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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第四章 建国の準備
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第60話 見つけた船の素性



 今回収容した約1800名の人をいきなり連れて行けばさすがに誰でもが驚くだろう。

 そうでなくともアンタレス教国につかまっていた人たちがこれもおおよその数になるが500名、それに以前から別の浜に降ろした者たちも150名は超えていたはずなので、総勢で3000名に近くなっている。


 これは今世界ではちょっとした町に匹敵するような感じかな。

 令和の日本でも3000名の人口って……あれ、大したことないかも……いやいやこれはすごいことなんだ。

 きっとそうだ。

 なんかのフェスやそれこそコミケなんかと比べたらあかんやつだ。


 先に船を行かせてフランやエルムと相談させたのだが、無線が通じる距離まで着たら俺からも無線を入れておく。 


 無事に俺が勝手に目印にしている岩礁沖を通過して俺はフランに無線を入れる。


「フランか、守だ」


「守様。 

 先行してきた騎士たちから聞きました。

 今回もお手柄だったようで」


「ああ、そこでの人数も増えたので食料の確保のつもりでシーサーペントを狩ったつもりが結果的には助けたようだ。

 ただ、ちょっと気になることを小耳にはさんだのだがそれはついてから相談しよう」


「気にはなりますが、分かりました」


「そこでだな、聞いたかとは思うが今回も人が多数いる。

 全員が島に残るかどうかは分からないが、一時的にも降ろさないとまずい」


「どれくらいになりそうですか」


「今回は捕虜はいないが、それでも1800名近くになりそうだ」


「1800名ですか……それはすごい」


「ああ、聞いているかとは思うが、そこで俺は神様からの宿題であった船を見つけて無事に俺の支配下にある。

 この船があったおかげでいっぺんに運べるという訳なのだが……」


「え? 

 一度で全員を運んでくるのですか」


「ああ、今乗っている船はとてつもなく大きいものだ。

 まだ、船中を十分に調べていないが、これは使える船だから、生活も楽になりそうだったのだが……」


「守様。

 どうしましたか」


「ああ、浜の人数が多すぎだな。

 この船には全員を収容はできそうにない」


 無線の先でフランはきょとんとしているようで、何も言ってこない。


「どうした、フラン」


「守様。

 船は海の上を動かすものですよ。

 暮らすのは陸の上では」


「ああ、そうだな」


「大丈夫です。

 少しずつ生活の拠点を整えておりますから。

 落ち着き次第、捕虜も使って工事を進めていこうかと思っております」


「そうだな。

 まだ、この船の中を調べてみてないが、この船の中にもいろいろと使えそうなものもあるだろう。

 明日以降は俺はしばらくこの船を調べてみるよ」


「はい、そうですね。

 守様をお待ちしております」


 一応フランとも連絡は取れ、これから連れて行く1800名の人のことも伝えた。

 後は任せておいても問題ないだろう。


 それから3時間後に無事に見慣れた浜に着いた。

 俺たちが浜の中に入ると浜にいる人たちが一斉に驚いていた。

 やっと着いたかと持ったのだが、困ったことに気が付いた。


 これから1800名の人をこの船から降ろさないといけないが、降ろす方法が無い。

 この船の乗せた簡易タラップではゴムボートに乗せるのにはちょっと難しそうだ。

 考えた末に、俺はフェリーを一度捕虜たちを閉じ込めている船に横付けしてタラップを下ろした。


 一旦アンタレス教国の船を使ってそこからゴムボートで浜に上げていくことにした。

 それでも人数が人数だったので、その日中には全員を下ろすことはできなかった。

 翌日も朝から、昨日と同じ作業に取り掛かる。

 ゴムボートは今全部で10艇出して浜とアンタレス教国の船との間をピストン輸送しているが、一回で運べる人数がゴムボートではたかが知れている。

 結局、その日壱日を使ってやっと全員を下ろすことに成功したのだ。


 しかし、いざ降ろしても問題は山積みだ。

 何せ一挙に人が増えたので、人を収容できていない。

 

 俺は、今回連れてきた人たちの面倒をフランやケリーに任せて、フェリーの中を調べることにした。

 ここに戻る時に感じた疑問を調べるためにこのフェリーの行為日誌を少し読んでみたのだ。


 そもそも令和時代に俺たちが傭兵の軍艦で向かっていたのは横須賀で、俺がこの世界に連れてこられた時にはほとんど横須賀に入ろうかという感じで東京湾に入る寸前だった。


 そこの近くにいる船で大型の船ってあの時のカミサマは俺に言っていた。

 たとえあの神様がどんなに頑張っても、この東北太平洋フェリーに所属する船が東京湾近くにいるはずが無いのだ。

 そもそも、この船は茨城県から北海道に向かう定期航路に運航していたはずだ。

 そもそも会社がそこしか航路を持っていなかったと俺は記憶している。

 俺の知らないうちに晴海からって絶対にない。


 だから不思議だったんだ。 

 最初に湖に船を見つけた時にはうれしくてそんなことを考えなかったが、どうしても違和感があったのだ。

 その違和感が、この船はあの付近には居ないはずの船だということに冷静になって初めて気が付いた。


 だから、海図室にある端末から航海日誌を呼んでいると、疑問が解けた。

 俺が首になった時にちょうど南太平洋上を巨大な地震が襲い、日本はすぐに災害援助隊を被災地に送ったようだが、その災害援助隊からの要請で、強力な援助が必要と判断した政府がこのフェリーを貸し切り防衛隊を急遽送ることにしていたようだ。 

 そう、大規模災害の援助のための派遣部隊に防衛隊の特別大隊が組織されてのようだ。


 詳しくは航海日誌には書かれていないが、そのうち船長日誌でも見ればもう少し内容がわかるだろう。

 しかし、今の俺にはそんなことよりも政府が送り出した援助の中身が知りたい。

 まず俺が向かったのは自動車格納庫だ。

 ここに災害先に向かう特殊車両が収められている筈なので、調べることにした。


 すぐに向かったのだが、本当に防衛隊は本気だったようだ。

 何せ向かう先は治安も悪い場所だったようで、自衛のための部隊も一個中隊乗せていた。

 なんと、あの車輪がたくさんついている大砲を積んだ車両まで積んでいた。

 それに目立つのはパワーショベルにブルドーザーなどの建機類。

 小型だがクレーン車まで積んでいる。


 これってひょっとしてあのカミサマが仕組んだのではと思いたくもなる。

 それに何よりインフラが脆弱な場所に向かうようだったのであの戦車も運べるホバークラフトまで積んでいた。

 もうこうなると民間船をチャーターせずに補給艦や護衛艦などで運べよと言いたくなってきた。




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