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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第六章 新たな仲間
116/119

第116話 聖女なのかな



 フェリーのデッキではフランやダーナたちこの領国の重鎮が集まり、5人を歓迎している.

 が、まだ病み上がりのようなものなので、とりあえず全員を大部屋に案内してそこで休ませる。


 教国の中でというよりも教会と言っていたけど、その中で主任侍祭とか言っていたから、それなりの地位があるので、本来ならばこんな大部屋に入れるのではなく、それぞれに個室、特に侍祭には1等、もしくはロイヤルルームとかに案内したほうがよさそうではあるが、今回ばかりは、それが最上の選択肢とは思えなかった。


 何も知らない状況で、しかも見たことない、想像すらできそうにない部屋に一人で放り込まれたら、だれでも不安になるだろうから、5人一緒に休ませる必要があった。


 それに、まだまだ治療が必要になるかもしれないので、それなりの広さも欲しかったので、俺のほうから大部屋に案内させて、そこで休む準備をさせている。


 もともとこの船は国内フェリーなので、トラックの運ちゃんたちが気兼ねなくそれこそ大の字で横にもなれるスペースとしてこの大部屋があるのだ。

 しかし、このフェリーは、この世界ではチートもチートで、どこもかしこも下手な王宮などよりも豪華に見える。


 まあ、見た目だけならばの話になるが。

 なので、フェリーの標準クラスのエリアであっても贅沢な造りになっているとこの世界の人たちには感じている話だ。

 だから俺の対応はどこからも非難はされないだろう。

 現にフランたちからは何も言ってきていない。

 

 だが、本当は風呂にも入れたかったが、そこまではできそうにないので、窓全開での受け入れとなる。

 正直、臭いんだよ、彼女たち。

 フランやダーナも今では完全に俺に感化されており、臭いに我慢ができなくなっている。

 今回も俺が止めなければ病人だって容赦なく風呂に突っ込むような勢いだった。


「明日、一番に風呂に案内してくれ。

 その後食事を振る舞うとしよう。

 そこまで時間があれば問題ないくらいには回復していると思うからな」


「今夜はいかがしますか。

 あの、ドリンクでも飲ませますか」


 フランが俺に聞いてきたのは、以前魔法使いの卵たちを救助した際に飲ませたあの経口飲料水だったか、ドリンク状の食料のことらしい。

 だが、その提案は確かに理に適っているので、俺は後の面倒を任せてフェリーの船長室に向かう。

 現在ここが俺のプライベートルームになっており、一人になりたいときなどはここに詰める。

 一人になり、ゆっくりと部屋で休んでいると、フランとダーナがひっそりと訪ねてきた。


「守様、よろしいでしょうか」」


「あ、フランか。構わないから入ってくれ」


 部屋の扉が開き、フランとダーナがゆっくりと静かに入ってきた。

 まるで、他の人に悟られないよう気を使っているようだ。


「ダーナも居たか。

 で、厄介ごとか?」


 そう、この地で事実上政を差配している二人が揃って、しかも、他を避けるかのようにこの時間に訪ねてきたのだ。

 どう考えても良い話ではなさそうだ。


「はい、本日守様がお連れしました女性らについてですが」


「なにか問題でも?」


「問題というか……」


「一番偉そうなのは、あれはとんでもなさそうですよ、守様」


「とんでもない??何だ?」


「私はあまり人種のことに詳しいわけでもありませんが、要職につく者みたいですね」


「フラン、ダーナが言うことは……」


「はい、彼女たちは教国の神官、それも相当の発言権を持つ人ですね」


「俺は、彼女だっけか、主任侍祭とは聞いているけど、主任と付くからあの中では一番だとは思うが、それって……」


「知っていたのなら、先に教えて下さい。

 教国の主任侍祭といえば聖女様とまで言われている方ですよ。

 もし、本当に聖女様ならば一般信者からしたら、一番と尊い方になりますね」


「え?そんなにか。

 教国というから国のおえらいさんは教皇とか言われてそうだと思っていたのだがな」


「ええ、国を運営しているのは宗教組織になり、その一番上には教皇様がつきますが、これはあくまで組織上の話で、信仰の中心には聖女様になるかもしれませんね」


「なんで、そんな人が遭難しているのだ? 助けたときにあの辺りを調べたけど、どこにも遭難している船はなかったけどな……政変でもあったのかな」


「縁起でもないこと言わないでください。

 ですが、その可能性はかなり濃厚ですね」


「ああ、私も聞いたことがあるかな。今の教国はなにかおかしいと」


「まあ、おかしくなければ宗教団体が戦争などふっかけないだろうしな」


 そこから二人を挟んで明日以降についての対応を検討していく。

 流石に政変で追い出された主任侍祭を保護したくらいでここにまで戦力を派遣しては来ないだろうが、それでもいい顔はされない。

 どちらにしても、明日彼女たちが落ち着いたら、きちんと聞き取りをしないとまずそうだ。


 最後に、フランが、「もしかしたらですが、聖女様は人族の姫かもしれませんね」


「それは私も考えた。ここに守様がいる以上、どんどんプレアデスの姫様が集まってきているし、彼女も可能性はあるかもしれませんね」


「やっと、私の仕えるべき主が現れたのですね」


 フランは、俺とあったときにそんな事を言っていたな。

 プレアデスの姫に仕える従者だと。


 フレアは人族になるから、心のなかで密かに望んでいたのだろうな。

 圧倒的に数の少ない種族の姫とは無事に合流しているのに、人族の姫については噂すら聞こえてきていない。

 尤も、俺があまり人族首都との関わりを持たないからなのだろうが、フレアは俺に合うまでにもどこかで姫を探していたようで、それでも噂すら聞かなかったというから、本当に見つけにくいものなのだろう。


 助けたのが教国の中で、少なくとも侍祭の責任者なのだから、偉いのだろうが、フレアが聖女と呼んでいるのもわかるが、彼女は俺には聖女とは名乗っていないので、少なくともこの段階では、聖女として扱うわけには行かないが、それもこれも明日以降に詳しく聞き取りをしてから判断することになるかな。



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