に周りにあった結界札が制御不可になった魔力の影響でチリとなり風に舞う。

「魔力解放終了」

 高密度の魔力の影響で周りの村人は完全に気絶している。

「それじゃ皆さんあとは逃げるなり何するなり好きにしてねー」

 一宿一飯の恩義はここまでと笑いながら僕は冒険者の集まる始まりの街〈ローグ〉へと歩き始めた。


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