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~7.ちょっと前の俺(究極奥義発動中)~

時は少し遡る。

ウィンと別れた後、俺はウィンと歩いた裏路地を走っていた。 

魔技レソナの次は竜の登場…どんだけファンタジーな世界なんだよ!)

あのウィンの様子だとかなり強い相手だ…というか竜なんて強いに決まっている。

俺の世界じゃ竜は伝説上の生き物だ。

鋭い爪は大地をきり裂き、大きな翼で羽ばたけば突風が巻き起こる。

口からは灼熱の炎を吐き、強靭な肉体はあらゆる攻撃を弾く。

そのくせ知能も高く、話によっては神の化身とまで言われるほどである。

「なんでいきなり出てくるんだよ!んなチートクラスの化け物が!」

思わず本音が口から出てしまった。

いくら常人を超える身体能力があっても普通の人間では倒せるわけないだろう。

こっちは魔技レソナも使えないんだから接近戦しか出来ない。

常識で考えれば戦うことさえ正気の沙汰とは思えないだろう。

…しかし、どうやら俺の頭は正気とは無縁らしい。

頭では理解しているのだが、納得はしていない。

先程から考えるのは「どのようにして竜と戦うか」だけである。

とにかく最低限必要なものがある…それを手に入れるためにひたすら走った。

そしてようやく広い道へと出てきた。

ここは少し前までウィンと歩いていたメインストリートである。

どうやら住民は避難したのか人がほとんどいなくなっていた。

(たしかここら辺にあったはずだ) 

その中で俺は目当ての店を探して周囲を駆け回りなんとか空いている店を見つけた。

そこは武器屋である。

俺はなんとか避難途中の主人をとっ捕まえた。

「お願いします。武器をください!」

「お客さん。いきなり捕まえてなに言ってるんだ!早く逃げなよ。」

「どうしても今必要なんです。」

「んなもん知るか!」

主人はこちらの話は無視して店のシャッターを閉めようとしていた。

(駄目か?…いや、こうなったらあれしかない!)

俺は最後の切り札を出すことにした。

「お願いします!」

「あのねぇ…っていきなりなんだ?」

こちらの話を慌てて避難しようとする主人は俺の姿を見て止まった。

日本人の最終奥義、「土下座」

謝罪や懇願をする際の最上級の誠意。

これをされた者のほとんどは最終的にその話を飲まざるをえなくなる。

唯一俺が使うことが出来る究極奥義である。

果たしてこの世界に通用するのだろうか?

「お願いします!」

「そんなやられても困るんだよ!」

「お願いします!」

「だから、んなことしてる場合じゃないだろ!」

「お願いします!」

「う、わ、わかったよ。」

こうかは、ばつぐんだ!

俺の頭の中に何故かそのフレーズが思い浮かんだ。

「お客さん、何で今必要なんだ?」

「それはウィンを助けに行くためです。」

「ウィン?…!ってもしかしてウィンヒール姫のことか?」

「そうです。たしか名前は…ウィンヒール・アロウントだったと思います。」

「なっ!おめぇそりゃうちら人族の最高位、アロウント家のお姫様だよ!」

「マジで!」

主人の言葉を聞いて思わず素の声を出してしまった。

しかし…よく考えれば分からなくもなかった。

たしかに高貴な衣装を身に纏っていたし、神聖な場所へも入れた。

頭もよく、瞳には強い意志を感じた…身分が高いのは当然だ。

(…まあ寂しがりやだし結構子供っぽいけどな)

泣いていたのを思い出すと少し笑ってしまった。

「んで、姫様は今どこに?」

「あいつ、あの竜のところへ飛び込んでいったんです。」

「な、なんだって!」

主人はとんでもない大声を出して驚いていた。

「だから俺が助けに行かなくちゃいけないんです。なんとか力を貸してください!」

「…嘘をついてる瞳じゃねぇな。わかった!これを持っていけ!」

すると主人は一本の剣を俺に渡した。

刀身は約一メートルほどの長さで直刀両刃であるが剣本体の太さはあまりない。

どこか日本刀を彷彿とさせる造りである…これなら申し分ない。

「俺のとこにある最高の剣だ。斬れ味は俺が保障する。」

「ありがとうございます!お礼は後で…」

「んなもんいらねぇよ!…だから姫様の元気な顔をもう一度見させてくれよ!」

「必ず約束します!」

そういって俺は一礼をして店を後にしようとしたが「まて」と呼び止められた。

「そっちよりもこの路地を抜けたほうが門まで近道だ。」

「ありがとうございます!」

こうして俺は刀を腰にこしらえ、ウィンの元へと足を速めた。

いつも読んでいただきありがとうございます。

皆様のおかげで目標にしていた300ユニークを達成することができました!!

まさか連載の途中で達成するとは思ってなく正直まだ疑っていますw

ですが評価してくださった方やお気に入りに登録してくださった方をみるとすごく嬉しいですm(。≧Д≦。)m

これからも皆様に少しでも楽しんで頂けるように精一杯頑張って執筆します。

これからもよろしくお願いします。

…って書くとなんか終わりみたいな感じですが

まだまだ物語は始まったばかりです!しばらくは続きますのでお付き合いくださいね(*・∀・*)ノ


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