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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第五章 プレアデス領国
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第88話 話し合いのメンバー選定



 なんだかんだと時間を潰していたら、あっという間に時間は過ぎていき、全員が集まったようだ。

 いきなり集めたのにもかかわらず前に集まってもらったメンバーが一人も欠けることなく集まった。


 そういえばこういう集まりは、ダーナたちを助けてからは一回もしていなかったな。

 助けてここに連れてきた時に一度だけ集まってもらった記憶しかない。

 そろそろここに集う種族だけでもかなりの数になるが、トータルでの人数も増えてきているので、そういう意味でも色々と考える必要がありそうだ。


 集まった全員が落ち着くのを待って、俺は最初に天使族の紹介を始めた。

 といっても、『天使族だぞ~』って感じで後はフランにお任せ状態での紹介から会議は始まる。

 

 そもそもここに集った連中では、あの『プレアデスの姫』伝説を共有しており、若干種族ごとに伝わる伝説の差異の確認をするだけで、この後の方針などは話し合う必要もないくらいだった。


 そう、姫たちを集めて建国するというあの話だ。

 だが、先にも触れたが、そろそろきちんと政治というものも考えないと不味くなってきている。

 流石に建国というのもとは思うが、そうも言っていられない。


 これは、フランたちも同じ気持ちのようだった。

 なので、会議の席では再三言わたり俺に建国の宣言をとせがんでくるが、宣言すれば全てが片付くということでもないだろうに。

 俺にどうしろと……建国の宣言をしろというのは無しで。


 それに、現状ここでの運用はほとんどダーナ任せになっており、ダーナの治めていた国の決まり事などをそのまま踏襲している恰好なのだが、今までは構成する人数的にはそれでも良かったが、そろそろそれも通じない。


 なにせ、ここの主導権を握る女性たち、特にフランの出身国とダーナの国とは色々と政治的には違いが大きすぎるし、ここで天使族も合流させるとそろそろまずい。

  なので、きちんと話し合おうということになり、まず話し合いに参加するメンバーの選定から始まった。


「建国するかはひとまず置いておくとして、そろそろここに集う人数も増えてきたので、きちんとこの地でのルールを決めていきたいと思うのだが」


「守様、建国することを置いて置かれるのはいかがかとは思いますが、概ね守様のご意見は尤もだと思います」


「フラン様、ですが……」


「ああ、まだここで不埒を働く者は出ていないが、このまま人数が増えれば自ずと出ようというものだ。

 その際の決まり事を作るのは賛成だ。

 サーシャ様はいかがお考えで」


「私は、今までもダーナたちに政を任せていたし、此度のことも基本的には口出しはするつもりはない。

 ですが、守様のおそばを離れるつもりはないぞ」


「サーシャ殿、それにフラン殿。

 私達天使族は、まだよくこの地でのことを理解しておりませんが、私どもからも伝説の通りプレアデスの姫を出してまいりますので、そのことはお許しくだされ」


「天使族の長殿か。

 して、姫というのがお隣の……」


「はい、天使族のアリエルと申します。

 私も、プレアデスの伝説で謂われるところの選ばれた者として責任を全うしたく……」

 

 天使族の長の隣りにいた可愛らしい女性がそう名乗りを上げた後、俺の方を一瞬だけ見やり顔を赤らめた。

 

 え? え? どういうこと。

 また、俺の嫁が増えると……嫁など娶った覚えはないが、その……男だから仕方がないよね、色々と我慢できずにいたって。


 まあ、そんな事はいいか。

 それよりも目の前に座る可愛らしい女性も俺の嫁となると宣言しているが、その宣言を聞いても場の空気が変わらなかったのは良かった。


 下手をするとここで修羅場を直に体験するかと思った。

 何せ既に手を出していることだし、それも複数の女性とだ。

 もう言い訳など、とっくにできるような状況ではない。


 その……俺の周りに侍る女性については、俺には決定権がすでに無いので、上手にまとめてという気持ちを込めてフランを見る。


 フランは俺の方を振り返り、『わかっています』って感じで一度頷いてから、会議を主導していく。


「ええ、存じております。

 私どもに伝わる伝説でも天使族の姫を娶る内容がありましたので」


「それは良かった」

 

 先の女性はフランの回答を聞いて安心したのかホッとした顔をした後にもう一度俺の方を見てきた。

 その仕草が、あまりに可愛らしかったので、俺は思わず笑顔を向けたのだが、それを面白く思わなかったのかサーシャが俺の方を睨んできた。


 俺から修羅場を作ってどうするんだよと、俺は慌てて顔を引き締めてから話を始める。


「嫁の話は、今は置いておいてほしい。

 それよりも、この地での政の真似事でも初めないと、手遅れになりそうだ」


「ええ、そうですね。

 政について守様にお考えがあるのでしたら教えてほしいのですが」


 ダーナが俺に聞いてきた。

 さすがかつて一国を指導してきたダーナだけあって、方針がわからなければ何もできないとばかりに俺に聞いてくる。


「ああ、基本的にはこの地にはたくさんの種族が集うことになりそうだ。

 すでに、獣人だけでなくエルフ族にこの度は天使族まで加わってきている。

 以前フランから聞いたのだが、いくつかの国ではある種族が他の種族を従えているとあったがこの地ではそれを認めない。

 俺から言えることはそれだけだ。

 後は、皆で相談しながら政を初めていきたいのだ」


「守様のお考えは、守様が以前おられた世界の常識からくるものなのですか」


「フラン、俺の基本的な考えの中にはそれがある。

 俺の居た日本という国は、特にそういう意味で差別は無いことになっていた。

 全く無かったかというとそうとも言えないが、それでも建前上では人種による差別はない。

 しかし、この地では俺の世界の常識をそのまま持ち込めるとは思っていない」


「では、どのようにお考えなのでしょうか」


「ああ、ケート。

 俺は、各勢力から代表者を出してもらい、話し合いができる場を作りたい。

 当然、今加わった天使族からもだ」


「私どもの、その政とやらに加えていただけると」


「ああ、本当は種族にかかわらず代表者を数名選び出して話し合いをしていきたいのだが、ここではどうしても種族の隔たりがあるようなので、種族ごとに代表者を選んで、みんなで話し合いをしていこう」


「わかりました。

 では、人族からは私とケートがそれに加わりますので、他の種族からも人を選んで決めていきましょうか」


「フラン殿。

 この場で決めようか」


「ダーナ様。

 一度各所属に持ち帰らずともよろしいので」


「ああ、もともとが、私の国ではそうなっていたから、この場に来ている者たちで事足りる」


「そうなのですか。

 天使族は……」


「ええ、私と姫だけで十分でしょう。

 そもそもそのような席に呼ばれるとは思っても見ませんでしたから。

 フラン殿、よしなに」


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