43話
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目の前に、見上げるような身長の美女が居た。
実態はサディスト腹黒サイコパス野郎だが。世の中無情である。
「何故その身長で女装しようと思うんですかアンタ! 居ねぇよそんな糞でかい女!」
「え、僕は見た事あるよ」
「居るの!!?」
「後、身長は割とどうにでもなるのさ」
軽く空気椅子をすると、良い感じの身長になった。
貴族のような豪奢な服を着ているので中が分からないのである。
御淑やかに笑う姿は、案外控えめで男心をくすぐる。
そりゃ男心分かるよね男なんだから!
「あまりにも手慣れ過ぎてて怖いんですけど! アンタ何やってんの!?」
「なぁに、年の功だよ。こんな工夫の要らない少年が羨ましいぐらいだ」
「羨ましがる時点でおかしいと思うんですけどー!」
もはやどこに向かっているのやら。巻き込まれているリヴィが哀れになって来る。
尚、僕は寧ろ優越感を感じている。
「と、いうかラインハルトさん、どこ行くんすか?」
「うん? 軽く金持ちの社交場にね」
「そこに行ける事も女装して行く事もおかしい気がするんですが!」
「皆殺しにしても大丈夫なぐらい真っ黒な場所だから何もおかしくはないぞ?」
「いや余計に何もかもおかしいです!」
こう、殲滅する為に女装して潜入してるとか、そういう……のではないなきっと。だって単独だし。
深く考え無い事にしてそのままスルーする事にした。ギルドの闇は深い。




