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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第二章 軍団の誕生
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第36話 難破船の調査



「すみません、最初に船長室に案内をお願いできませんか」


「ああ、わかった。

 私も良く覚えてはいないが、こちらだ」


 エルムさんは船尾にある扉を開けて中には入っていく。

 船尾の扉から一番近い部屋が船長室で、その部屋の壁には教えてもらったように地図のような作品が飾られている。

 そう、博物館にでも飾られていそうな古地図?って感じの作品だ。


「これのようだが、これでいいのかな」


「エルムさん、ありがとうございます。

 多分これでいいものと思います。

 何分、私の知る地図とは大違いなもので。ですがこれにあなた方の町も描かれているのでしょう」


「ああ、この地図上だとこの辺りになるかな。

 で、ここら辺に植民都市があったはずだが詳しくは知らない」


「地図の検分は戻ってからじっくりとすることで、まずはこれを壁から外そう。

 悪いがケリー、手伝ってくれないな」


 ケリーの部下たちと一緒に壁を壊すようにしながら地図を外してボートに運んでもらった。

 残りは、海図と言っていたが、それがある隣の部屋に行って、海図と航海日誌を探した。

 航海日誌はすぐに見つかったが、逃げ出した船員たちが相当慌てていたのか日誌は床に落ちており、さらに踏みつけられて中身を確認するのに相当苦労しそうだ。

 で、肝心の海図が机の上にあると言っていたのだが、それは見つからなかった。

 まあ、逃げ出すにしても航海技術を持っている連中ならばそれを持たずに海には出ないか。

 となると、探しても航海に必要なコンパスや六分儀などは無いだろう。

 あ、この世界では羅針盤のように固定されたものかもしれないが……

 

 それからほかの部屋も探しては見たが、目ぼしいものなど見つからなかった。

 そう、たぶん羅針盤があったであろうと思われる場所にも羅針盤は無かった。

 柱ごと壊されて持ち出されたようだ。

 相当乱暴なことをするものだ。

 据え付けられていた柱を壊した羅針盤などは使い物になるのか怪しいものだ。

 水平を確保できずに肝心の方位を知ることができるのか。

 現物を見たわけではないので、想像でしかないが、そんなのを使うくらいならばそれこそ太陽を目印にした方が方位を正確に知ることができそうだとも思う。

 尤も、正確な時計があるかは分からないので、経度などの計算は無理だろう。


 難破船で半日近く捜索して、船長室の世界地図以外には打ち捨てられた航海日誌くらいしか戦利品を見つけることができなかったが、それでもこの世界の世界観を知る重要な資料だ。


 俺たちは難破船から出て船に戻る。

 昼にもう一度全員を集めて食事をとりながらこれからについて話し合った。


「守様。

 地図は……」


「ああ、フラン。

 船長室にあった大きな地図だけは手に入った。

 後でいろいろと教えてほしい」


「教える……、それよりもこの後のことですが」


「守様。

 ここから移動ですか?」


「いつまでもここにいるつもりは無いが、今日は動かない」


「では……」


「ああ、そこで今後についてだが」


 俺は、あとから合流した人たちも仲間になると聞いているので、助けた内で騎士の二人をケリーに預けて、ボートの操縦訓練をしてもらうことにした。

 魔法使いの学生6人は先生であったエルムに付き合ってもらい、もう少し俺のわがままに付き合ってもらう。

 この世界について、特に地理などについて、難破船から持ち込んできた地図を前に色々と教えてもらう。

 兵士の5名も騎士と一緒にボートなどの扱いを覚えてもらう。

 この世界には階級がかなり厳しくありそうで、本当ならば兵士も騎士も一緒に扱いたかったのだが、魔法使いもそうだが、初めて俺があった階級だ。

 まあ、俺が知っていた階級などメイドの二人を除くと騎士階級しか知らず、あとはお姫様くらいだったので、正直魔法使いと兵士の扱いには少々困ってもいる。

 そういう意味でもこの後の時間を使って、常識のギャップを少しでも埋めていく。


 食後に、フランとエルム、それに彼女の教え子の魔法使い見習いの6人を連れて士官海図室に入る。

 難破船から持ち込んだ地図?は本来壁にかけて使うものらしいが、今は海図台に置いてある。

 それを囲むように集まってもらった。


「悪いがこの台の周りの集まってほしい」


「守様。

 これがお望みだった地図ですか」


「いや、俺としてはもう少し詳しいというか、こんなもんではなくてなって言っても始まらないか。

 後で説明するが、正直これでは使えない。

 多分、実際にあの船を動かしていたものも、船を動かすにはこれは使っていなかったんじゃないかな」


「と言いますと……」


「君だったよね、朝食の時に言っていたのは」


 俺はそういうと、あの時叫んでいた学生の方を見る。


「え?

 私ですか」


「ああ、船長室の隣で他の地図が今のように台に置いてあるとか、言ってなかったけか」


「ああ、はい。

 そうです。

 隣の部屋だったと思いますが、台の上に置いてある地図を使って何か計算のようなことをしておりました」


「たぶんそれは、現在地を計算していたのだろう。

 ここは目印となる岩礁があるけど、それ以外には何も見えない場所だ。

 普通は岩礁すら見えないけど、目的地に向かわないといけないから、航海士などが地図上に現在地を割り出していたと思っている」


「守様はこれを使って……」


「ああ、直接これを使ってとは考えていないが、大体の予測をつけておきたい。

 なので、この地図上に書いてあることくらいは理解しておきたい。

 例えば、フラン達の母国だ。

 多分この地図にもあるのだろう」


 俺が追う言うと、急に周りの空気が分かった。

 ……しまった。

 あまりにデリカシーが無さ過ぎた。

 フラン達は他国から国ごと占領されて逃げていたのだった。


「悪い、あまりに不躾だったよな。

 それより、教えてほしい、フラン達を襲った帝国だったか、その場所と、教国だっけか、その場所を」


「……いえ、守様。 

 すみませんでした。

 守様の下の集うことをお約束していたのに、つまらないことで。

 それよりも私はあまり詳しくはないのですが、私が逃げ出した港は、このあたりかと……」


「フラン様。

 それは敵の商業港だと思います」


「守様。

 私たちは、大体このあたりから船に乗りました。

 そこから植民地のあるこのあたりに向かっていた時にあの場所で遭難したものだと思います」


「ならば、帝国とはどこら辺にありそうかわかりますか」

 そこからいろいろと話を聞いていく。





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