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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第四章 建国の準備
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第62話 使徒様を探すプレアデスの姫



 集めた全員を上手にフランが席に着かせると、この一団の代表の姫と言われている人が連れていた少女が俺に声を掛けてきた。


「あなた様が、使徒様なのですか」


「お嬢、少し落ち着きましょう」


 すかさず姫は少女を諫める。

 しかし、姫と呼ばれている代表者がものすごく丁寧に扱っている少女は何者なんだ。


 フランと、姫との間で、いろいろと話し合いはすでに済んでいたようで俺の紹介を始めた。


「ええ、この方が使徒様で間違いまりません。

 神より天から遣わされた大魔導士様でもあります」


 もう、この『神より天から……』というフレーズは定番にでもなっているのか。

 てっきりケリーの持ちネタかと思っていたけど、まあいいか。

 このまま誤解されるとこの後面倒になりそうだ。


「ええ、確かに私はカミサマよりこの地に連れてこられた者で、名を守ると言います。 

 以後は守とでもお呼びください」


「いえ、そんな不敬な……」


 少なくとも俺の会ったカミサマに対して『不敬などという言葉は似合いませんから気にするだけ無駄ですよ』とはさすがに言えないか。


「正確にいますと、カミサマによって乗っていた船と一緒に海に落とされましたから。

 それと、先ほど魔導士がどうとか言われましたが、あいにく私は魔法が使えませんのであしからず。

 それよりも……あ!」


 先ほど俺に声を掛けてきた少女は俺の自己紹介を聞いて目から大粒の涙を浮かべている。

 しまいには姫と抱き合って泣きだした。

 どういうことなんだ??


 しばらく呆然としていると、一段の中から年配とも割れる男性が声を掛けてきた。


「使徒様。

 申し訳ありません。

 何分俺たちは、長らく功労して使徒様を探しておりましたので、姫たちもしばらくすれば落ち着きますのでもうしばらくお待ちいただくわけにはいきませんか」


「いや、私は構いませんよ。

 今日は十分に時間をとってありますので。

 そうだ、ミーシャたち俺に付き合ってくれ」


 俺はしばらく時間を置く意味でラウンジのカウンターに向かった。

 ここにはコーヒーやソフトドリンクがあるはずだと探しに来たが、あったよ、これ。

 目の前にはあるではないかビールサーバーが。

 それに奥の棚にはそれこそ数えきれないくらいの洋酒の数々。

 カーフェリーって酒もあったんだ。


 そういえばドライバーも1日以上乗るのだから寝る前に飲みたいものも出るだろうし、何よりドライバーだけが客じゃない。

 そもそもラウンジを使うような人たちはビジネスマンや旅行者になるだろうから問題ないか。

 それよりもそういうお客様に対するサービスの一環で各種そろえているようだった。

 昼前から酒をお客様に出すわけにもいかないので、俺は紅茶を用意することにした。


 これまた素敵なティーサーバーまであるので、やり方を説明してミーシャとドーラに運んでもらった。

 人数分を用意するには時間がかかりそうなので、あとは二人に任せて席に戻った。

 俺が席を離れたのが原因か知らないは泣いていた二人は泣き止んでいた。


「取り乱し、すみませんでした」 


 少女は俺が戻るのを見たら安心したのかすぐに俺に詫びてきた。


「いえいえ、いろいろとご苦労をされていたご様子。

 気にしておりません。

 それよりも、すでにフランから聞いているかもしれませんがここで改めてうちの主要メンバーの紹介をさせてください。

 フランは、島で皆様の案内をしていたのでご存じかもしれませんが、私たちの騎士など仲間の取りまとめを任せております。

 次に、治安や防衛の責任者として主に私と一緒に船に乗りますのが騎士長のケリーです。

 彼女のことも先日助けた折に見ているでしょう。

 それと、魔法学校の先生をしていたエルムです」


 俺がエルムを紹介した時に感じたのだが、エルムの立ち位置が少女よりなんだよな。

 そういえばエルムはエルフ族だと聞いているし、今回のメンバーにもエルフはいるから知り合いなのかもしれないな。


 そこまで紹介した時にミーシャたちが紅茶を持ってきてくれた。

 さすがに30名近くの紅茶を運ぶのにトレーでは無理だ。

 ワゴンを俺は用意しておいたので、それで運んできてくれた。


 ミーシャたちは相手側から先に紅茶を配り始めていたので、ついでの俺は二人も紹介しておいた。


「今皆様にお飲み物を運んできたのは私や、フランの世話をしてもらっているメイドのミーシャとドーラです」


 俺が名を呼ぶときに二人は軽く会釈をしている。

 しっかりとそういう教育はされているようだ。


 これで俺たちの紹介は終わった。

 今回初めてこのような場所を設けたかというと、今まで出会ったのは皆フランと同じ国の者だったので代表もフランで問題なかったが、今回は俺たち以上に人数がいるだけでなくフランも初めて会う人ばかりなのだ。 

 それも明らかに高貴な家の出だとわかる出で立ちでもあることなので、一度きちんと話し合い、必要なら序列もきちんとつけようとしたためだ。

 だから、相手の素性をしっかりと確かめないといけないので、相手の紹介を待った。


「まだ、きちんと助けていただいたことにお礼を申してなかったことをお詫びする。

 わたしはこの一団の代表をしているダーナ・サルトスと申します。

 我らが国から逃げ出す前まではハーベスト連邦王国の第一王女だった。

 で、先ほど取り乱してしまったが、彼女が我らの希望でもある森の巫女様でハイエルフのサーシャ様だ」 


「先ほどは取り乱し申し訳ありませんでした。

 先ほど姫より紹介のありました通り、ハーベストでは森の巫女をしておりましたサーシャと申します。 

 私はエルフの世界で古くから言い伝えられておりましたプレアデスの姫とされておりまして、国が襲われる寸前に神より神託を受けておりました」


「その神託とかなんですか。

 私たちに教えてもらうことはできますか」


 カミサマからの神託だって。

 あいつのことだから碌なものじゃないだろうが聞かない訳にもいかないだろう。

 何せ、俺に寄越したこのカーフェリーだってイベントに押し込んで怪物退治や人助けなど無理やりさせられたようなものだし、この人たちにも酷いことでも行ったのかな。


「ええ、使徒様に隠し事などできませんのでかまいませんが、もうそれは達成しております」


「どういうことなのですか」


「はい、この世に遣わされた使途様を探し出し、プレアデスの姫としてその責を全うせよと」


「守様。

 前に私がお願いしておりましたプレアデスの姫のことですが、この方がそうなのです。

 なんでも、聞くところによりますと相当ご苦労をされていたとか。

 特にシードラゴンに襲われた時には命すらあきらめたと言っておりました。

 そこを守様がお助けになったと、私からも感謝しております」


「ちょっと待とうか。エルムさんよ。

 初めて聞いたぞ、そのなんだシードラゴンというのは。

 俺は知らないが」


「え、守様の乗る船からの攻撃で倒したと聞きましたよ。

 実際にケリーにもその亡骸を見せてもらいましたから」


「何だ、俺は知らないぞ。

 それに彼女たちを助けたのもシーサーペントが欲しかったからだが、あ、決して助けるつもりがなかったとは言わないが」


 ちょっと面倒になって来た。

 しかし、紹介を中断させてまで聞くことないだろうが、気になったので、この際聞いてみた。




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