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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第五章 飛躍のために新たなる挑戦
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第82話 チェーンソー



 ダーナたちは俺たちの作業監督だけでなく、どうもチェーンソーを使いたそうにも見える。

 とうとう我慢ができなくなったのかサーシャが俺に上目使いでお願いしてきた。


「守様。

 あれらは、私でも使えそうなのですか……」


「うんうん、これは便利そうだな。

 これからの開拓にも使いたいのだが、私が使い方を知らないとまずそうだと思うのだが」


 ダーナまでもがおもちゃのように興味を持ったようだ。

 重機よりも手軽に使えそうで、面白いとでも考えたのだろう。

 しかし、正直チェーンソーは、危ないんだよな。

 あれって、簡単に手足を切ってしまうし、何より今使っているのは防衛隊が使うので、かなり強力なやつで、そうなると当然重量も重くなる。


 ダーナはどうにかとも思わなくもないが、フランやサーシャには無理だ。

 しかし、ダーナだけ許しても二人は納得しないだろうから、俺は一通り順番に経験したことを確認後、次の説明に移る。


「一応、全員試してみたよな」


 すると不満そうに三人が俺のことを見てきた。

 多分、ここに触っていないのが三人いると、その目が訴えている。

 しかし、俺はそれを無視して説明を続ける。


「次の説明に入るから、集まってほしい」


 俺はそう言って、草刈り機の説明に入った。

 これも、危険と言えば危険なのだがチェーンソーほどではない。

 しかし、これなら肩からベルトで本体を支える構造であるので、周りに人さえいなければどうにかなりそうなので、説明後にサーシャから使わせてみた。


 本当にうれしそうにサーシャは草刈り機を使って草を刈っていくが……正直ダメダメだ。

 残した草の丈が高すぎる。

 一度、サーシャから草刈り機を取り上げて追加で説明していく。


「ちょうど良い例ができたので説明するよ」


 せっかく、草刈り初心者にありがちなことが目の前で起こったのでそれを使って追加の説明をしていく。


「地面に歯をぶつけるのを怖がって草の上だけを刈っているから草が刈れていない。

 下の地面がこのような場所では遠慮なく地面にぶつけてくれても大丈夫だ。

 できる限り残す草の丈を短くな」


 俺はそう言ってから、今度はダーナに草刈り機を渡して使わせた。

 ダーナも俺の注意が良かったのか、最初から上手に草刈りができていた。

 順番に草刈り機を使わせた後、二人一組になって、道の整備に取り掛かってもらった。


 俺たちが引き返した場所までの簡単な道の整備だ。

 俺の中では2~3日もあれば片付くかと考えていたのだが、流石文明の利器だ。

 チェーンソーの方はその日だけで目的の場所までの作業を終えている。


 流石に遊ばせているのももったいないと俺が考えていると、草刈りに飽きたダーナが俺の元までやってきて話しかけてきた。


「守様。

 あのチェーンソーとかいう物ですが」


「ああ、ダーナか。

 チェーンソーがどうしたというのだ」


「はい、あれだけのものです。

 遊ばせているのはもったいないかと」


 ダーナは、完全にやることをなくしているチェーンソーを他で使いたがっている。

 今、浜では最初に上陸した場所までの道の整備にブルドーザーを使ってそれこそこの島での一級道路を作っている。

 しかし、ブルドーザーで木を押し倒しての作業でははっきり言って効率が悪い。

 あのチェーンソーでの森の開拓を見たダーナには、チェーンソーは使えると考えたのだろう。


 確かにチェーンソーは森などを切り開くには申し分ない文明の利器だ。

 あれで森を切り割いて行き、ブルドーザーで切り株などの処理をするのが多分一般的だったのだろう。

 俺も詳しくは知らないが、森の中に道を引く工事などはそんな感じだったとか聞いたことがある。


「あれを他で使いたいと」


「はい、具体的には現在道を作っている所でですが」


「ああ、あれは確かにそういう使い方をするものだと思うが……」


「何か問題があるのですか」


「ああ、問題と言えば問題なのだが……」


 正直言って心配はある。

 今、この場でしていたのはつた類の処理と細い木を切ることくらいだったのだが、森を切り開くとなると大木を切らなければならない。

 大木の伐採って事故がつきものだよな。


 少なくとも素人がして良いものでもない。

 そもそも俺は木の倒れる方向をコントロールする術を知らない……いや、テレビなどでは見たことがあるから多分できない話ではないだろうが……

 そんな俺を見ていたダーナが心配そうに聞いてきた。


「許可できませんか」


「いや、でも大木を切るのだろう」


「はい、その大木の処理が正直現在問題になっておりまして」


「大木の伐採って事故が多いんだよな。

 けが人が出そうで正直心配なのだが」


「多少のけがでしたら魔法で……」


「よし、わかった。

 俺にも考えがあるので、一旦そちらに出向いて作業を考えよう」


 俺はこの場をケリーに任せてチェーンソーを扱っていた連中を引き連れて浜に向かった。

 浜の近くで、今もブルドーザーが森を切り開こうと大きな木を倒そうとしているが、流石に根をしっかりと張った大木は簡単には倒れてはくれない。

 今も大勢で、大木にロープを渡してブルドーザーと反対側から引っ張りながらの作業中だ。


「確かにあれでは苦労しているようだね」


「ええ、人が歩く分だけは既に隣の浜までは通じているのですが、現在道幅を広げようと頑張ってはいますが……」


「今使っているロープは、まだ他にもあるかな」


「はいありますが、何か」


「ああ、一方から引っ張ると危ないかなと」


「危ない……」


 俺は木が倒れてきた時に自分たちを巻き込む恐れについて話して、改善案を提示した。


「確かに、そうですね。

 すぐに改善させます」


 ダーナは、俺の元からは知って、作業している連中のそばまで向かった。

 俺は、ダーナの部下たちで構成されているチェーンソー部隊を率いてダーナの元に歩いて向かう。

 倒れた時にケガなどしないように、チェーンソーはエンジンを止めているので運んでいる人が倒れたくらいでは精々刃の部分での切り傷くらいだが、とにかく安全第一だ。

 別に走る必要もないし、なによりチェーンソーを持って走るなんて危ない以外にない。


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