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「見てごらん、小夜子ちゃん。あの光っているのが全部、お星さまなんだよ」
「おほしさま……?」
「そうだよ。ずーっと遠くの宙に浮かんでいて、ここからだと小さく見えるけれど、本当は一つ一つがすごく大きいんだよ」
「でも、あれ、おほしさまなんかじゃないよ、おじいちゃん」
「ん? どうしてお星さまじゃないんだい?」
「だって、しろとか、あおとか、そんないろばっかりだもん」
「じゃあ小夜子ちゃんは、お星さまはどんな色をしていると思うんだい?」
「きんいろ!」
「金色?」
「うん、そう! だって、おえかきするとき、おほしさまはね、きんいろでかくんだよ!」
「あはは、そっか。お星さまは、金色か!」
「うん、そうだよ!」
私がそう言った時、一すじの風が横ざまに吹き付けて、足元のレジャーシートをぱさぱさと鳴らした。
「寒くないかい、小夜子ちゃん?」
「んん、だいじょうぶ」
鼻をすすりながら、そう答えた。私の強がりをあっさりと見抜いて、優しい手付きでブランケットをかけてくれた祖父の温もりが、あれから十年が経った今も、私をそっと包んでくれているような気がする。
「あれはね、にせもののおほしさまだ!」
「あらら、偽物かい」
「そう!」
「でも、偽物でも、綺麗だろう?」
「うん、きれい! とっても、きれい!」
今もまだ、痛むほど綺麗に輝いている。私の、大切なお星さま――――。




