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第40話 調査



 色々と考えているが、今更ながら思い出したことがある。

 この世界というかこの星の大きさって地球と変わらないよな。

 海の広さは別にしても、星の大きさってそのまんまレーダーなどの有効距離に影響が出るが、今まで使ってきた感じでは、地球の時とさほど変化があるようには思えない。

 まあいいか。

 これから作ろうとしている海図だって、星全部を範囲としているわけでもない。

 せいぜいこの船で1日か2日の距離の範囲で考えているから、別に今更星の置き差を考える必要もないが、本当に今更だったよな。

 

 そんなくだらないことを考えていると、ケリーからまた質問はいる。


「守様。 

 どこまでこのまま進めますか」


「ああ、島と思われる陸地から2kmくらいまでは近づきたい。

 2kmもあれば向こうからは見張り台でもなければこの船を見つけられないだろうからじっくり観察ができるだろう」


「もう少し進めという訳ですね」


 俺たちは、そのまま船を進めて島から2kmくらいの位置まで来た。


「よ~し、一旦船を停めようか」


 俺はみんなに声をかけているが、実際に船を停めたのは俺だ。

 船のエンジン出力レバーを操作していたのが俺だった。


 別に車と違い広い海上ではいったん出力を決めたらそうそういじるものでもないし、今回も俺が船を進めるときに捜査した一回しか無かった。

 俺はエンジン出力を停止にまで持っていった。

 船を停めるのはスクリューを逆転するなりするのが普通なのだが、別に慣性力でしばらく動いていても問題ないのでいちいちそんな操作はしていない。


「大きな島ですかね」


「ああ、目の前の島が陸地に繋がっているようには見えないしな。

 島で間違いなさそうだ」


「守様。

 レーダーにはその先にも影が見えますが」


「ほとんど周りに島影が無さそうだったので、この島単独で存在するものだと思っていたが、どうも違うようだ」


「違うとは」


「少なくとも、この先に見える影も島なのだろう。

 島が陸地まで点々と連なっているかは分からないが、いくつかまとまって島があるのかもしれないな」


 俺は、肉眼でもはっきり見える島をもう一度望遠カメラで観察してみた。

 これと言って代わり映えするような島には見えない。

 少なくともここから見える場所には人影はない。

 人の生活していたような痕跡が全く見えないのだ。

 こういう場所ってしばらくぶりだ。

 少なくとも日本には既に無くなったような景色だ。

 日本だと断崖絶壁や、それこそ世界遺産にでも登録されるような場所でもない限りありえない。

 すでに人の気配が無くなっていても、何かしらの人の作ったものがあるのだ。

 それこそ世界遺産のような場所でも事故防止などの理由で海上にはブイなどが設置されていたりする。

 だが目の前にはそれらが全く見えない。

 多分本当に人が入ったことが無いのかもしれない。

 いや、探検程度で調査くらいはされたこともあるだろうが、開発する必要が無かったのか、開発する余裕がなく放置されているのだろう。


「守様。

 この後はいかがいたしますか」


 俺は一人感慨に耽っているとケリーが聞いてきた。


「いずれは上陸して詳しく調べてみたいけど、まずは外から観察だな」


「と言いますと……」


「ケリー、一休みしてからあの島を船で一回りしてみよう」


 いったん停船させているので、全員でここに詰める必要もない。

 しばらくはここで島を観察していくが、そろそろ日も傾きだしたこともあり今日のところはこれ以上のことは行わない。

 少し早めに夕食を全員で摂った後、交代で艦橋に詰めてもらうが明日まで休むことにした。 

 翌日は少し早めに全員で朝食をとった後、昨日同様に全員を集めて島の周りを船で巡ることにした。

 エンジン操作もケリーたちに教え、エンジン操作まで任せることにした。


 昼までゆっくりと島の沖2kmくらいの距離を取って一回りしてみた。

 この島、俺の想像を超えてかなり大きい。

 はじめ見た時には10km弱の幅くらいにしか見えてなかったので、俺の知る八丈島か大島よりは少し小さめと思っていた。

 しかし、いざ外周を回ってみると縦に長い。

 淡路島や沖縄などの長細い島のようだ。


 尤もそれらよりは遥かに小さめではあるが、俺たちが住むとしたら十分な広さだ。

 俺もそろそろ拠点となる陸地が欲しかった。

 もし、ここに誰も住んでいなければここを拠点に考えてもいい。

 それに何より、こことエルムたちを保護した岩礁を基準にして海図を作りたい。

 GPSの手助けが無いのであくまで相対的なものになるのでしっかりとした拠点が欲しかったくらいだ。

 一応船に搭載してある羅針盤も機能はしているようなのでどこかに一つ基準を設ければ作れないとは思うが、二か所を基準にすれば十分に使える海図が作れそうだ。

 尤も時間はかかるが、それでも操船を任せられそうなので、明日から島の調査と一緒に海図を作ってみよう。

 今日はもう少し外から島の観察だ。

 

 みんなで昼食を摂った後、一回りするときに見つけた湾内に船を入れたいが、水深が分からないので、ボートを出して水深などを観察していくつもりだ。

 

 一応島を観察した時にいくつか湾状の地形を発見したが、このサイズの船が入れるような場所はわずかだった。

 そのうちで一番近い場所まで来たが、船が入れる湾としては一番小さなものだと思われる。


 ボートを出して水深を詳しく測定してみた。

 少なくとも10mもあれば全く問題ないだろうが、向かった湾の最奥が浜になっている関係でそこまで深さは望めない。

 この船だと最低でも3mは欲しい。

 それも干潮時にだ。

 だから現状では5mは必須と考えているが、どうだろうか。


 結論から言うと浜から200m沖くらいで5mの水深を確保できるので、とりあえず船をそこまで入れてみる。

 ブイでもあれば目印に置くのだが、それも無いので、とりあえずボートを目標地点に待機させての侵入だ。

 結構苦労はしたが、どうにか湾内に俺の船を入れることができ、錨も卸して船を停泊できた。

 これでしばらくぶりに上陸ができる。

 船も完全に停泊できたので、この島の奥を探検に行く前に休憩を入れよう。


 今日は朝から動いたので、苦労した割には昼前には船を湾内に停船できた。

 全員をボートで浜まで連れていき、浜で昼飯をみんなで食べた。




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