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山田太郎の嘆き  作者: 無一文
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小ネタだとか その1

 今日は部活のない日なのだが、部室に忘れ物をしていたので取りに行った。

 部室の扉は、鍵がかかっておらず、中に入ると、山田が窓から外を眺めながら立っていた。


「あれ? 山田なにしてんの?」

「ああ、芥川か。ちょっと顧問に渡すためのレポートを作っていたんだ」


 振り返りもせずに言う。

 一応、部活なので顧問の先生もいて、山田が毎月部活のレポートを適当に偽造しては渡しているらしい。

 案外真面目な奴である。


「芥川はどうした?」

「ちょっと忘れ物取りに来ただけよ」


 部室には個人用のカギ付きロッカーや、冷蔵庫などが完備されており中々に使い勝手が良い。

 正直、この部活に入ってよかったと素直に言える点だ。

 宿題をやるためのノートをロッカーから取り出していると、山田が話しかけてきた。


「なあ芥川、超能力ってどんなのがあると思う?」

「んー? スプーン曲げとか、テレポートとか?」

「まあ、他には炎を操るなんてのもあるよな」

「あるわねえ」

「魔法で炎を操るのとどう違うんだ?」

「魔法は魔力を使ってるから魔法なんじゃない?」

「超能力だと精神力を使ってとかになるのかな?」

「んー、知り合いに超能力者がいないから良く分からないわね」

「ああ、一般人の俺からすると炎を操る人を見ても魔法か超能力かは分からないんだ」

「サイボーグでも、そんな力持ってそうじゃない?」

「確かにそうだなあ。カテゴリー分けって難しいよなあ」

「バトル漫画だと、気を炎に変えてみたりしてるわよね」

「そういう線もあるのか」

「まあ、魔法あたりなら私か有栖に聞けば分かるわよ」

「そうか。じゃあ聞こう。あそこに飛んでるの何だと思う?」


 山田が窓の外を指差す。

 私も窓から外を眺めて見ると―


 メイド服を着たマッチョなお爺さんがお尻から炎を出して空を飛んでいた。


「変態じゃない?」

「だよなあ」


 お爺ちゃんは、その後もしばらく飛んでいたが、山田の投げた野球ボールが見事にヒットして、そのまま何処かに逃げて行った。

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