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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第五章 プレアデス領国
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第96話 商業連合の外交団



 でも、いずれはそういうケースも出てこよう。

 流石に知らない連中をフェリーに乗せることはしないが、フェリー並の環境や料理を提供できる場所はほしい。


 そこら辺の相談もしておくか。

 今日の所俺の仕事はこれと言って無いが、ここを離れるわけにも行かないだろう。


 俺は、外に出て作業中のダートンを探した。

 天使族のための村までの道の整備に出ているとのことだったので、バイクを使い探して回った。

 天使族用に開墾中の場所で、ダートンを見つけることができた。


「ダートン。

 状況はどうだ」


「あ、守殿。

 こちらは、順調といった感じかな。

 それよりも、俺に用があるのか」


「なぜわかった……聞くまでもないか」


「ああ、用もないのにむさ苦しいドワーフを探してここまでくる酔狂な者は居ないよ。

 それで……」


「ああ、昨日フランの兄が訪ねてきたのは知っているか」


「昨日、訪れた船団はフラン殿のご親族だったのか。

 ひょっとしてフラン殿を連れ戻すためとか」


「いやいや。

 目的は、俺の船だ。

 尤もすぐに断ったが」


「守様の船……ああ、フラン殿も祖国を追い出された口だったな。

 取り戻すための協力要請あたりか」


「だいたいそんな感じだ。

 尤もフランもハートポンド商業連合国に未練など無いらしく、俺が断る以前にここの独立を実兄に向けて宣言していたが」


「それで、俺の相談というのは……」


「ああ、そのことなんだが、実兄相手であっても他勢力との外交の場と成っているが、外交するのにも場所に困るんだ。

 今回は、フランの実兄ということで掘っ立て小屋での会談で許してもらったが、宴会一つ開くのにも浜でするわけに行かないだろう」


「結構、浜で焚き火を前の宴会は、俺は好きだぞ」


「俺も好きだが、外交という場面ではまずいだろう。

 俺も詳しくは知らないが、流石に昨日はまいった」


「ああ、そうだろうな。

 あっちの整備は、向こうの人間に任せきりだったはずだから、自分らの住む家が優先しているだろう。

 それも大して進んでいないのでは」


「よく分かるな」


「ああ、建機類っていうんだっけか、ブルドーザなどは一切使わせていないしな。

 それで、俺は何をすれば良いのだ」


「ああ、こちらに停泊させているフェリーはあまり他の連中には見せたくないから、外交などは向こうの浜でさせたいんだ。

 なので、向こうの浜の港の整備かな。

 大型船が接岸できる桟橋と、その桟橋から作ってもらう道に、迎賓館といえば良いのか外交使節を招く館、桟橋を降りてから迎賓館までの体裁を整えて置きたい」


「ほ~、それは大事だな。

 だが、俺達にはまだまだやることが多くあるが、優先順位をどう考える」


「こちらの方を急いでほしくはある。

 今作業している天使族の村だが、こっちも後回しにはしたくないから、同時並行で作業してもらうつもりだ。

 だが、ダートンたちは向こうを優先してくれ。

 こっちは、他の手隙の人にやらせてくれ。

 道の整備はだいぶ進んだようだが、こっちはとりあえずこのままでいいから、向こうの浜の方が先かな。

 どちらにしても天使族は、住める家は無いわけでもないので時間的にはこっちのほうが余裕はあると考えるが」


「それもそうか。

 向こうの浜の連中の家などはどうするね」


「それは向こうの連中に任せるさ。

 今回の船団にかなりの技術者たちがこっちに避難してきたらしいから、手はあるはずだ」


「なら俺は、向こうの浜では館の建築と桟橋くらいか」


「ああ、そうだな。

 どちらにしてもフランやダーナに向こうの件は任せることになるから、一度集まって相談してからになるが」


「ああ、わかった。

 ならそのときに俺を呼んでくれれば良いよ」


「悪いな、助かる」


 俺は、懸案だった外交のできる場所の整備についてダートンから言質をとった。

 少し先走った感はあるが、フランとダーナと相談はしておかないとな。

 今日は、こっちに戻れるのかな。

 後で伝令を出して聞いてみよう。


 俺がフェリーに戻ると、早速商業連合との外交の結果が知らされてきた。


「守様。

 向こうとの話し合いはすぐに終わったようですが……」


 結果を知らせてきたケリーの歯切れが悪い。

 俺は詳しく聞くと、どうも相手と喧嘩別れのように成ったらしい。

 『フランは商業連合の指導者の娘であるのに、なぜ我々に非協力的なのか』とかなり血相を変えて怒鳴り込んできた人が居たとか。

 これもかなり表現を選んで俺に報告してきたようで、後々聞くと今回の船団の団長以外の有力者の殆んど全てが、協力するのが当たり前という態度だったとか。


 この表現も後に判明したことだが、今回団長がここにつれてきた連中の頭の具合を心配するレベルだったようで、この船の命令権をよこすのが当たり前だという前提で外交に望んでいたとか。

 そもそも、話し合いの前にダーナからここの独立を宣言されていたはずなのに、外交にすら成っていない。

 アイツラ本当に商人の出なのかすら怪しく思われるやり取りが続き、ほとんど相手をしていなかったとか。

 先の代表団は、話し合いが終わるとすぐに団長すら無視してこの場を一隻の船で去っていった。


 もともと、一隻の船が正規の外交使節だったようで、残りの二隻がフランの家が用意した難民を乗せた船のようだ。

 それにしても、外交使節を作り、団長を擁して外交に来たというのに、その団長を無視して帰っているとは、あり得ない。

 

 この世界では、そのあたりの規範と言うか常識はルーズなのかと思ったが、先のフランの実兄も呆れていて、言い訳をしてきた。




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