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~13.死闘(おまけで二回戦もあるよ!)~

4/30 1:00追記

もうしわけございません。

今のままだと間に合いそうにありませんので更新を

5/1 21:00に変更します。

再びの延期、本当に本当に申し訳ございません。

5/1 19:00

引っ越しによりPCのHDDが死にました( ;∀;)

書いていたものはおろか全ての文章が、構成も全ていきたえました…PCを修理に出すのでいきかえってほしいです。

幸いにもこのサイトに投稿していたのでその分は回収できましたので続きは書けるのですが、何日かかかると思います。

追って予告このまま前書きおよび活動報告に載せますのでよろしくお願いいたします。

5/8 0:00

なんとか直りました!!

以前のも復活したので執筆再開します。5/10 21:00投稿予定です。


宣言してすぐに背後から気配を感じた。

嫌な予感がして、すぐに腹部を蹴り上げて上空へと飛び上がる。

予想通り俺のいた場所を火球が通り抜けた……え、背後から火球?

「仲間がいるのかよ?」

予想もしない方向からの攻撃に俺はとっさに後ろを振り返り目をやった。

しかしそこには竜のようなものはおろか誰も何もいない。

…ってことは、まさか…!

「し、しまった!」

気づいたときには遅かった。

すでに避けられないほどにフィジレスの放った火球は接近していた。

「くっ!」

俺はとっさに身体を前に剣を出すことでなんとか防御することは出来た。

しかし、その動きを読んでいたフィジレスは俺を目掛けて腕を振り下ろした。

その攻撃をもろに受け、俺の身体は地面へと叩きつけられた。

「ぐはっ!」

俺の身体には激痛が駆け巡り、耐えきれずに苦痛の声が漏れた。

だが、状況は俺に休憩を与えてくれない。

フィジレスはそのまま勢いよく降りてくる。

こんなチャンスはめったにない。そのまま一気に俺を押し潰して終止符を打つつもりだ。

「ぐっ…まだだ、まだ終わらんよ!」

俺は身体に鞭を打ち、無理やり起こすとそのまま後方へと飛び退いた。

間一髪のところで攻撃は避けられた。

運よく着地したところは舗装されていなく、周囲には大量の砂が煙のように舞った。

それが煙幕の役割を果たし、フィジレスは俺の姿を見失った。

「はぁ…はぁ…」

俺は一旦、崩れた建物の背後へと身を隠した。

「…あっちもなりふり構っていられなくなったか。」

どうやらフィジレスは俺達の言葉が分かるらしい。

そしてその意味を理解したから、もうわざわざ口から吐く振りを止めたのだ。

それが俺にとって大きなフェイントとなってしまい、一撃を喰らうことになってしまった。

どこからでも火球が発動できるとなると…かなり厳しくなるな。

「身体は…なんとか動くか…?」

俺は今のうちに自分の状態を確認することにした。

まずは全身打撲…特に背中はかなり痛い。

つぎに両腕に軽度の火傷…焼けるような痛みでヒリヒリする。

最後に右肩…は元々か。それでもさきいよりは確実に悪化している。

それでも思っていた以上に軽症だった(まあ全身打撲って時点で重症に聞こえるが)。

どうやら身体も多少頑丈になっているらしい。

このくらいの痛みなら、昔道場で散々経験してきたくらいだ…まだいけるな。

「…というか攻撃魔法は効くのかよ。」

瞬間移動とか自分にいいやつは効かないのに、攻撃だけは効くとか本当に厳しいな。

わざと喰らうようなことしなくてよかったと心から思った。

なんだか現状がどんどん悪化しているように見える。

いくら戦えるとはいえ、動きのキレはかなり鈍っただろう。

それに全方位からの火球攻撃を防ぐのは骨が折れそうだ。

でも、悪いことばかりじゃない。

会話中の攻撃数の上昇空考えると、ウィンの推測は当たっている。

それに宣言からの相手の攻撃パターンが変化したことから、俺の推測も当たっていると言っていいだろう。

つまり、「フィジレス」を破壊すれば、リムは元に戻る!

「休憩終了。…さてやるか!」

俺は重くなった身体を起こして再びフィジレスの元へ向かった。

フィジレスに近づくと相手はその場で激しく翼を羽ばたかせていた。

どうやら翼から出る風で砂埃をかき散らしているようだ。

俺は堂々と歩きながらフィジレスを睨みつける。

すると俺を見つけたらしく、地面へ着地しながら俺目掛けて火球を吐いた。

それを冷静に剣で散らすと爆風で周りの砂埃が一気に吹き飛んだ。

その後に見た光景に俺は驚愕した。

砂埃が無くなった俺の周囲は、すでに全方位が火球で埋め尽くされていたのだ。

どうやら罠だったらしい。

グオオォォォ!

まるで勝利を宣言するかのように大きく天へ咆哮すると、全ての火球が一斉に俺を目掛けて飛んできた。

俺は剣を短く持ち、身体の前に突き出すような構えをとった。

「蒼月流、剣舞『吹雪ふぶき』」

吹き荒れる吹雪の如き量の斬撃を繰り出す。

また、剣をひじと手首のみを基点として斬りつけることで一撃の速度を上昇させる。

その斬撃はまさに変幻自在…不規則な雪の動きを彷彿とさせる。

俺はほんの数秒でその場にある全ての火球を斬りつけると、爆発音とともにフィジレスに一気に接近した。

そしてそのままフィジレスの身体目掛けて『吹雪ふぶき』を放つ。

俺はこれを狙っていた。

吹雪ふぶき』は一撃の威力が低いが、一斉に複数の場所を攻撃できる高速の連撃だ。

おそらくこの攻撃で斬っている感覚でフィジレス本体がどこにあるか分かると踏んだ。

しかし……そんなこと必要なかったようだ。

あろうことかこの斬撃を繰り出している間、フィジレスはずっと両手で中央にある黄金色の角を隠していた。

「ちょ、バレバレじゃねぇか!」

いやいやいやいや!さすがにそれは露骨すぎだろ。

あまりに色が違うからまさかなぁって思ったけど。

もしかしてフリか?…まさかここにきてここを狙えってフリなのか?

まるで、熱湯の前に立って「絶対押すなよ?」と叫んでる芸人見たいじゃねぇか!

もしかして罠なのかもしれない。

そう考えた俺は一旦、『吹雪ふぶき』を辞め、後方へと飛び、助走をつけて『疾風はやて』を放った。

高速の一撃はフィジレスは防御が間に合わず、中央にある黄金色の角を捉えた。

キィンという金属音が鳴り響き、俺の剣は弾かれてしまった。

「いってぇ~…」

想像以上にその部分は硬かった。

速度を乗せた一撃も見事に弾かれ、身体ごと跳ね返された。

俺の手はその反動で痺れていた。

痺れた手を振りながらフィジレスの方を見ると、頭を抱えながら地面に倒れごろごろと転がっていた。

…駄々っ子かこいつは。

「というか本当にそこなのかよ!」

情けない姿はともかく、やはりあそこが本体らしい。

まさか王道を突き進むとは…あいつバカか?

ともかく本体は見つかった。

しかしこのままではあの強固なフィジレスを破壊できそうにない。

疾風はやて』が弾かれたことから『吹雪ふぶき』も無理だろう。

…いや、片手ならどんな剣舞でも無理だろう。

他にも破壊する方法はあるにはあるのだが…ここには左手に持つ剣一本しかない。

そのほかに材料になるものがない。

それに体がかなり痛み出している…この状況じゃ蒼月流が打てなくなるのも時間の問題だ。

その状況で早急に破壊できる方法はただひとつ。

(いけるのか…?)

無意識に右肩を見つめていた。

今の状態ならあと一度だけなら全力で剣を振れると思う。

しかし、もしそれを外したら次は振れるかどうかわからない。

少なくとも事態は悪化するだろう。最悪はそのまま死ぬことになるだろう。

「黙ってたって負けるんだ。だったらやるしかないだろ。逃げんな自分!」

俺は自分自身に喝をいれた。

そう、もう逃げないって決めたんだ。

ウィンには悲しませることはしないって言ったんだ。

ルヴィアには護ってやるって言ったんだ。

リムには助けるのを手伝うって言ったんだ。

「女性の約束護れないって男として情けないよな…なら一発勝負してみますか!」

俺は腹を決めると剣を両手で握り、正眼に構えた。

対峙するフィジレスは、とてつもなく巨大な火球を両手に持っていた。

よほどさっきのが逆鱗に触れたのか。目が血走っているように見える。

「なんか熱い展開だな。」

まるで映画のクライマックスシーンのようだ。

なんかこの状況になると不思議とワクワクしてきたぞ…男の子だから仕方ないよな。

両者の間に緊張が走る。

お互いがお互いを牽制し合って、動くことができない。

一秒が数分に思えるほどに時の流れが遅く感じる。

沈黙の中、二人の間にある不安定な建物から不意に一つの窓が崩れ落ちた。

それは重力に逆らわず、加速をしながら自然落下を始め地面へと誘われる。

そして地面へと着地すると同時に、窓が割れる音が空間に甲高く響いた。


――それが決戦の合図だった。


まず先に動いたのは俺だった。

剣を横にして駆け上がると、身体能力の上がった脚力で一気に距離を縮める。

対するフィジレスは左手で特大の火球を押さえ、右手握りしめ構えた。

一定の距離まで来ると、俺は本体目掛けて飛翔する。

痛みが残る右肩を上空へと振り上げ、上段の構えをとる。

それを目視したフィジレスは、火球を思いっきり右手で殴り俺目掛けて飛ばした。

拳撃を受けた火球は一瞬にして加速度を上げ、凄まじい速さで接近してくる。

しかし火球が近づいてきても、限界まで両手の力を溜め続けた。

そして着弾する刹那、俺は静かにも熱がこもった声で告げる。

「終いだ。」

極限まで溜めていた力を解放し、火球へと刃を交える。

この特大の火球はいままで斬り伏せた火球の何十倍もの重みを感じる。

これが「フィジレス」の全力だろう…威力、熱量ともに申し分ない。

もしこれが直撃したら命はおろか存在すらまったく残らないだろう。

…それは直撃すればの話だ。

「うおおぉぉぉ!」

俺はその火球を剣で受け止めた。

周りからほとばしる火の粉が熱い。

熱量も高く、それだけでも火傷しそうだ。

だが徐々に剣撃に勢いを止められ始めていく。

それに気づいたフィジレスは両手を広げ、源炉フィジを集めてさらに火球を強化する。

しかし、それでも剣撃の勢いは止まらなかった。

とうとう勢いは止まり、一気にフィジレス目掛けて戻っていく。

…そのまま、黄金色の角もろとも剣で捉えられる。

「蒼月流、剣舞『雷光らいこう』」

天空を轟く雷の一筋の光の如く、閃光のような強烈な一撃を放った。

その一撃を浴び、火球もろとも黄金色の角…フィジレスは粉々に砕け散った。


フィジレスが破壊された瞬間、フィジレスの操っていた冥竜から光が生まれ、やがて冥竜全体が光に包まれた。

そのまばゆい光に思わず手をかざした。

やがて光はだんだんと縮小し、人間の形ほどの大きさになると光は収束した。

近づいてみるとそこにはうずくまっている一人の少女がいた。

どうやら意識が戻っていないようで愛らしい寝顔を晒している。

「なんとかリムを助けられたな。」

俺は横に座り、その少女の頭を優しく撫でた。

…ちょっとまて、何も着てないじゃん!

よく見るとリムは生まれたままの姿になっていた。

さすがに見ちゃいけないと思い、慌てて目をそらした。

するとその先でピンクの髪の美少女と、金色の髪の美人がこちらに走ってきた。

「トウヤ!大丈…ぶ…!」

「燈矢様。ご無事です…か…!」

「ああ。俺は無事だ!…って二人ともどうした?」

二人の顔は心配そうな顔から徐々に恐ろしい顔に変わっていく。

なんだか殺気を感じているんですか…一体どうしたんだ?

「…ねぇトウヤ。どういうことか説明してくれる…よね?」

ウィンは震えながらおもむろに指を差した。

「なんのことだ………あっ。」

その先を目線で追って気づいた。

ウィンが差しているのはリムだ。それも裸のままの。

……この状況、なんか…もう…その、やばくないか?やばいよね?やばすぎだよね?

「あ、いや、こ、これは…」

俺もだいぶ混乱している。

思わず浮気がばれた人みたいな言葉になってしまった。

「なによこの子!一体誰なの?どうして裸なのよ!」

「ま、まあウィン。落ち着け。説明するからな!」

「大丈夫ですウィン様。この男は今すぐこの世から消えるのでご安心を!」

「ちょ、ちょっとまてルヴィアさん。話を聞いて弓構えないで魔技レソナ展開しないで~!」

「ん~。うるさいよトゥ~。さっきまで激しかったんだからも少し寝かせてよ~」

なんとリムは起き上がり、爆弾発言をして再び眠りについた!

「「は、激しかった?」」

「リ、リム!おま、なんつう誤解を招く発言をしてんだ!」

「何が誤解かしら?」

「何が誤解なのでしょうか?」

やばい…このままじゃ俺死ぬ。マジで死ぬ!

「違うからな、何も無いからな。…だから二人して武器を構えるのをやめてくれ!」

いや、ほんとマジで怖い。この2人に比べたら冥竜なんか可愛いもんだ。

「大丈夫よ。光線なんて撃たないから。ねっルヴィア。」

「はい大丈夫ですとも。アルテミスなんて撃ちませんよ?」

「全然大丈夫じゃないよね?俺冥竜と戦ってただけだよ。知ってるよね?見てたよね?」

「「信じられないわ(ません)」」

うわぁ~すごいシンクロ…じゃねぇ!

「ちょっと話をきい…あ、あれ?」

この最大のピンチの中、不意に俺の体がぐらりと揺らいだ。どうやら体力の限界みたいだ…。

(ああ本当にやばい。誤解を解かないと…)

頭では分かっているのだが、身体にはもう力が入らない。

俺はそのまま横に倒れた。

薄れゆく意識の中で、一変して心配そうな顔をした二人を見た気がした。

(これなら俺、死なずに済むかもな…)

ほんの少しだけ安心すると、そのまま俺は意識を失った。

いつも読んでいただき誠にありがとうございます。

次回の投稿は5/10の21:00を予定しています。

理由は前書きに書いていますのでご理解をお願いいたします

また、続きをよんでいただけるように頑張って書いていきますのでよろしくお願いします!

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