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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第五章 飛躍のために新たなる挑戦
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第86話 天使族


 先に到着していた者たちが付近を探索している。


 少し前にジャングルも抜けていたこともあり、見通しは悪くない。

 俺等がバイクで到着すると先行組の一人が俺に報告してきた。


「守様。

 このあとどうしますか」


「ああ、流石に今までのように真っ直ぐ進むわけにはいかないよな」


「別に島の探索が目的ですから、ここらで進路を変えてはいかがですか」


 ケリーの運転するバイクの後ろに座っていたフランが俺に言ってきた。


「ああ、そうするしか無いか。

 できれば、一旦反対側までまっすぐに進みたかったが、まあ上空からの偵察である程度は予想はできたけどな」


 俺とフランの会話中にダークエルフたちが集まってきて俺等を守るように囲んできた。

 俺が驚いているとケリーが声を上げる。


「守様、上空にご注意ください」

 

 そう言われて俺は上を警戒すると大きな白い羽根を広げ飛んでいる存在が俺等を旋回するように降りてくる。

 俺がヘリから見たものかも知れない。


 俺達から十分に距離を取ってその者たちは降り立った。

 遠目に見る限り、人間に近い姿をしている。

 空を飛んでいる時にはよくわからなかったが、人種の何かなのだろう。

 もう、ドワーフだのエルフだの獣人だのを見てきた俺には別の種族だろうと気にはしていない。


「守様。

 彼らは天使族のようです」


 サーシャが俺に教えてくれる。


「天使族!」

 

 サーシャの言葉を聞いていたフランが驚いたように声を上げた。

 続けてケリーも驚きながら俺に話しかけてきた。


「天使族は、数十年来少なくとも国の者たちは見ても聞いてもいません。

 一説には族滅したとも言われております」


「ええ、お祖父様の時代まではサーシャ様のように貴重種として扱われておりましたが……」


「貴重種?」


「奴隷ですよ、私達は見た目も良いことから性的な奴隷として襲われておりましたから」


 サーシャが汚い物のはなしでもするように嫌そうな顔をしながら教えてくれた。

 サーシャに続き俺達を守っているダークエルフの一人が話を続ける。


「私達の村が襲われて海に逃げているときに守様に助けられましたが、守様が現れなかったら私達だってそうなっていたことか」


 そういえば今ここには来ていないが、彼女たちを助けたときに彼女たちを率いていたダーナがそんな事を言っていた。


 とにかく数だけが多い人種の中でも特に人類主至上主義を標榜する国が酷いらしい。

 彼らには共存共栄などという概念がなさそうだ。

 そんなことよりも今は眼の前のアイツラだ。

 遠目に見た感じでは俺達のことを警戒はしているようだが、敵意は感じない。

 言葉が通じるかが心配だが、話す必要はありそうだ。

 俺が大声で、話しかけてみた。


「いきなりの訪問で、申し訳ない。

 我々は……」


 俺がそこまで言うと彼らの方から近づきながら話しかけてきた。


「ひょっとして、あなた様は予言にあります使徒様ですか」


「そうです。

 守様は、神様のお使いです」


 俺に断りもなくサーシャが大声で返していた。

 すると相手の二人は、やや急ぎ足気味に近づきながらサーシャに話しかけてきた。


「あなた様は、ハイエルフではございませんか。

 間違えては失礼になりますが、あえて聞かせてください。

 プレアデスの姫君になられておりますか」


 すると今度もサーシャが本当に嬉しそうに答えていた。


「はい、私が守様に最初に選んでいただいたハイエルフのサーシャです」


「なら、なら、私達の姫も使徒様に……」


「私達の姫も予言ではプレアデスの姫に選ばれております。

 使徒様に召されましたら、私達も使徒様の庇護下に置かれますか」


「そのとおりです。

 私達に伝わります予言ですが、あれは神様からの祝福でした。

 何も心配などされずに私達に合流ください」


 今度はフランまでもが勝手に話を進める。

 俺の嫁さんの話だったよな、プレアデスの姫って。

 俺の意思など関係なく、俺の知らない予言とやらに沿ってどんどん既成事実が積み重なっていく。

 すでに、フランは頂いているからあまり強くは言えないが、サーシャについては手を出していない。

 ……あれ、そういえば一度だけおまわりさんの夢を見たような……

 なら……

 うん、気にしたら負けだ。


 そんな事を考えていると、二人いた天使族とか言った相手は俺に対して、一言断ってから、一人だけ後ろに走り出していく。


「今、姫と村の長を呼びにやりました。

 この場にてお待ちいただけますか」


「俺達の方から訪ねてもいいが、村のほうがよそ者を歓迎しないというのならここで待つが」


「いえ、歓迎しないというわけではございません。

 ただ、村があるのはこの崖の上でして、慣れていない方では……ちょっと」


 この場に残った一人が、言い訳のようにそう言ってきた。

 彼らが言うには、素人には自分らの村まで行くのが難しいらしく、この場でしばし待てということらしい。

 だいぶ俺の意訳が入るがそれほど違ってはいないだろう。


 三十分ばかりが過ぎただろうか、先にこの場を離れた者が数人を従えて戻ってきた。

 彼らが村の代表なのだろう。


「大変おまたせして申し訳ありません、使徒様」


「いい加減その使徒様ってどうにかならないかな、サーシャ」


 いい加減使徒呼ばわりは勘弁してほしかった。

 あのカミサマの使徒だということだけ考えても絶対に嫌だ。

 いきなり無茶ばかり言ってくるやつだからな。

 かといって無視もできないので、現状に甘んじてはいるが、せめて俺の呼び方だけでもどうにかしたい。

 うちの連中にはどうにか使徒呼ばわりはなくなってきたが、そのあたりサーシャにお願いして天使族にも改めてもらおう。


「少しお待ち下さい、守様」


「そうですよ、対外的には守様は使徒様なのですから。

 これは伝説が伝わった時点からそうなっておりますので」


 フランまで、俺を説得してくる。

 本来俺が交渉をするべきところなんだろうが、俺に構わずサーシャがフランを従えてどんどん話を進める。

 時間にして15分くらいか、話はまとまったようでフランが俺に何やら言ってきた。


「守様。

 新たな姫と村の長たちを私達の村にご招待しました」


「招待だって……」


「ええ、ですのであの車とか言うやつでしたっけ」


「軽自動車だけどな。

 まあ、そんな事はいいか。

 車に乗せて運べばいいのか」


「はい」


「だが、あれって定員が4人だ。

 荷台に載せられなくもないけど、それだと道交法違反で捕まりそうだな」


「どうなんとかってなんですか?

 それよりも、全員は無理でしょうから、ケリーたちには徒歩で中継地点まで戻らせてそこで待機させますが」


「ああ、そうだな。

 どちらにしても車は中継地点に置いてあるから、ここから全員でそこまで向かうか」


「「「はい」」」


 ケリーたちも俺とフランの会話を聞いていたので、直ぐに返事が返ってきた。


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