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プレアデスの伝説 姫たちの建国物語  作者: のらしろ
第五章 プレアデス領国
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第104話 外交訪問団の派遣




 俺は、とりあえず島全体の様子を見ることができたので、一旦巡視艇の戻ることにした。

 ヘリを後部デッキに停め、仕舞う前にダーナたちに相談してみた。


「おおよそ、あの島についてはわかったよな」


 俺はそう言ってから、メモ帳を取り出して簡単にメモ書き程度の地図をメモ帳に書いてみせた。

 ダーナやフランはメモのある地図に驚いていたが、俺は構わずメモを見せながら説明していく


「ちょうど、獣人国……だったけか。 

 多分、こちらと反対側に入江があり、その奥に集落があるから、そこだと思うが……」


「守様。なにか言い淀んでいるようですが」


「ああ、国と言うには俺達とあまり状況的に変わらないような気がする。

 あくまで上空から見た限りだが、それでも王都といえばいいのか城のようなもの見えなかったし……あ、それでも俺達の拠点よりは何倍も大きかったが」


「それで間違いないと思います」


ダーナが力強く言ってきた


「そ、そうなのか」


「では、帆船で訪問団を送ることにしましょうか」


 巡視艇内での話し合いはすぐに終わり、かねてから計画通りに、巡視艇で訪問団を送ることに成った。


 ケートたちに帰還するよう指示を出して俺は出しっぱなしのヘリをしまう。

 話し合いの間で、しまえるくらいまでエンジンは冷えていたので、ロータを畳んで、車輪を出して力尽くで格納庫の中に引っ張っていった。

 

軽いヘリならいいが、これは重いから大変だ。

幸い、今回は帆船の船乗りたちも同行していたので、彼らにも手伝ってもらいしまうことができた。

俺達がヘリと格闘している間にも、巡視艇は拠点に向けて巡航速度で帰っていく。

 本当に、俺一人では絶対にできないことだが、仲間も増えて、しかも徐々にではあるが、俺が持ち込んだ機器類の操作も習得している人も増えてきていたので助かる。


 それから数時間して俺達は無事に二の浜に戻ってきた。

 日帰りでお隣とはいえ、海を隔てた島の調査を終えること自体、この世界の人には驚かれたが、すでに夕方、普通ならば残券は明日に持っていくところなのだが、話し合いなので、すぐにメンバーが招集された。

 今回は、実際に帆船の動かす乗員のうちから船長以下、航海士たちもご招待だ。


 フェリーの食堂で集められたメンバーは、物欲しそうにしているのでとりあえずビールをジョッキで一杯だけ出して、ダーナからは、「話し合いが終わるまでは、それで我慢しな」と言われている。


 俺も頂いたが、おつまみがないのもさみしいので、みんなに枝豆を振る舞うようお願いをして、話し合いが始まった。


 酒が飲みたいのか、とにかく話合はスムーズに済んだ。

 これでいいのか……んと思わないこともないが、話合の進行におかしな点は一切なかったし、何よりありがちな脱線することなどただの一度もない。


 この世界の酒は偉大だということで、俺はその後の飲み会に備え、おつまみ料理などを差配していく。


 話合の結果は、かねてからの計画通り、帆船を出して訪問団を送る方向で、そのさい俺は巡視艇の乗って、すぐに駆けつけるポイントで待機して連絡を待つことになる。

 訪問団の団長にダーナ、副団長にフランの二人がいれば無線機を持たせても心配はない。

 フランの警護役だった、元騎士たちはケリーを含め巡視艇で待機だ。

 その代わり、ダーナの部下から屈強な獣人たちが着くことに成っている。

 なにせケリー二杯までは巡視艇の乗員としての役割ができたので、他に代われない。

 

 そんなこんなで、訪問団の派遣壮行会のような雰囲気の飲み会が始まった。

 俺からさんざんセーブして飲むよう指示を出すが、誰も聞く耳を持たない。

 翌日にはこれも予定調和なのか、ドワーフたち以外は少しおかしい。

 特に初めて参加の帆船の乗員たちは今日は使い物なりそうにない。


 それでも準備を進めないといけないので、ダーナの指示の元、帆船に物資を積み込んでいく。


 準備を進めていくうちに問題が発生……いや、顕在化した。


「守様。

 あの帆船ですが、帆が足りません」


「足りない??どうして」


「あの帆船と鹵獲した時にマストごと海に落としたのが原因ですかね。

 普通ならば予備も積んでいるはずなのですが……」


 ああ、そういうことか。

 どこかで調達するしか……予備の帆布を探してもどうしても総帆展帆はできそうにない。

 どうせ、すぐ近くまで俺の巡視艇に曳航されるのだから、それほど問題でも無さそうだとは思うが、ダーナたちは気に入らない。


「外交に少々影響が出ます」

 

 初めて訪れる場所なだけに、訪問団としては総帆展帆しながら入湊して威容を示す必要があるらしい。


 結局、フェリーから大型テントの一つを捌いて、帆布として間に合わせることにした。

 色がそこだけ違うが構わないらしい。


 準備が完全に整ったのは、俺達が帰ってから2日後だった。


 3日後に、改めて訪問団を送り出すことにした。

 一応、二ノ浜では、それらしく出湊の式典のようなことをして、帆船だけがゆっくりと浜から離れ、湾内を出ていく。

 完全に帆船が湾を出てから俺達は巡視船に乗って帆船を追いかける……と言っても速度が違うので、俺達が船に乗ってからでも1時間とかからずに追いつける。


 いや、曳航のためのロープ渡しをしても、お釣りが来た。

 みんな慣れたものだ。


 そこからは、巡視艇が曳航して、この間向かった島の今度は反対側に向けて進路を取った。


 数時間後に、俺達が目的とした場所、島影が辛うじて認識できる位置に停船する。

 高さのある島中央部分を辛うじて見るだけの距離だから多分島にある街からは30kmはあるだろう。

 これなら俺達が見つかるおそれはない。

 島に向かう船があっても、レーダーで確認しているので、巡視艇の周り20kmには付近を航行する船は見つからない。


 ここで、曳航してきたロープを放ち、帆船だけで向かってもらう。

 一応、俺は攻撃ヘリの方を出して付近を偵察して回るが、やはり付近を航行する船も魔物も見つからないので、安心して巡視船に戻った。


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