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第39話 初めての陸地



 俺とフランとの会話を横で聞いていたエルムが不思議そうな顔をしながら俺の作業を見守っている。


「なんだ、エルムさん。

 見ていても面白くもないだろう」


「いえ、守様。

 『カミサマ』から下賜された神船だということですが、この船にはなんと表現すればいいのでしょうか、あまり魔法を感じないような気がします。

 まったく魔法と関係しないとも言えなく、どういうことは私も長く生きてきましたが初めてことで、非常に興味があります。

 もし守様がよろしければその辺りご教授いただけないかと」


 ああ、基本的には元の世界の科学で動かしていることになっているが、動力と補給関連の身だけが媽祖を使っているとか言っていたな。


「俺も、良く知らないが、前に神様から聞いた話だと、この船は基本俺の生まれた世界で作られたものを『カミサマ』が複製したらしい。

 だが、全く同じにするわけにもいかず、補給関連と燃料などはこの世界でいう魔素だっけか、それを使っているらしい。

 これくらいしか俺には説明できないが、大丈夫か」


「ありがとうございます、守様。

 すべてを理解した訳ではございませんが、なんとなくわかるような気がします。

 機会があればそのあたりについて研究してまいります」


「ああ、好きにしてくれ」 


 俺との会話がある程度済んだ頃に食堂に残っていた連中がこちらにやってきた。

 ミーシャとドーラだけがまだ食堂に残り片づけをしているらしく、彼女たちを待たずに始めてくれと行くことだ。

 ならば、この後についてみんなに説明していく。


「十分に監視をしながら影に近づいていきます」


「あの場所に向かうのですね」


「ああ、みんなには交代で周りを監視しながらとなりますから……そうだな、ケリー、指示を任せる」


「はい。で、そのように」


 そこから俺は説明していく、艦橋のすぐそばにあるデッキに出て、ここから周りを双眼鏡で見張ってもらう。

 右舷と左舷に素それぞれ二人ずつ配置して前後の監視をしてもらう。

 残りはレーダーの監視に一人と操舵に一人。

 そう、俺が操船しても良いがそろそろ仕事を分担していきたい。


 全員に仕事を割り振り、船を動かすことにした。

 自動操船にして、俺も監視にとも考えたのだが操舵にも人を付けたので、初めて彼女らに任せてみる。


「ケリー、最初はケリーが操舵輪を使ってみてくれないか」


「え?

 守様。

 私に船を……」


「このくらいの船になると、一人では動かさないものなんだ」


「ですが……」


「ああ、わかっているよ。

 この船は色々と自動化されているからね。

 簡単に言ってしまえば魔法で自律的に動くとか」


「ゴーレムのようですね」


「ああ、船のゴーレムと言ってもいいかもしれないな。

 でも普通は人の手で動かす。

 それもみんなで分担してだから、ケリー一人が船を動かすわけではないが、進路はケリーが決めるけどね」


 そこから簡単に船の操船について説明していく。

 艦橋にいる騎士たちにはレーダーの見方などは完全に把握しているので、操舵を任せられればとりあえず仕事の分担はできる。

 尤も操舵についてもAIによる自動と言う手もあるが、何より海図の無い海域での操船になるので完全に任せきることができない。


 そうだ、いい機会だから俺たちがこの辺りの海図を作ってみるか。

 どうせあの『カミサマ』から頂いたという大型船を探さないといけないのだから、これから向かう多分島だと思うが、それとエルムたちを助けた岩礁、これがあれば相対的な位置は特定できる。

 一応羅針盤も動いているようだから地磁気もあるようだし、海図を作るのに最低限必要な要素はそろっている。


 俺はスロットルを動かして巡航より遅めに設定した。

 船はゆっくりと動き出して問題の陰に向かっていく。


 船が動き出し、ケリーも硬くなりながらだが、問題なさそうなのを確認後に艦橋からデッキに出る。デッキ左右には見張りを頼んでいるので、見張り役の騎士の元に行き、様子をうかがいながら、俺も前方に注視していく。


 進む方向には危険な白波も無いので、艦橋に入り水深を確認後に船長席に戻る。

 皆に本格的に操船を任せたのは初めてのことなので艦橋内には緊張感が漂い、とても雑談する雰囲気ではない。

 この後どうしようかと考えていると、ケリーが俺に聞いてきた。


「守様、このまま船を島に向けるのですか」


「まだ島と判明したわけではないが、とりあえず近くまで行く。

 そこからは状況次第かな。

 とにかく見える所まで行こう」


 ケリーの一言から若干ではあるが緊張は解けたのか、話し声も聞こえてきた。

 さぼっているような感じでもないので俺はそのままとしている。

 俺の耳に届くのは仕事のことを話しているようなのだ。

 操作の仕方などお互いに確認しているようだ。


 しばらくすると、据え付け型の望遠カメラで映像をとらえることができる距離まで近づいてきた。

 俺は艦長席から、レーダーの横にある外部望遠カメラ操作盤のところに向かい、カメラを操作する。

 操作盤をいじっていた時に思い出した。

 確かに偵察までを考えると有効距離は5kmくらいになるが、島かどうかを考えるのならばレーダーに映った時くらいからわかったのではないかと。

 まあ、光もレーダー波も同じようなものだからだが、はっきりとわかるまでを考えても8kmもあれば分かったな。

 まあ、ここまで来たのだから調べていけばいいかと……思った通り、島だな。


 まだ、反対側がどうなっているかはわからないが島としてはそこそこの大きさがある。

 俺の知るところで例えるのならば八丈島位だと思えばそれほど大きくはないだろう。

 まだここからは奥行きまで分からないから何とも言えないが、少なくとも見える範囲で判断するのならばそれほど差異はないだろう。




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