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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第二章 軍団の誕生
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第30話 救助者たちの移送



 暫くは、あっちで世話をする必要がありそうなので、すぐにこちらに運ぶようなことは無いと、ドローンを通してフランが俺に報告してくる。

 ドローンもいつまでも飛ばしておけるはずなく、フランの報告を聞いたので、一旦こちらに戻すことにした。


 それからしばらくするとボートがフランと従者、それに二人の騎士を連れて戻ってきた。

 俺はデッキまで出迎えに向かう。

 乗船したフランは俺に御願い事があると言ってきた。


「どうした、フラン。

 問題でもあったか」


「はい、あの者たちをそのままこの船に移送するにはちょっと」


「どうした。

 ミーシャ、向こうで何があったんだ?」


「はい、私も守様に助けてもらうまでは気にしておりませんでしたが、……あの~」


「どうしたんだ。

 まったくわからないが」


 すると騎士の一人が、本当に恥ずかしそうに俺に言ってきた。


「臭うのです。

 それも、相当……」


「集めたみんなは全員が女性ばかりですが、その~」


「今思うと、私たちも助けられた時に……」

 ああ、臭かったときのことを思い出して恥ずかしそうにしているんだな。


「わかった。

 それでどうしたい」


「あの、守様。

 シャワー室にある石鹸って海水でも使えますか」


「ああ、あれは多分問題ないやつだな。

 市販のものだと駄目なものもあるようなのだが、でも、大丈夫だと思うぞ……と言っても泡立ちは良くないぞ」


「使えるのならば、それを使わせてください。

 皆をきれいにしてから連れてきます」


「ああ、それなら補給物資にある物から一箱もって来よう」


 俺はミーシャとドーラを連れて倉庫に入る。

 棚にしまってあるシャンプーの入った段ボールとボディーソープの入った箱を二人に渡す。

 すると、面白いものを見つけた。

 海水を使った行水用のセット云うべきか、紐の付いた布製のバケツだ。

 それも一箱に10セット入っているものだ。


 海上では真水は貴重だ。

 この世界ならばそのまま命に直結するが、元の世界でもいくらでも使えるかと言うとそうでもない。

 海水から真水を作れるので、動力さえ動いていれば水に困ることは無いのだが、それでも地上にいるようにふんだんに真水を使えるかと言うかとそれも違う。

 そのためなのか、海水を使っての行水ができるようにとその準備もこの船には積んであった。


 今回のような場合では、役立つグッズの筆頭になりそうなので、それも持ってデッキに戻る。

 一応箱から取り出して中身を確認後にフランたちに使い方を説明すると非常に喜ばれた。


 フランたちは俺から、グッズとシャンプー、それに石鹸を積んでボートで難破船に戻っていった。


 フランたちを送り出すと、またこの船に静寂が訪れる。

 俺しかいない。

 先ほどフランが戻ってきた時に助ける人の総数だけは聞いていた。

 あのエルフの先生を筆頭に全員で14名だそうです。


 現在のこの船には俺を含めて13名だから、今回のことで簡単にそれを超えてしまう。

 と言っても、フランたちを助けた時には二人で11名だったから5倍とまでいかないが、それでも倍になる。

 もっとも、フランたちもだいぶこの船での生活に慣れてきているので、あの時ほどの混乱は生まれないだろうが、それでも俺の方でもできることはしておこう。

 ……考えてみると、前にフランたちを助けた時にはすぐにシャワーを使って、その後治療……あ、逆か。


 それでも、体をきれいにって、それは今フランたちがしてくれているから、そうなると服か。

 この世界には格式と言うのもありそうだし、フランたちにはそのあたりの家柄や格などを聞いた後に服を準備したけど、少なくとも先生のエルフは差をつける必要がありそうだ。

 となると下士官か。

 下士官で、スカートタイプの制服があったか、サイズが問題だが、ドローンで見た限りで予想を付けるしかない。

 誰に体形が似ているのかな、あの先生は。


 そんなことを考えながら俺はジャージを人数分用意していく。

 作業としても寝間着としても使える超便利なジャージだ。

 しかも配給品であるので、皆同じデザインだ。

 とりあえずならばこれで許されるだろうし、これ以上はこの船では無理だ。


 俺が、元の自分に部屋に集めてある服の中から、人数分のジャージにフリーサイズの下着の上下を準備していると、ミーシャがもう一度騎士たちを連れて戻ってきた。


「どうした、問題でも……」


「はい、あの~」


「持って行った石鹸が使えなかったのか、それとも足りないとか」


「いえ、石鹸などは十分に量はありますかが、問題はありません、ですが、その……着ている物が……」


「ああ、今まで来ているのも臭うのだろう」


 俺の発言はデリカシーに掛けているようで、そこまで言うとミーシャだけでなくボートを操っていた騎士たちも顔を赤らめた。

 そういえば、彼女たちも着ていた服が匂ったな。

 洗濯機で何度も洗ったのだが、結局のところ匂いは完全にはとり切れなかった。

 一応ビニール袋に入れて彼女たちに渡してあるが、あれ以来あの服を着ているのを見かけることは無かった。

 自分たちでも臭うのを感じているようだ。

 だから俺の先の発言で急に恥ずかしくなったようだ。

 正直、俺も発言について反省するが、今更取り消しても余計に話がこじれそうなので、そのまま話を続ける。


「ああ、みんなと同じ服を用意していたところだ。

 ただ、サイズが分からないので、フリーサイズのジャージと下着だけを人数分用意したので運んでもらえるか」


「はい、ありがとうございます」

 ミーシャはそういうと箱詰めされている服を受け取り急ぎ難破船に戻っていった。


 さてさて、この後どうするかだが、とにかくあの人たちを保護してこの船に受け入れるのは確定のようだ。

 その後については未定だが、どうするのかな。

 前に聞いた話では植民地?植民都市がそれなりの数を持っていたようなので、彼女たちをそこに連れて行けばいいのかな。

 そのあたりについてはフランに確認しないとわからないが、まずは受け入れするのならば部屋でも準備しておくか。


 俺はフランの部屋に近い場所にある一般兵士用の部屋の片づけを始めた。

 4人部屋が3つあれば十分なので俺でもすぐにできそうだ。


 部屋の中にある私物類をとにかく元の俺の部屋に運ぶ。

 準備としてはそれだけで、ベッドメイクなどについては一切不要だ。

 何せ、この船、俺が転送される直前までの状態をそのまま複製してある。

 なので、非番の連中が使っていた部屋では、寝ていた状態から本人だけが無くなったような形で複製されているのだ。


 当然、起きている連中の使っていた部屋はきれいに整理された状態なので、その部屋を使いたがったが、4人部屋だと、全員が起きている状態にはなっていないのが多かった。

 俺が知らないだけで、探せばそんな部屋もあるかもしれないが、探すくらいならばシーツ位直せば済む話で、さっさと俺は作業を終える。




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