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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第五章 プレアデス領国
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第97話 拠点の名称



「すみませんでした。

 あれなら、誰も協力しようとは考えませんよね」


「なんか、すごかったと報告だけは受けておりますが……」


「ええ、私はフランの兄だということだけで駆り出されたようなものですから。

 ですが、フランに会えただけでも良かったですよ。

 父にはきちんと報告できます。

 それに、この地で私の連れてきた人たちの受け入れを承諾していただき感謝いたします」


「いえ、御存知の通り、この地ではとにかく人では足りておりませんので、悪意のない方でしたら喜んで受け入れましょう。

 ましてや、此度は貴重な手に職を持つものばかりと聞いておりますし」


「それは良かった。

 ですが、それならもう少し、今度は農民でもよろしいでしょうか」


「ええ、別に私は構いませんが……」


「フランと相談しておきます。

 アイツラとは関わりたくもないでしょうしね」


「私ですらそう思いましたから。

 ですが、少々難しいことも……」


 フランの実家だけ取引をしても良いのだが、そうなるとフランの実家の立場が悪くなるとかで、これからはこちらに来るにも監視がつきそうだと言っていた。

 それに、団長を無視して帰国していった連中は、この後責任逃れのために実兄に此度の件の責任のすべてを押し付けるだろうとも言っているし、しばらくはフランの実家は政治にはかかわらなくなるらしい。


 でも、フランも実兄も気にはしていなさそうだ。

 

「祖国は何もしなければ、数年で取り返せますし、今動くほうがリスクだとか」

 

 実兄はこの地から帰るときにも、同じようなことを言っていた。

 フランも、実兄から情勢などの情報をかなり仕入れて、同じように分析していたから、大丈夫だろう。

 それに、この島ならば現状でも十分に生きていけるし、何より俺には巡視艇の戦力以外にもフェリーの資材供給力のチートがあり、生活だけならばフェリーだけでもできそうだ。


 まあ、自活していくことは大切なので、フェリーの恩恵は最低限のものしか得ることはできていないようにしてはある。

 一度贅沢を覚えると、戻せなくなるしね。

 現に、フランだけでなくダーナの部下たちにも少数ながらそういう者たちがいるので、上手にフェリーの資材を運用してはある。


 かなりの大騒ぎをして、外交団(仮)が帰っていった。

 あの連中が居なくなるだけで、このあたりは相当静かになったが、それでもこの浜では混乱が続いている。

 フランの実兄が連れてきた連中の受け入れだ。

 フランとの話し合いですでに決めていたことだが、フラン絡みの連中はこの浜だけで受け入れることにしている。

 なので、現在は大型テントに難民生活をさせて入るが、昨日から住宅を急ぎ作っていた。

 そこの住宅建設には早速避難してきた人たちも協力してというよりも、自分たちで作っていた。

 俺達がそうさせているのだが、元からいる連中にはその手伝い程度はさせて、交流を図っている。

 もとからいる連中にも仕事がある。

 その合間での手伝いになるが、結構今のところはうまくいっていると報告を受けている。

 俺は、ドワーフの長であるダートンに港と迎賓館のようなものを頼んでいる関係から、その手伝いというか、追加で建機類をフェリーから出して、作業を監督している。


「まずは、迎賓館からかな」


「ああ、そうしてもらうと助かるな。

 フランやダーナの言い分では、割とすぐにでも連中は戻ってくるそうだ。

 それに実兄に預けた捕虜たちのこともある」


「ああ、あの連中か。

 人足ばかりでは使い所がなかったんだよな」


「結構邪魔だったように思ったが」


「ああ、普通ならば人足は重要なものになるが、ここだとブルだっけかああいうものがあるからかえって邪魔になっていたな」


「そういう意味でも、アイツラが居なくなって助かったか」


「それで、アイツラが住んでいた船をどうするね」


「あ、そういえばそういうのがあったな。

 あれを使いたくとも修理がいるしな……どうしたものかな」


「使う……そんな必要があるのか」


「ああ、俺達の方から外に向かって外交するにしても貿易するにしても、俺の巡視艇は使えないだろう。

 結構便利ではあるが、相手にいらない混乱を起こさせるから」


「そういう事か。

 なら、あの船もきちんと航海できるようにまで修理する必要があるな」


「修理をしても、あの帆船を動かせるか少し心配はあるが」


「何、いらぬ心配だ。

 俺達の中から元の船乗りを探せば済むだけだしな」


 ダートンが言うには、彼らは船団を組んで逃げていたのだ。

 そう、船団を操船してだ。

 なので、船長を始め指揮官も十分に経験を積んだ連中がいる上に、船員もベテランばかりなので、今更一隻くらいの帆船の操船位は問題ないそうだ。

 実に心強い。


「修理を含め、ダーナ様に話されてはいかがか」


「ありがとう、ダートン。

 ダーナを探して早速話してみるよ」


 俺はダートンとすぐに別れて、ダーナを探してフェリーを停めてある浜に向かった……え~い、本当に面倒になってきたな。

 いい加減名前を付けないとまずい。

 迎賓館を作っている浜を『一の浜』、フェリーを止めてある俺達の本拠地のような場所を『二の浜』としていけば、これから浜が増えても名前付けには困らないか。

 そのあたりも含め一度みんなを集める必要がありそうだ。


 たまたまフェリーで食事中のダーナを見つけたので、船のことと合わせて各地の名称についても相談してみた。

 船については、以前からフランからの相談があったようで、邪魔な連中が居なくなったこともあり、すぐにでも作業に取り掛かるとか。


 名称については、もう少しどうにかならないかと言われはしたが、とりあえず今夜初期メンバーを集めるので相談することとなった。


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